ゲーリック体育協会
ゲーリック体育協会(ゲーリックたいいくきょうかい、アイルランド語: Cumann Lúthchleas Gael [ˈkʊmˠən̪ˠ ˈl̪ˠuːˌçlʲasˠ ˈɡeːlˠ] 国内略称:CLG、英語: Gaelic Athletic Association 国際略称:GAA)は、ゲーリック・ゲームズと呼ばれる伝統的なアイルランドのアマチュア競技と余暇の統括と普及を目的とした団体である[1]。本部はアイルランド共和国のダブリン市内クローク・パークにある。 ゲーリックゲームには、ゲーリックフットボール、ハーリング、カモギ、ゲーリックハンドボール、ラウンダーズなどがある。この協会(GAA)はまた、アイリッシュミュージック、アイリッシュダンス、アイルランド語の普及にも取り組み、「グリーンクラブ」制度を介して環境保護の取り組みにも携わる[2]。 概要GAAの会員は約80万人で(2014年時点は全世界に50万人超[3])、人口500万人ほどのアイルランド島で最大の組織として、また北アイルランドにもカトリック系住民を中心に多くの会員を抱えている。年間総収入は9610万ユーロと発表された(2022年時点[4])。 ゲーリック・ゲームズの試合日程は、ゲーリック体育協会の統括部門である競技管理委員会(CCC=Competitions Control Committee)が統率し、GAAカウンティ単位(英語版)もしくはプロヴィンス協議会(英語版)まで目を配る。 当協会が普及を促す競技の中で最も盛んな種目はゲーリックフットボールとハーリングであり、アイルランドで観客動員数が最も多く[5]、前者は北アイルランドでは同じく動員数第2位である[6]。女子スポーツである女子ゲーリックフットボール(ウィキデータ)とカモギはそれぞれ主催団体があり、女子ゲーリックフットボール協会とアイルランド・カモギ協会は連携も緊密である。ハンドボール競技はGAAハンドボール協会(英語版)の傘下で、ラウンダーズにはGAAラウンダーズ全国カウンシルがある(英: GAA Rounders National Council、愛: Comhairle Cluiche Corr na hÉireann)。 GAAはクレア県出身のマイケル・キューザックによって1884年に設立された。アイルランドのスポーツ界にも文化活動(英語版)にも大きな影響力を及ぼし、その範囲は国内の地域社会にもアイルランド系移民が暮らす国や地域にわたる[7]。 沿革競技種目文化活動アイルランド文化の振興において、当協会は長い歴史を築いてきた[8]。またアイルランドの文化活動を促進するため、協会のScór部門(アイルランド語で「楽譜」)を通じて、音楽や歌、ダンスや物語のコンテストを開いている。 GAAの公式ガイドの規則第4項に、次のように記してある。
このグループの正式な設立は1969年、アイルランド全土のさまざまな協会クラブ(およびアイルランド国外のいくつかのクラブ)を介して普及してきた。 グラウンドこの協会が所有するスタジアムは国内外に多数ある。アイルランド全県とほぼすべてのクラブがグラウンドを備えていてホームゲームを開き、収容人数や設備はそれぞれに異なる。 GAA の階層構造(英語版)はグラウンドの使用にも適用され、クラブ選手権(英語版)の前半戦は各クラブが自前のグラウンドで試合し、後半戦では準々決勝以降決勝まで、通常、県のグラウンドつまり県対抗戦(英語版)の会場もしくは県委員会が拠点を置くグラウンドで催される。 例年、県対抗戦の決勝は同じ会場を使用するが、例外もあり、たとえばアルスター(Ulster GAA)は2004年と2005年、クローク・パークに会場を変更した。アルスター・サッカー決勝戦(英語版)の観客数がこれまで使ってきたモナハン県クローンズ(Clones, County Monaghan)のセント・ティアナック・パーク(英語版)の収容人数を大幅に上回ると見込まれたせいである。 クローク・パーク当協会傘下の競技場の旗艦であるクローク・パーク競技場は、同時に協会が本部を置いており、通称「クローカー」または「本部」と呼ばれる。大規模な改修工事が1990年代から21世紀初頭にわたって行われ、収容人数は8万2300人と、その規模はヨーロッパの競技場トップ5にランク入りしている。この競技場では例年、夏季選手権のハーリングおよびフットボールのフィナーレとして、9月に全アイルランド県対抗決勝戦を開く。クラブ・フットボールおよびハーリングの全アイルランド決勝戦も会場はここである。協会の1884年設立時、そのパトロンを委嘱したトーマス・クローク大司教(̺英: Archbishop Thomas Croke)に献名した。 旧来のクローク・パーク・ハンドボール・センターは1970年代に建設され、国立ハンドボール・センター(National Handball Centre)はそちらから当競技場のキャンパスに本拠地を移し、ゲーリック・ハンドボールの全アイルランド決勝戦の開催地となる予定[10]で、2021年末には国の新型コロナウイルス対策に従った(同年12月17日発表、指定期間は同月20日から翌2022年1月30日)[11][注 1]。 その他のグラウンド協会傘下のグラウンドのうち、5万人規模のものはいずれもムーンスターにあり、それぞれセンプル競技場(収容人数5万3000人:ティペラリー県サールズ、センプル・スタジアム(英語版)、ゲーリック・グラウンド(同5万人:リメリック英語版))、ポールク・イー・ヒーヴ(同4万5000人:コーク県[[:en:Páirc Uí Chaoimh|アイルランド語: Páirc Uí Chaoimh]])である。 その他、以下は2万5000人超を収容できる規模の競技場である。
ナイル・カニンガムはサッカー選手として元ファーマナ県(]英語版)の代表で、アイルランド全域のサッカー・グラウンド]を調べて周ると GAA 規格の1,748箇所の配置図を2016年に個人ウェブサイトに発表した(gaapitchlocator.net)。最多はコーク県の171箇所だという[13][14]。 脚注注釈出典
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