アン・ライス
アン・ライス(Anne Rice、1941年10月4日生まれ、2021年12月11日(80歳没)[1][2])は、アメリカ合衆国の小説家。 「ヴァンパイア・クロニクルズ」や「ザ・マミー」、「魔女の刻」シリーズなど、吸血鬼(ヴァンパイア)、ミイラ(マミー)、魔女をモチーフにした作品で知られる、ホラー小説、ゴシック小説、ファンタジー小説作家。主にゴシック系サブカルチャーを支持する青年層に大きな影響を与え、またSMのテーマにおいても作品を発表している。2002年12月9日に脳腫瘍で亡くなった詩人および画家スタン・ライスの妻で、作家クリストファー・ライスの母。 プロフィールルイジアナ州ニューオーリンズに、郵便局職員の父ハワード・オブライエンと母キャサリンのもと、ハワード・アレン・フランセス・オブライエン(Howard Allen Frances O'Brien)として生まれた。アイルランド系カトリックの家庭環境下で生まれ育つ。幼かった彼女は男性的なファーストネームを気にしていたため、初めて入学した時にアンと名乗って以来、その名で通すようになった。5人姉妹の一人で、姉に作家のアリス・ボーシャートがいる。16歳の時に一家はテキサス州リチャードソンに転居し、リチャードソン高校に在学中に将来の夫スタン・ライスと出会った。テキサス女子大学と北テキサス大学で学んだのち、スタンと共にサンフランシスコ州立大学に転校し、学士号と修士号を得た。学部では政治学を専攻していた。1972年8月5日に長女ミシェルを白血病で失ったことをきっかけとして、1973年に脱稿した処女作『夜明けのヴァンパイア』(Interview With the Vampire)を1976年に出版、「ヴァンパイア・クロニクルズ」シリーズでベストセラー作家入りを果たす。 1994年に公開されたニール・ジョーダン監督、トム・クルーズ、ブラッド・ピット、アントニオ・バンデラスなどが出演する映画『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』では脚本も担当し、大ヒットとなり世界的に著名な作家となった。2002年には続編映画『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』(シリーズ第2作、および同名の第3作が原作)が公開されている。 1989年にスタンがサンフランシスコ州立大学の教授職を退任したことをきっかけにサンフランシスコ・ベイエリアを離れ、ニューオーリンズのガーデン地区に転居した。 カトリックの影響を色濃く反映したその独特の非日常世界観で根強いファンを獲得する反面、その世界観に付き合えない者も多いという、人を選ぶ作風を持つ。 多数の著作を実名で出版しているが、アン・ランプリング(Anne Rampling)、A・N・ロクロール(A. N. Roqueloure)のペンネームも持つ。 『ニューヨーク・デイリーニュース』の記事によると、ライスの25冊の本の総売上は1億3600万部に達する[3]。 夫スタンが亡くなったあと、2004年に住み慣れた家を売却し、息子の住むロサンゼルスに近いカリフォルニア州ランチョ・ミラージュに移った。ハリケーン・カトリーナ後のニューオーリンズの復興事業を強く支援している。 日本での受容状況アン・ライスの名声は米国内では不動のものとして確立し、日本においても、最も名高い「ヴァンパイア・クロニクルズ」シリーズから別名義で書かれた官能小説的シリーズに至るまで、多数の著作が多くの種類にわたって翻訳されており、コンテンツ文化における、特に吸血鬼の表象については大きな影響を及ぼしている。しかし、「ヴァンパイア」シリーズも完訳には至っておらず、2003年以来新規の翻訳出版は為されていない。 これに関して、あるファンが続刊嘆願運動を起こそうとして、2004年に翻訳版元の一つ扶桑社に連絡をしたところ、翻訳権のライセンス料が高騰しているのでこれをまかなうことが難しい(他版元である徳間書店もおそらく同様)という旨の返答を受け取ったことを、ファンサイトで報告している[4]。ライスは映画やブロードウェイでの舞台、TVドラマなどに進出していったが、キリスト教要素と密接に関連することが多いこともあってか、日本では『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』に加えて続編の『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』が公開されたのみに終わっている。 主な著作ヴァンパイア・クロニクルズ
ヴァンパイア・クロニクルズ外伝
メイフェア家の魔女たち
ヴァンパイアとメイフェア家のクロスオーバー作品以下の作品から、メイフェア家の魔女たちがヴァンパイア・クロニクルズの人物として作中に登場する。
キリストの生涯
熾天使の歌声
単独作品集
短篇集
ノンフィクション
アン・ランプリング名義
A・N・ロクロール名義
映画
脚注
外部リンクInformation related to アン・ライス |