ワーキング・タイトルは「Psycho Legs」[5]。マーキュリーはヒッチコックの映画「サイコ」のテーマを想定していたためこの仮タイトルとなった[4]。邦題は「デス・オン・トゥー・レッグス」のみだが、原題には「Dedicated to...(...に捧ぐ)」という副題が付いている。タイトルの「Death on Two Legs」は、「二本足で立つ死神(=生きている死神)」という意で、歌詞はクイーンの最初期のマネージャーでトライデント・スタジオのオーナーであったノーマン・シェフィールド(英語版)に向けたものとされている[6]。クイーンは、1974年11月に発売されたアルバム『シアー・ハート・アタック』でヒットしたものの、ヒット前と変動のない給与面において不満を持ち、当時のマネジメント会社と対立。その結果として書かれたのが本作である。しかしながらシェフィールド側から法的措置をほのめかされたことにより、メンバーは曲の内容について明言することはなかった[5]。歌詞やタイトルにおいて、直接的に名前は登場していないものの、シェフィールドは歌詞の対象が自身であり、名誉を棄損したものとし、バンド及びレコード会社を提訴したが、後に示談が成立している[7][6]。2013年、シェフィールドは回顧録を出版。タイトルは『Life on Two Legs』だった[4]。
「デス・オン・トゥー・レッグス」は、A Day At The Races Tourからセットリストに追加され、1977年6月6日のアールズ・コートでの演奏は映像が撮影されたのをはじめ[11]、1977年後半から1981年にかけてメドレーに入っていたが、1981年9月からのグラットンズ・フォー・パニッシュメントと題されたツアーからは演奏されなくなった[12]。また、ライブ音源が収録されているのは、正式リリースでは『ライヴ・キラーズ』のみである。
『ライヴ・キラーズ』バージョンでは、イントロの前のフレディによるMCに3回のピー音が入っている。この部分は「“This is about a dirty nasty man, we call him motherf--ker. Do you know what motherf--ker means? I’m sure you have a word for it. We call him… We also call him Death on Two Legs!”」と発言したものが消されたものとされている[13]。
Queen's First EP
1977年に4曲入りEP「Queen's First EP』が発売され、本作はA面2曲目に収録された[14]。