イタチタケ(鼬茸、学名: Candolleomyces candolleanus)は、ナヨタケ科に属するキノコの一種。森で見られる傘が黄色のキノコで、世界中で見られる。広葉樹の切り株や枯れ木に発生する。
名称
和名は、「鼬」の漢字を与えているが、イタチタケの語源に語源についてはよくわかっていない。
種小名 candolleanusは19世紀のスイスの菌学者ドゥ・カンドルにちなむ[3]。
地方名は、下のようなものがある[4]。
分布・生態
世界の広葉樹林の朽ちた倒木に分布する[3]。
夏(梅雨ごろ)から秋(中秋)にかけて、ナラ、コナラ、クヌギなどの広葉樹林の林内地上や、枯幹、材上や切り株腐木、公園などの切り株に散生か群生する。木材腐朽菌[3][5][6]。
形態
子実体は、傘と柄からなる。傘は径3 - 7センチメートル (cm) [3]。傘の形は若い時期は卵形から鐘形だが、生長すると中央が中高の扁平になる[5]。傘の表は湿ると、淡黄褐色でなめらか[3]。乾燥すると、放射状に裂けやすく、表面は密色~淡褐色で、微細なささくれ状~平滑[5]。傘の裏のひだははじめ白色で淡紅色を帯び、直生または湾生していて密。胞子ができて老成するとひだは帯紫褐色になる[5]。傘が開くにつれ白色の被膜が傘の縁に付着し、しばらく経過すると、白い毛が傘の縁に付着しているような外見となる[6][3]。胞子は暗紫褐色[6]。
柄は長さ4 - 8 cm、白色で脆く、表面がささくれている。中空で細長く、下方はやや太い[3]。柄につばをつけることはない[6]。
利用
若いキノコを食用にするが、傘の裏が黒くなった老菌は食用に適さない。汁物や炒め物(バター炒め)、鉄板焼き、お好み焼きの具などにするとよい[5]。柄の太いものを選ぶとよいが、これは薄くもろく壊れやすいためである[6][5]。ただし、毒成分のシロシビン類があり、頭痛、悪寒、平衡感覚の喪失、めまい、血圧降下、幻覚、精神錯乱、暴力など、中枢神経系の中毒を起こす[4]。
脚注
参考文献