クローラークレーンクローラークレーン (Crawler crane) とは、原動機を備えていて、走行装置に履帯(クローラー)を用いて不特定の場所へ自力移動して作業できる移動式クレーンである。 概要クローラはゴムタイヤや鉄輪に比べて接地面積が広く、接地圧が小さいため、地盤が柔らかく支持力の低い場所や、舗装されていない路盤上の作業に適している。その反面、走行速度が低く、小型でも自動車としての登録ができないため、公道は自走できない。現場間の移動はジブ(ブーム)部分を解体してトラックやトレーラー等に積載して運搬する必要がある[1]。 大きさによる特徴
定格荷重が1トン以上5トン未満の小型移動式クレーンを運転する者は移動式クレーン運転士免許または、小型移動式クレーン運転技能講習終了証を取得し、所持している者に限られる。 小型のものは「ミニクローラークレーン」とも呼ばれ、定格荷重が5トン未満のものを指す。定格荷重が3トン未満で折りたたみ式アウトリガーを備えるものでは、4本のアウトリガーで車体を支える姿がカニまたはクモに似ていることから、通称カニクレーンやクモクレーンとも呼ばれている。 小型では、油圧伸縮式(テレスコピック)ブームのものが多い。定格荷重がおよそ2.9トンから4.9トンの機種ではショベル系の機体を利用した乗用型でアウトリガーを装備しない機種が多いが、定格荷重がおよそ2.9トン以下のものでは運転席を備えず、床上からレバー操作で運転するタイプ、所謂「カニクレーン」が多い。 古河ユニックや前田製作所などの製造メーカーがある。用途としては、狭隘道路の工事、石材や造園工事、建屋内での機械組立やPC板ALC板の建組工事に多用されている。
定格荷重が5トン以上の移動式クレーンを運転する者は移動式クレーン運転士免許を取得し所持している者に限られる。 吊上荷重がおよそ35トン程度以下の機種では、ジブを取り外せば機体を分解せずにトレーラーに積載して道路輸送可能であるが、それ以上の機種では、上部旋回体と下部フレームやクローラ部を分解しないと、公道輸送可能なサイズと質量に収まらない。分解して輸送し、現場で組み立てる。組み立てには、別の移動式クレーンが必要になる。 大型では殆どの機種でラチスジブ(トラス構造ジブ)が採用されている[1] 。ジブが極端に短い仕様以外では、旋回体後部にカウンターウェイトを取り付けて荷重反力を受ける必要がある。吊上荷重がおよそ50トン以下の機種では上部旋回体の内部にカウンターウエイトが組み込まれていて分解や調整の必要が無い機種も有るが、吊上荷重が50トンを超える機種ではジブ長さや作業半径に応じてカウンターウエイトを増減する仕様が一般的である。 吊上荷重が800トンを超える超大型のものでは、独立したカウンターウェイト台車を旋回体後部に連結して、ガイロープの一部をカウンターウェイト台車に接続する。台車はクレーンの旋回に合わせて円弧上を走行する[2]。
クローラクレーンを製造・販売している主な会社日本日本国外日本に導入されているメーカーを挙げる。 脚注参考文献
|