クレーヴの奥方 (1961年の映画)
『クレーヴの奥方』(クレーヴのおくがた、フランス語: La Princesse de Clèves)は、1961年製作・公開、ジャン・ドラノワ監督のフランス・イタリア合作の長篇劇映画である[1]。 略歴・概要マダム・ド・ラファイエットの書いた17世紀末の恋愛小説『クレーヴの奥方』の初の映画化である[2]。詩人で映画作家のジャン・コクトーが脚本を書き、ドラノワが監督した。 日本では本作の完成後、長らく劇場公開はされなかったが、東京日仏学院が英語字幕付の16ミリプリントを所蔵しており、上映される機会はあった。フランス等での公開後27年を経た1988年、ケイブルホーグが日本での上映権を取得し、同年11月19日に日本での初公開を果たした[1]。日本でのDVDは未発売である。 スタッフ
キャスト
ストーリー舞台は16世紀、アンリ2世(レイモン・ジェローム)の時代。クレーヴ公(ジャン・マレー)と、晴れて「クレーヴの奥方」となったシャルトル公の令嬢(マリナ・ヴラディ)の結婚を祝う舞踏会である。クレーヴ公夫人は、偶然いっしょに踊ることになったヌムール公(ジャン=フランソワ・ポロン)に惹かれる。ヌムール公も同様だった。 ジュ・ド・ポームの試合の日、クレーヴ公夫人のいとこのシャルトル子爵(アンリ・ピエゲ)が、愛人宛の手紙を落としてしまう。王太子妃メアリー・スチュアート(ルネ=マリー・ポテ)は、クレーヴ公夫人にその手紙を託される。シャルトル子爵は王妃カトリーヌ・ド・メディチ(レア・パドヴァーニ)の愛人であるが、その手紙はほかのだれかに宛てたものであった。シャルトル子爵は、ヌムール公に頼み、手紙を取り返そうとした。クレーヴ公夫人は手紙を焼却する。手紙の存在を知る王妃カトリーヌ・ド・メディチが、その手紙を欲していることを知ったクレーヴ公夫人とヌムール公は、王妃に渡すべく手紙を書き直す。その過程で、二人の心のなかから現れる愛のことばに、二人の気持ちは高まっていく。 自分の胸に生じた恋心に驚くクレーヴ公夫人は、相手を明かさぬまま、夫のクレーヴ公に事態を告白する。ある夜、まったくの用事でヌムール公がクレーヴ公夫人の寝室に入る。道化(ピエラル)がそれを目撃し、クレーヴ公に告げ口をする。クレーヴ公は苦しみのあまり病に倒れ、息絶える。 クレーヴ公夫人は苦しみ、隠遁し、彼女にも死の影が近づく。クレーヴ公夫人は手紙を書く。手紙はヌムール公に届くことなく、クレーヴ公夫人は息絶えた。 関連項目註外部リンク |