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パキスタン空軍

パキスタン空軍
Pakistan Air Force
創設 1947年8月14日
国籍 パキスタン・イスラム共和国
軍種 空軍
任務 航空戦闘
規模 70,000名[1]
上級部隊 パキスタン軍
基地 イスラマバード
主な戦歴 印パ戦争
第3次中東戦争
第4次中東戦争
識別
国籍識別標
フィンフラッシュ
空軍旗
使用作戦機
攻撃機 ミラージュIII
ミラージュ5
ネスコム バラク
電子戦機 サーブ 2000 AEW&C
ZDK-03
戦闘機 JF-17
J-10CE
F-16A/B/C/D
輸送ヘリ Mi-171Sh
汎用ヘリ AW139
要撃機 F-7PG
偵察機 ミラージュIIIRP
シャパル英語版
ファルコ英語版
練習機 MFI-17英語版
T-37C
K-8P
輸送機 C-130E/H
フェノム 100
ガルフストリーム IV
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パキスタン空軍(パキスタンくうぐん、ウルドゥー語: پاک فِضائیہ英語: Pakistan Air Force、略称PAF)は、パキスタン・イスラム共和国空軍組織[2]

概要

パキスタンは長年にわたりインドとの領土問題があり、パキスタン空軍も印パ戦争インド空軍機との空中戦や対地攻撃を経験している[2]

主任務として、戦時における地上作戦の支援が挙げられており、第二次・第三次印パ戦争では重要な役割を果たした[3]。ただし空軍と陸軍とのライバル関係により、軍内では任務の見直しを行うべきではないかという議論も存在する[3]。空対空戦闘では、高標高の山岳地域での空中戦技術の研究を行っている[2]

パキスタンは、同じくインドと対立している中国との関係を強化しつつあり、空軍も中国から戦闘機をはじめとした装備を導入している[2]

2023年時点で70,000名の現役兵を有し、581機の固定翼機と33機の回転翼機を装備している[4]。航空部隊は、6個戦闘飛行隊、9個戦闘/対地攻撃飛行隊、1対艦攻撃飛行隊、1個電子戦飛行隊、2個早期警戒飛行隊、8個捜索救難飛行隊、1個空中給油飛行隊、4個輸送飛行隊、9個練習飛行隊で構成され、ほかに17個高射隊がある[4]

歴史

パキスタンの独立に伴い、1947年8月14日に創設された[3]

第一次印パ戦争(1947-1948年)では、ホーカー テンペストホーカー フューリーによる早期警戒を実施した[5]

第二次印パ戦争(1965年)では、航空基地防衛のための戦闘空中哨戒やインド軍飛行場への攻撃、近接航空支援や阻止任務に従事した[5]。パキスタン空軍は25機余りを喪失したが、インド空軍は60機を失っており、彼我の喪失機数ではパキスタン軍が有利だった[5]。しかし第一線航空戦力の損耗率の点ではパキスタン軍の被害が上回っており、17%を喪失している[5]。パキスタン側の戦果の大半はF-86Fセイバーによるもので、ほかにF-104スターファイターが若干の戦果を挙げた[5]

第三次印パ戦争(1971年)では、1870回の出撃を行い、インド空軍に約65機の損失を与えたが、自軍も72機を喪失した[6]。なお、戦時中に中東各国からF-86やF-104、ミラージュなどの軍事援助を受けている[6]

第三次第四次中東戦争では、アラブ側に味方する形でパイロットを派遣し、イスラエル軍と戦闘を行っている[2]

2019年2月26日、インド空軍がテロ攻撃への報復としてパキスタン領内のイスラム過激派拠点に空爆を行った(バーラーコート空爆[7]。さらに翌27日には、パキスタン空軍がインド領内の無人地域に報復爆撃を行い、迎撃したインド軍戦闘機を撃墜している[8]。ただし、両作戦とも詳細や損害については、印パ双方で主張が異なる[9]

