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この項目では、アメリカの映画について説明しています。イタリアのロックバンドについては「バニラスカイ」をご覧ください。 |
『バニラ・スカイ』 (Vanilla Sky) は、2001年のアメリカ映画である。
1997年のスペイン映画『オープン・ユア・アイズ』 (Abre Los Ojos) のリメイク作品。ストーリーはほぼ同じで、舞台をニューヨークに移しているが、同作でヒロインを演じたペネロペ・クルスが本作にも同役で出演している。
キャッチコピーは「あなたが想うあなた自身は幻に過ぎない…」。
ストーリー
殺人容疑で逮捕された仮面の男・デヴィッドと、精神分析医マッケイブの取り調べ室での会話を軸に、ストーリーは進む。
出版界の王様と讃えられていた父が亡くなり、大手出版社を引き継いだ若き富豪でプレイボーイのデヴィッドは、自分のド派手な誕生日パーティーで親友・ブライアンの恋人のソフィアに一目惚れしてしまう。それに気付いたデヴィッドのセックスフレンド・ジュリーは、嫉妬のあまり彼と共に自動車事故による無理心中を図る。
運転していたジュリーは死亡し、助手席にいたデヴィッドも重体で3週間の昏睡から目覚めると、ハンサムだった彼の顔は、事故のせいで見るも無惨なものになっていた。この事故を契機に、デヴィッドの部下である7人の老いた重役たちは会社を乗っ取ろうと策略をめぐらす。一方でデヴィッドは醜くなった顔のせいで自棄になり、ソフィアやブライアンとも酒の勢いで喧嘩別れを起こしてしまう。
翌朝、泥酔し路上に倒れ込んでいたデヴィッドは、彼を心配したソフィアに助け起こされ彼女と正式に恋人となる。ソフィアの支えによってデヴィッドは自棄から立ち直り、顔の傷も最新技術で元通り修復され、ブライアンや役員会とも良い関係を修復し順風満帆の日々を送る。事故を完全に乗り越えたかに見えたデヴィッドだったが、次第に奇妙な悪夢に悩まされるようになっていく。
一緒に寝ていたソフィアが、死んだはずのジュリーと入れ替わり、驚愕するデヴィッド。何度もジュリーの幻を見て混乱したデヴィッドは、ジュリーを殺したつもりでソフィア殺害犯として逮捕された。精神分析医マッケイブは、裁判を控えたデヴィッドを精神鑑定していたのだ。
取り調べ室の外の廊下で看守が見ているテレビから、「LE(ライフ•エクステンション)社」のCMが流れて来た。死亡直後の遺体を低温保存し、科学技術が整った未来に蘇らせる会社だが、それが気になり、LE社への訪問を願い出るデヴィッド。警官やマッケイブの同伴の上だが、なぜか願いは聞きとどけられた。
自分がLE社と契約し、150年も眠っていたことを知るデヴィッド。ソフィアとの幸せな日々も、逮捕されている現在も、全て冷凍睡眠中に見ている夢なのだ。それに気づいたデヴィッドは、LE社が顧客の夢の中に用意している「救護員」ヴェンチュラを呼び出した。
ジュリーを死なせた罪悪感が悪夢を生み出したが、そのバグは改善されたと説明するヴェンチュラ。このまま幸せに眠り続けることも、目覚めて現実世界で生きることも可能だという。150年後の世界では知人は全て物故し、莫大だった会社の資産も底をついていたが、デヴィッドは敢えて目覚める道を選択した。
キャスト
役名、俳優、日本語吹替の順に記述。
評価
レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesでは173件のレビューで支持率は42%、平均点は5.30/10となった[3]。Metacriticでは33件のレビューを基に加重平均値が45/100となった[4]。
サウンドトラック
ポール・マッカートニーによるタイトルチューンや、キャメロン・ディアスが参加した楽曲を収録したサウンドトラック盤は、ワーナーミュージック・ジャパンよりリリースされている(日本盤:2001年12月19日発売/WPCR-11143)。既出曲を集めたコンピレーション盤だが全て劇中で使用された楽曲であるのが特徴である。
- 収録曲
- オール・ザ・ライト・フレンズ All The Right Friends/R.E.M.
- エヴリシング・イン・イッツ・ライト・プレイス Everything In Its Right Place/レディオヘッド
- バニラ・スカイ Vanilla Sky/ポール・マッカートニー
- ソルスベリー・ヒル Solsbury Hill/ピーター・ガブリエル
- アイ・フォール・アパート I Fall Apart/Julianna Gianni(キャメロン・ディアス)
- ポーパス・ソング Porpose Song/モンキーズ (1968年の映画「ザ・モンキーズ 恋の合言葉HEAD!」より)
- モンド77 Mondo 77/ルーパー Looper feat.フランシス・マクドナルド
- ハブ・ユー・フォーゴットン Have you Forgotten/レッド・ハウス・ペインターズ
- ディレクションズ Directions/ジョッシュ・ロウズ
- アフリカ・ショックス Afrika Shox/レフトフィールド/アフリカ・バンバータ Leftfield Afrika Bambaataa
- スヴェン・ギー・エングラー Sven-G-Englar/シガー・ロス
- ラスト・グッドバイ Last Goodbye/ジェフ・バックリー
- 友達でいさせて Can We Still Be Friends/トッド・ラングレン (1978年『ミンク・ホロウの世捨て人』より)
- フォース・タイム・アラウンド Fourth Time Around/ボブ・ディラン (1998年『ロイヤル・アルバート・ホール:ブートレッグ・シリーズ第4集』より)
- エレベーター・ビート Elevator Beat/ナンシー・ウィルソン
- スウィートネス・フォローズ Sweetness Follows/R.E.M.
- ホウェア・ドゥ・アイ・ビギン Where Do I Begin/ケミカル・ブラザーズ
補足
日本公開時の宣伝ポスターや広告では「本年度(2001年度)アカデミー賞最有力候補!」というコピーが大々的に記されていたが、同年度のアカデミー賞ではポール・マッカートニーが歌う主題歌がオリジナル歌曲賞にノミネートされるだけにとどまった。
関連項目
出典
外部リンク