コートニー・パイン (Courtney Pine 、CBE 、1964年 3月18日 - 、ロンドン 生まれ)は、1980年代に活動したブラック・ブリティッシュ・バンド、ジャズ・ウォーリアーズの主要な創設者であり、イギリスのジャズ ・ミュージシャンである[ 1] 。主にサクソフォーン の演奏で知られているが、パインはマルチ楽器奏者であり、フルート 、クラリネット 、バスクラリネット 、キーボード も演奏する。2011年のアルバム『Europa』では、ほぼバスクラリネットだけを演奏している[ 2] 。
背景
パインの両親はジャマイカ 移民で[ 3] 、父親は大工、母親は住宅管理人であった。子供の頃の彼は、宇宙飛行士 になりたかったという。パインはロンドン で生まれ、キングスベリー高校に通い、クラシック音楽 のクラリネット を学び、14歳からサクソフォーンを自分で学んだ[ 4] 。音楽キャリアをレゲエ から始め、1981年にクリント・イーストウッド &ジェネラル・セイントと一緒にツアーを行った[ 5] 。
略歴
1986年、パインのデビュー・アルバム『コートニー・パイン (Journey to the Urge Within)』は、全英アルバムチャート にてトップ40入りした[ 6] 。彼は、1985年にコミュニティ組織「The Abibi Jazz Arts」(TAJA)を通じて設立した、影響力のあるイギリスのビッグ・バンド、ジャズ・ウォーリアーズの主要な創設者である[ 7] 。ジャズ・ウォーリアーズは、1985年の国際青年年の夏にロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホール のロビーで一連のパフォーマンスを行ったアビビ・オールスターズ・コミュニティ・バンド (Abibi All-Stars community band)から発展した。ジャズ・ウォーリアーズは、パインのリーダーシップの下で2枚のアルバムを録音した。アルバム『アウト・オブ・メニー・ワン・ピープル』が、1987年にアイランド・レコード ・レーベル傘下のアンティルス・レコードからリリースされ、アルバム『Afropeans』が、20周年を迎えた2007年にパイン自身のレーベル「デスティニー・レコード (Destin-e Records)」からリリースされた[ 8] 。ジャズ・ウォーリアーズの「Afropeans」プロジェクトは、奴隷貿易法廃止の2周年を記念して、イングランド芸術評議会から委託された[ 9] 。パインがジャズ・ウォーリアーズを始めるためのアイデアを植え付けてから30年後、彼は「ヴィーナス・ウォーリアーズ」というすべて女性のジャズ・バンドを集めて、チャリティ・パフォーマンスを行い[ 10] 、ジャマイカ系イングランド人でクリミア戦争 のビジネス・ウーマンにして看護師であったメアリ・シーコール の像をロンドンにあるセント・トーマス病院の外に建てるという「メアリ・シーコール記念像嘆願」の認知度を高めた[ 11] 。
彼の近年の音楽は、ドラムンベース 、UKガラージ など現代のイギリス音楽とコンテンポラリー・ジャズ のスタイルを統合している。彼は自身のバンドを運営し、自身のパフォーマンスに多くの現代ミュージシャンを起用している。彼はまた、BBCラジオ2で『Jazz Crusade』という番組を提供しており、その第7シリーズは2007年春に放送された。
1988年、テレビ・ドラマ『ドクター・フー 』のシリーズ『シルバー・ネメシス』に、自身の役でジャズ・カルテットとして出演した。
パインは、ジャズ音楽への奉仕を称えられて新年叙勲にて、2000年に大英帝国勲章 のオフィサー(OBE)に指名され、2009年の大英帝国勲章のコマンダー(CBE)に任命された[ 12] 。また、2004年12月6日にウエストミンスター大学 から名誉博士号を、2010年7月15日にサウサンプトン大学 から名誉博士号を授与された。
パインは、BBCワールドニュース のクラシック音楽番組『Visionaries』で、ピエール・ブーレーズ の信奉者として2008年8月に登場した[ 13] 。
2018年のクリスマス・デイに、パインがBBC2の『Merry Christmas Baby - with Gregory Porter & Friends』に登場した[ 14] 。
私生活
パインは、妻と4人の子供と一緒に、ロンドンで暮らしている[ 15] 。
ディスコグラフィ
アルバム
リーダー・アルバム
『コートニー・パイン』 - Journey to the Urge Within (1986年) ※全英 39位
『デスティニー・ソング』 - Destiny's Song + The Image of Pursuance (1988年) ※全英54位
『ヴィジョンズ・テイル』 - The Vision's Tale (1989年)
『クローサー・トゥ・ホーム』 - Closer To Home (1990年)
『レルムス・オブ・アワ・ドリームス』 - Within The Realms of Our Dreams (1991年)
『アイズ・オブ・クリエイション』 - To The Eyes of Creation (1992年)
『モダン・デイ・ジャズ・ストーリーズ』 - Modern Day Jazz Stories (1995年)
『アンダーグラウンド』 - Underground (1997年)
『バック・イン・ザ・デイ』 - Back in the Day (2000年)
『ディヴォーション』 - Devotion (2003年)
Resistance (2005年)
Transition in Tradition: En Hommage a Sidney Bechet (2009年)[ 16]
Europa (2011年)[ 17]
House of Legends (2012年)[ 18]
Song (The Ballad Book) (2015年)[ 19]
『ブラック・ノーツ・フロム・ザ・ディープ』 - Black Notes From The Deep (2017年)[ 20]
参加アルバム
ミーシャ・パリス : 『ソー・グッド』 - So Good (1988年)
トレヴァー・ジョーンズ : Angel Heart (Soundtrack) (1987年)
ジャズ・ウォーリアーズ : 『アウト・オブ・メニー・ワン・ピープル』 - Out of Many, One People (1987)
ハリー・ベケット : Les Jardins Du Casino (1993年、ITM)
