グレビーシマウマ
グレビーシマウマ(Equus grevyi)は、哺乳綱ウマ目(奇蹄目)ウマ科ウマ属に分類される種。名前はフランスの元大統領ジュール・グレヴィーにちなむ[1]。 分布絶滅した分布域形態体長240-300センチメートル[2][3]。肩高140-160センチメートル[3]。体重350-450キログラム[3]。頭部や頸部は長い[2]。全身は白い体毛で覆われ、背面には黒く細かい縞模様が入る[2][3]。腹面に縞模様は入らない[2][3]。 耳介は大型で幅広く、丸みを帯びる[2]。耳介の先端が白い[3]。耳介の内側には体毛が密生する[2]。 生態サバンナや半砂漠地帯に生息する[2][3]。薄明薄暮性で、昼間は木陰などで休む[2]。1頭のオスとメスや幼獣からなる10頭前後の小規模な群れを形成し生活する[2]。オスは縄張りを形成する[3]。 食性は植物食で、主に草を食べる[3]。基本的に毎日水を飲むが、2-5日は水を飲まなくても生きられる[2]。嗅覚で水脈を探し、干上がった川底を掘りかえることもある[2]。 繁殖形態は胎生。妊娠期間は390-428日[2][3]。周年繁殖し、1回に1頭の幼獣を産む[2][3]。幼獣は生後10分ほどで立ち上がり、生後45分ほどで走行できるようになる[2]。 授乳期間は6か月[2]。飼育下では生後2年6か月で性成熟した例がある[2]。寿命は18-30年と考えられている[2][3]。 人間との関係グレビーシマウマは欧州人が発見した初めてのシマウマであり、古代ローマのサーカスで展示されていた[1]。しかしながらその後17世紀にショア(現エチオピア中部)の王からオスマン帝国のスルターンとジャカルタのオランダ総督に贈られるまで、西洋社会からは1000年以上忘れさられていた[1]。1882年にフランス大統領ジュール・グレヴィーに贈られた1頭を、フランスの動物学者アルフォンス・ミルン=エドワーズが調査した結果、アフリカ南部のシマウマとは別種であると認められ、大統領にちなみグレビーシマウマ(仏:Zèbre de Grévy)と命名された[1]。 開発による生息地の破壊や水資源の枯渇、食用や毛皮目的の乱獲、家畜との競合、観光客による繁殖の妨害などにより生息数が激減している[2][3]。生息地では本種の狩猟は禁止されているが、密猟されることもある[2]。ケニアでの1977年における生息数は13,700頭、1988年における生息数は4,276頭と推定されている[2]。ソマリアでは1973年以降の目撃例が無いため絶滅したと考えられている[2][3]。 参考文献
関連項目外部リンク
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