保有装備

現役

機種名 画像 生産国 種別 バージョン 導入年 運用数 備考
戦闘機
F-7[4] 中国 戦闘機 F-7PG[4]
F-7P[4]
FT-7[4]
FT-7PG[4]
92[4] F-7PG×46機[4]
F-7P×20機[4]
FT-7×21機[4]
FT-7PG×5機[4]
J-10[4] 中国 戦闘爆撃機 J-10CE[4] 12+[4]
JF-17[4] 中国 戦闘爆撃機 JF-17 ブロック1[4]
JF-17 ブロック2[4]
JF-17B[4]
125[4] JF-17 ブロック1×49機[4]
JF-17 ブロック2×61機[4]
JF-17B×15機[4]
F-16[4] アメリカ 戦闘機/戦闘爆撃機 F-16A MLU[4]
F-16B MLU[4]
F-16A ADF[4]
F-16B ADF[4]
F-16C ブロック52[4]
F-16D ブロック52[4]
75[4] F-16A MLU×23機[4]
F-16B MLU×21機[4]
F-16A ADF×9機[4]
F-16B ADF×4機[4]
F-16C ブロック52×12機[4]
F-16D ブロック52×6機[4]
ミラージュIII[4] フランス 戦闘機/戦闘爆撃機 ミラージュIIIB[4]
ミラージュIIID(IIIOD)[4]
ミラージュIIIE(IIIEP)[4]
39[4] ミラージュIIIB×2機[4]
ミラージュIIID(IIIOD)×7機[4]
ミラージュIIIE(IIIEP)×30機[4]
ミラージュ5[4] フランス 戦闘爆撃機 ミラージュ5(5PA)/5PA2[4]
ミラージュ5D(DPA)/5DPA2[4]
ミラージュ5PA3[4]
37[4] ミラージュ5(5PA)/5PA2×25機[4]
ミラージュ5D(DPA)/5DPA2×2機[4]
ミラージュ5PA3×10機[4]
偵察機
ミラージュIII[4] フランス 偵察機 ミラージュIIIR(IIIRP)[4] 10[4]
電子戦機
ファルコン20[4] フランス ELINT機 ファルコン20F[4] 2[4]
早期警戒機
サーブ2000[4] スウェーデン 早期警戒機 サーブ2000 エリアイ[4] 6[4]
ZDK-03[4] 中国 早期警戒機 ZDK-03[4] 2[4]
空中給油機
Il-78 マイダス[4] ロシア 空中給油機 4[4]
輸送機
C-130 ハーキュリーズ[4] アメリカ 中型輸送機 C-130E[4]
C-130H[4]
L-100-20[4]
16[4] C-130E×10機[4]
C-130H×5機[4]
L-100-20×1機[4]
セスナ208 キャラバン[4] アメリカ 軽輸送機 セスナ208B[4] 2[4]
セスナ560[4] アメリカ 軽輸送機 セスナ560XL サイテーション・エクセル[4] 1[4]
CASA CN-235[4] スペイン 軽輸送機 CN-235M-220[4] 4[4]
EMB-500[4] ブラジル 軽輸送機 EMB-500 フェノム100[4] 4[4]
フォッカー F27 オランダ 軽輸送機 F27-200 フレンドシップ[4] 1[4]
Y-12[4] 中国 軽輸送機 Y-12(II)[4] 2[4]
ボーイング707[4] アメリカ 人員輸送機 1[4]
ファルコン20[4] フランス 人員輸送機 ファルコン20E[4] 1[4]
ガルフストリーム IV[4] 人員輸送機 ガルフストリーム IVSP[4] 2[4]
サーブ2000 スウェーデン 人員輸送機 1[4]
練習機
K-8 中国 練習機 K-8 カラコルム[4] 38[4]
MFI-17 パキスタン 練習機 MFI-17B ムシュシャク[4] 79[4]
T-37 アメリカ 練習機 T-37C[4] 23[4]
回転翼機
SA316 アルエットIII フランス 汎用ヘリコプター 15[4]
AW139[4] イタリア 汎用ヘリコプター 14[4]
Mi-17[4] ロシア 輸送ヘリコプター Mi-171Sh[4] 4[4]
無人航空機
CH-3/バラク[4] UAV
CH-4[4] UAV
セレックス ファルコ[4] UAV
対空兵器
HQ-2[4] 中距離地対空ミサイル 6[4]
クロタル[4] 短距離地対空ミサイル 144[4]
SPADA2000[4] 短距離地対空ミサイル 約40[4]
9K310[4] 近距離地対空ミサイル 9K310 イグラ-1[4]
搭載兵装
AIM-9 サイドワインダー[4] アメリカ 空対空ミサイル AIM-9L/P[4]
u-ダーター[4] 南アフリカ 空対空ミサイル
PL-5[4] 中国 空対空ミサイル PL-5[4]、PL-5E-II[4]
PL-10[4] 中国 空対空ミサイル
シュペル530[4] フランス 空対空ミサイル
PL-12[4] 中国 空対空ミサイル
PL-15[4] 中国 空対空ミサイル
AIM-120 AMRAAM[4] アメリカ 空対空ミサイル AIM-120C[4]
AGM-65 マーベリック[4] アメリカ 空対地ミサイル
ラプターII[4] 空対地ミサイル
エグゾセ[4] フランス 空対艦ミサイル AM39[4]
C-802[4] 中国 空対艦ミサイル
MAR-1[4] 対レーダーミサイル
ラード[4] 巡航ミサイル
FT-6[4] 誘導爆弾
ペイブウェイII[4] アメリカ レーザー誘導爆弾

脚注

出典

  1. ^ International Institute for Strategic Studies (2024-02). The Military Balance 2024. ラウトレッジ. ISBN 9781032780047 
  2. ^ a b c d e 柿谷 哲也『万物図鑑シリーズ 全164か国 これが世界の空軍力だ!』笠倉出版社、2014年6月23日。ISBN 978-4-7730-8717-8 
  3. ^ a b c Pakistan Air Force”. globalsecurity.org. 2024年12月30日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as at au av aw ax ay az ba bb bc bd be bf bg bh bi bj bk bl bm bn bo bp bq br bs bt bu bv bw bx by bz ca cb cc cd ce cf cg ch ci cj ck cl cm cn co cp cq cr cs ct cu cv cw cx cy cz da db dc dd de df dg dh di dj dk dl dm dn do dp dq dr ds dt du dv dw dx dy dz ea eb ec ed ee ef eg eh ei ej ek el em en eo The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. pp. 279-283. ISBN 978-1-032-50895-5 
  5. ^ a b c d e 『週刊ワールド・ウェポン No.112』デアゴスティーニ、2004年11月23日、29-30頁。 
  6. ^ a b 『週刊ワールド・ウェポン No.115』デアゴスティーニ、2004年12月14日、29-30頁。 
  7. ^ インドがパキスタン空爆 カシミール自爆テロに報復か”. 日本経済新聞 (2019年2月26日). 2024年12月30日閲覧。
  8. ^ パキスタン軍、「インド空軍機2機を撃墜」と カシミール緊迫”. BBC (2019年2月27日). 2024年12月30日閲覧。
  9. ^ 栗田 真広. “インドの対パキスタン空爆――その背景とインプリケーション”. 防衛省防衛研究所. 2024年12月30日閲覧。
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