ジョフロイネコ
ジョフロイネコ(Leopardus geoffroyi)は、食肉目ネコ科オセロット属に分類される食肉類。別名ジェフロイネコ、ジェフロワネコ[6]、標準和名ジョフロワネコ[10]。 普通のネコほどの大きさの、おそらく南アメリカで最も多い野生の猫である。毛皮には黒い斑点があるが、地の色は地域によって変わる。北方では茶色がかった黄色が多いが、南方では灰色である。真っ黒なものも珍しくはない[要出典]。 ジョフロイネコはネズミ、小さいトカゲ、昆虫、時にはカエルや魚を捕まえて食べる、地域の食物連鎖の頂点に立つ種である。現在は十分な数がいるが、その毛皮を目的に狩りの対象となっているため、自然保護論者から注目されている[要出典]。 体長は60cm程度で、比較的長めの31cmの尾を持つ。体重は2-4kgしかないが、8kgに達した個体も報告されている。この猫を飼いならそうという試みも行われているが、いずれも上手くいっていない。妊娠したメスは子猫を生む場所を、細心の注意を払って探すようになる。ジョフロイネコの子猫の成長はとても早く、わずか6週間で完全に移動できるようになる[要出典]。 アンデス山脈、パンパ、グランチャコに棲息している[要出典]。 分布アルゼンチン、ウルグアイ、チリ南部、パラグアイ、ブラジル南部、ボリビア南部[3] 形態体長45 - 70センチメートル[6][9][8]。尾長26 - 35センチメートル[6][9][8]。体重2 - 3.5キログラム[6][9][8]。チリ産のオスで体長57 - 88センチメートル、アルゼンチン産のオスで体重4.3 - 7.8キログラムという報告例もある[7]。南部個体群は大型で体毛が長く、毛色が灰色を帯びる傾向がある[6]。毛色は地域変異があり、低地個体群は黄褐色や黄土色[6]。腹面は白やクリーム色[7]。頬に2本の縞模様が入る[6][7]。頭頂部や頸部に筋状の暗色斑が入る[7]。耳介の後方は黒い体毛で被われ、白い斑点が入る(虎耳状斑)[6][7]。背や体側面には黒い斑点が入る[7]。尾には12 - 16本の黒い輪状斑が入る[6]。 分類名前はEtienne Geoffroy Saint-Hilaireに由来する[6][7]。 大きさや毛色で亜種に分かれるとされる[6]。以下の亜種の分類はMSW3(Wozencraft, 2005)・IUCN SSC Cat Specialist Group (2017)、分布はIUCN SSC Cat Specialist Group (2017) に従う[4][5]
一方でIUCN SSC Cat Specialist Group (2017) では分布や形態が重複する・ミトコンドリアDNAの分子系統解析から亜種の分割が支持されなかったことなどから、亜種を認めていない[4] 生態標高3,300メートル以下にある[6][9]、開けた森林やサバンナ・チャコ・ステップなどを含む草原・沼地などの様々な環境に生息する[9]。地表棲傾向が強いが、物に登ることもできる[7]。 小型哺乳類や鳥類などを食べると考えられている[7]。ウルグアイでは消化管の内容物調査から、齧歯類、鳥類、カエル、魚類が検出された例もある[7]。 繁殖様式は胎生。北アメリカの飼育下では周年繁殖するが、主に2 - 8月に発情する[7]。交尾は短時間で高頻度に行い、1日あたり8 - 150回に達することもある[7]。飼育下での妊娠期間は62 - 76日[7]。1回に2 - 3頭の幼獣を産む[6][7]。生後8 - 9日で開眼する[7]。 人間との関係分布が広いことから絶滅のおそれは低いと考えられている[3]。1960 - 1980年代にかけて毛皮用に乱獲されたため、以前は絶滅のおそれがあると考えられていた[3]。生息地の破壊、交通事故、害獣としての駆除、毛皮用の密猟、イヌによる捕食などによる影響が懸念されている[3]。アルゼンチンでは2地点の保護区でFIPやFPL・犬ジステンパー・ネコカリシウイルス・トキソプラズマ・犬糸状虫症などの抗体を持った個体が発見されており、家畜からの感染症による影響も懸念されている[3]。1977年にネコ科単位でワシントン条約附属書IIに、1992年にワシントン条約附属書Iに掲載されている[2]。 出典
関連項目 |