キャット・バルー
『キャット・バルー』(原題:Cat Ballou)は、1965年に公開されたアメリカ合衆国の映画。 概要父親を殺され復讐に走り、お尋ね者「キャット・バルー」となる娘と、彼女に協力する男たちを、ナット・キング・コールとスタッビー・ケイの音楽にのせた語りなど随所にミュージカルの作風を取り入れて描いた、コメディ西部劇。オープニングではコロンビアレディが女ガンマンに変身する演出がある。 ジャック・パランスはシェリーン役を希望していたが受け入れられず、逆にカーク・ダグラスには断られた(その後、ダグラスは似たような2役をTVシリーズ『The Man from Snowy River』で演じている)[2]。同様にキャサリン役もアン=マーグレットが予定されていたが、彼女に断られた[3]。 公開4か月前に肺ガンで亡くなり、本作が遺作となったナット・キング・コールは撮影中に病状が悪化していたものの、その様子をうかがい知ることはできないほど役を演じ、美声を披露している。 あらすじ実家に帰省する途中のキャサリンは、列車の中で護送中のクレイに出会う。クレイは伯父のジェドやキャサリンと一芝居うち、保安官の手を逃れ逃亡する。 ワイオミング州ウルフ・シティの実家に戻ったキャサリンは、牧童のジャクソンから水利権目当てのサー・ヘンリー・パーシヴァルが父フランキーの牧場を欲しがっていることを聞かされ、さらに父を狙う殺し屋ティム・ストローンと遭遇する。 キャサリンは村のスクウェアダンスで 再会した逃亡中のクレイとジェドに協力を求めるが、いざとなると頼りない返事にあきれるばかり。最後の手段として高額で殺し屋のキッド・シェリーンを雇うが、かつての凄腕はどこへやら、今は銃を持つ手もおぼつかないほど酔いどれていた。おまけに先に払っていた50ドルも酒代となって消えていた。しかし、酒を飲むとその様子は一変し、見事な銃さばきを披露する。キャサリンはシェリーンにストローンと対決するよう頼むが、シェリーンは怖気づき、さらに父が彼女の目前でストローンに射殺されてしまう。 保安官のエドに訴えるも、パーシヴァルに抱き込まれていると知ったキャサリンは復讐を誓い、お尋ねものだけが出入りを許される「壁の穴村」へ向かう。そこで列車強盗を企画し、成功させた彼女は本物のお尋ね者になるが、奪った金はヘンリーが経営する開発会社の従業員の賃金だった。かねてヘンリーとの間でお互いに手出しをしないと示し合わせていた壁の穴村の住人たちから非難され、さらに行き違いからクレイは去ってしまう。金を返すよう迫るストローンと決着をつけるべくシェリーンはトレーニングに励み、見事にケリをつけ、自分とストローンが兄弟であったことを告げる。さらに次の計画を企画するシェリーンに対してクレイは反対し、キャサリンに結婚を申し込み、彼女から断られるが、シェリーンはキャサリンの本心を見抜き、クレイを炊きつける。 キャサリンは単身パーシヴァルの元を訪れ、色仕掛けで誘惑し射殺する。彼女は逮捕され、絞首刑に処されそうになるが、クレイやジェド、ジャクソンやシェリーンによって救出される。逃亡する馬車の中でクレイと結ばれたキャサリンは、のちに無法者「キャット・バルー」として人々の語り草になる。 登場人物
キャスト
スタッフ
評価1965年には2060万ドルの興行収入を記録し、同年の映画興行トップ10に入った[2]。 2役を好演したリー・マーヴィンは、第38回アカデミー賞や第22回ゴールデングローブ賞で主演男優賞を獲得するなど多くの賞を得た。批評家からの評価も高く、AFIアメリカ映画100年シリーズでは2000年のアメリカ喜劇映画ベスト100で第50位、2008年の10ジャンルのトップ10西部劇部門で第10位に選ばれている[5]。 受賞・ノミネート
脚注
外部リンク
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