タンタル石
タンタル石(タンタルせき、Tantalite)は組成式 [(Fe, Mn)Ta2O6] で表される鉄・マンガン・タンタルの複酸化物鉱物である。 タンタルとニオブは任意の割合で固溶するため、コルンブ石-タンタル石系(現在ではコルンブ石スーパーグループに含まれる)をなし、ニオブが多いものがコルンブ石、タンタルが多いものがタンタル石と呼び分けられる(区別しない場合は総称してコルタンと呼ぶ)。ただし、比重は大きく異なり、コルンブ石は5.2なのに対しタンタル石では8.0以上にもなる[2]。また、鉄が多いものは鉄タンタル石 (tantalite-(Fe) 、旧名 ferrotantalite、Fe2+Ta2O6)、マンガンが多いものはマンガンタンタル石(tantalite-(Mn)、旧名 manganotantalite、Mn2+Ta2O6)と呼ぶ(当初は鉄が卓越したものをタンタル石と呼称していたが、2008年に組成に基づいて再命名された)。 タンタル石はタピオライトともよく似ている。化学組成は近いが結晶構造は異なっており(同質異像)、タンタル石が斜方晶なのに対してタピオライトは正方晶である[3]。こちらも鉄、マンガンを含むものは鉄タピオライト、マンガンタピオライトと呼ぶ。現在では、鉄タンタル石とされるものの多くは鉄タピオライトで、鉄タンタル石自体は希少だとされる[4]。 タンタル石は黒-褐色で、条痕も同じである。マンガンを多く含むものは褐色で、しばしば透明のものもみられる。 産地タンタル石はオーストラリア、ブラジル、カナダ、コロンビア(グアイニア県、ビチャーダ県)、エジプト、北欧、マダガスカル、ナミビア、ナイジェリア、ルワンダ、アメリカ合衆国(カリフォルニア州、コロラド州、メイン州、バージニア州)、ジンバブエで産出される。 資源量はブラジルが最大であり、52.1%を占める).[5]が、2006年の産出量ではオーストラリアが75%を占めた[5]。 持続可能な開発→詳細は「コルタン § コルタンを巡る問題」を参照
コンゴ民主共和国ではコルタンの違法採掘が環境面・経済面でさまざまな問題を引き起こしている[6][7]。 脚注
関連項目外部リンク |