ジャズ・ウォーリアーズ : Afropeans (2008年)
EP
『ホワッツ・ニュー』 - Traditions Beckoning (1988年) ※10インチ限定盤
シングル
"Children of the Ghetto" (1986年) ※Courtney Pine featuring the vocal of Susaye Greene
"Like Dreamers Do" (1988年) ※全英 26位。Mica Paris featuring Courtney Pine
"I'm Still Waiting" (1990年) ※全英66位。Courtney Pine featuring Carroll Thompson[ 16]
"Get Busy" (1992年) ※produced by Gussie Clarke。12インチ・ヴァイナル、CDシングル
"Too Much To Lose" (1999年) ※Elkie Brooks, featuring Courtney Pine
"Lady Day (& John Coltrane)" (2000年) ※Courtney Pine featuring Lynden David Hall
脚注
^ Colin Larkin , ed (1997). The Virgin Encyclopedia of Popular Music (Concise ed.). Virgin Books . p. 954. ISBN 1-85227-745-9
^ Burrell, Ian (12 November 2010). “Courtney Pine – 'I became one of the most hated saxophonists of all time' (interview)” . The Independent . https://www.independent.co.uk/arts-entertainment/music/features/courtney-pine--i-became-one-of-the-most-hated-saxophonists-of-all-time-2131529.html 13 June 2011 閲覧。
^ “Profile: Courtney Pine” . BBC News . (31 December 2008). http://news.bbc.co.uk/1/hi/entertainment/7804638.stm 30 April 2010 閲覧。
^ Maya Jaggi , "Fusion visionary" , The Guardian , 30 September 2000.
^ "Courtney Pine: The Cosmic Dread" , BBC World Service, 8 March 2001.
^ Courtney Pine interview by Pete Lewis , Blues & Soul , May 2008.
^ Jazz Warriors (1987). Out of Many, One People , Antilles Records AN8712
^ “Courtney Pine Jazz WarriorsAfropeans ”. Courtneypine.co.uk . 7 March 2016時点のオリジナル よりアーカイブ。2016年2月20日 閲覧。
^ “Jazz Warriors: Jazz Warriors: Afropeans ”. All About Jazz . 14 December 2017 閲覧。
^ “Courtney Pine presents Venus Warriors | HIDEAWAY – London's premier live music and comedy club ”. Hideawaylive.co.uk . 2016年2月20日 閲覧。
^ “MARY SEACOLE MEMORIAL STATUE APPEAL ”. Maryseacoleappeal.org.uk . 20 February 2016 閲覧。
^ "No. 58929" . The London Gazette (Supplement) (英語). 31 December 2008. p. 8.
^ “Visionariesdebate.com ”. Visionariesdebate.com . 9 July 2017時点のオリジナル よりアーカイブ。14 December 2017 閲覧。
^ “BBC iPlayer - Watch BBC Two live ”. BBC iPlayer . 2020年6月29日 閲覧。
^ Philby, Charlotte (8 August 2009). “My Secret Life: Courtney Pine, jazz musician, 45” . The Independent (London). https://www.independent.co.uk/news/people/profiles/my-secret-life-courtney-pine-jazz-musician-45-1767704.html 30 April 2010 閲覧。
^ a b Roberts, David (2006). British Hit Singles & Albums (19th ed.). London: Guinness World Records Limited. p. 426. ISBN 1-904994-10-5
^ Scheel, Christian. “Courtney Pine and his Band - Nova Concerts International - Booking Agency for Jazz, Worldmusic and Pop ”. Novaconcerts.com . 14 December 2017 閲覧。
^ “Discography ”. Courtney Pine . 15 November 2014時点のオリジナル よりアーカイブ。2013年5月14日 閲覧。
^ “Latest News ”. Courtney Pine . 1 April 2015時点のオリジナル よりアーカイブ。2015年6月24日 閲覧。
^ Courtney Pine: Black Notes from the Deep - オールミュージック
外部リンク