帰国後は、ボードレールやヴォルテールのテクストにより歌曲の作曲を続けていたが、ようやく《ルイーズ》が完成すると、パリのオペラ=コミック座に受理され、公演の準備が進められた。このオペラは、パリの労働階級の日常を写実的に描き出しているので、フランスにおける最初のヴェリズモ・オペラと見なされることがある。《ルイーズ》は1900年2月2日にアンドレ・メサジェの指揮で初演され、オペラ=コミック座で20世紀で最初に上演された新作オペラとなった。この作品はたちまち成功を収め、世界各地で演奏されるようになり、ギュスターヴ・シャルパンティエの名を広めた。また、当時の上演で主役を演じた、スコットランド出身の名ソプラノ、メアリー・ガーデンにとってもルイーズは当たり役となった。 1939年にはグレース・ムーアの主演で映画化もされた。《ルイーズ》は今日なお時おり上演されるだけでなく、このオペラのアリア《その日から》(Depuis le jour )は、ソプラノのリサイタルの演目としても人気がある。