クロヅル (植物)
クロヅル(黒蔓[5]・昆明山海棠[6]、学名: Tripterygium regelii)とはニシキギ科クロヅル属の落葉つる性木本。山地に生える。雌雄同株。別名、ベニヅル、サイゴククロヅル[1]。中国名は、東北雷公藤[1]。 特徴幹の直径は15ミリメートル (mm) になり、地表の他の植物を這い、ときに高木に巻きつき、這い上がることもある。若いつる(今年枝)は黄褐色または赤褐色[5]、前年枝は濃紫褐色で、より古い枝はしだいに灰色になる。樹皮の古いものは暗赤色で、太くなると縦に裂けてくる[5]。つるは上から見て左巻き(Z巻き)に巻き付く[5]。 葉は葉柄をもって茎に互生し、年枝ごとに4 - 10枚はえる。葉の形は卵形から楕円形で、葉先は急鋭頭、基部は浅心形からくさび形、縁は鈍鋸歯になる。葉身は長さ5 - 15センチメートル (cm) 、幅4 - 10 cmで、両面とも無毛。 花期は7 - 8月[5]。枝先に円錐花序をつける。花は径6 mmで緑白色。果実は幅、長さとも12 - 18 mmの翼果で淡緑色から淡緑紅色を帯びる。 冬芽は互生し、円錐形で先が尖り、芽鱗は4 - 6枚で枝と同色である[5]。葉痕は半円形で、維管束痕は1個つく[5]。
分布と生育環境日本では、本州の東北地方から兵庫県の日本海側、および奈良県、四国ならびに九州に、東アジアでは、朝鮮半島および中国東北部に分布する。温帯の山地稜線、林縁、林内に自生する。 近縁種、利用中国などには近縁種タイワンクロヅル Tripterygium wilfordii が分布する。 タイワンクロヅルの根を加工した生薬は雷公藤(らいこうとう; レイコントン(léigōngténg))の名で知られ、関節リウマチなど炎症性疾患の妙薬とされる[7][8][9][注 1] また英語版によれば避妊薬として使える可能性があるとも。 クロヅルにも薬効があり、葉や蔓を乾燥して生薬に用いるともいう。 参考文献
脚注注釈出典
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