インジナビル(Indinavir、IDV[1]:1)はプロテアーゼ阻害剤で、HIV感染症や後天性免疫不全症候群(AIDS)を治療するための抗ウイルス療法(anti retroviral therapy:ART。以前は highly active anti-retroviral therapy:HAARTと呼ばれた)で使用される[2]。商標名はクリキシバン(Crixivan)で、メルク社によって生産されている[1]:1。
歴史
1996年3月13日、アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration、FDA)はインジナビルを8番目[要出典]の抗レトロウイルス薬として認可した[1]:1。インジナビルはそれまでにあったどの抗HIV薬よりも強力で、二種のヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NRTI)と合わせて使用することがHIV/AIDS治療の標準と定められ、これにより次世代の抗レトロウイルス薬の設計と開発の水準が引き上げられた。インジナビルのようなプロテアーゼ阻害剤により、AIDSは不治の病ではなくなり、コントロール可能な疾病へと変わった。現在では、より服用しやすく耐性ウイルスを生じさせにくいロピナビル(lopinavir, LPV)やアタザナビル(atazanavir, ATV)ダルナビル(darunavir, DRV)といった新しい薬に置き換えられている。