パネキット
『パネキット』(Panekit)とは、ソニー・コンピュータエンタテインメントが1999年8月5日に発売したPlayStation用シミュレーションゲームソフト。キャッチフレーズは「無限工作おもちゃ箱」。 様々なパーツを組み合わせ、車や飛行機などのモデルを作り、ゲーム内に設置されたフィールドで動かして遊ぶ物理系シミュレーション。エディットモード時のみマウスに対応している。 2007年6月28日からはゲームアーカイブスで配信されている。トロ・ステーション第268回では、製作者が出演し、当時の様子を語った。 構成要素パネキットの世界は大きく分けてパーツ、フィールド、競技そして作成したモデルによって構成される。 パーツパーツは全部で7種類ある。コアとパネルを除くパーツは特殊な機能を備えている。割り当てたボタンによって動作を行わせられる。コア以外のパーツは、次の島へ到達するか、フィールドに点在する宝箱を発見すると入手できる。
フィールドフィールドは特徴のある5つの島、および海と空で構成されている。それぞれの島には地形を生かした競技が用意されており、フィールドマップとしての側面と競技場としての側面を合わせ持つ、趣向に溢れた環境になっている。 フィールド上にはゲームのヒントとなる看板、パーツやプリセットモデルの設計図が入った宝箱、プレイヤーが干渉できるボールや椰子の実などのオブジェクトが配置されている。 オープンワールド的な世界設計で、各島を移動する際のローディングなどはなく、プレイヤーはシームレスに三次元空間を行き来できる。(ただし、ローディングが上手くいかない時は画面が一時停止する事がある)
競技各島には競技が点在し、与えられたノルマをクリアすることによってプリセットの設計図を入手できる。各競技にはレベルが2つ設けられている。レベル1に挑戦している状態で、レベル2の競技ノルマを超えても同時に2レベルクリアした扱いにはならないため、完全クリアには全競技に最低2回挑戦する必要がある。 競技内容はタイムを競うレース形式のもの、飛距離など到達距離を伸ばすもの、射撃や操作の得点を競うもの、コンピュータが操作する敵モデルに勝つものなどバリエーションに富んでいる。それぞれの競技に適したモデルを作成することが攻略のポイントとなる。時にロボコンの如くルールの穴を突くモデルを作成し、驚異的な記録を達成したり、難易度を大幅に下げることが可能な競技もある。 わかば島
もえぎ島
みずべ島
大雪原
赤の荒野
競技の多くは、競技スタート地点に到達できればゲームの進行に関わらずいつでも自由に開始できる。ただし最終競技「ワールドツアー」については、他の全ての競技のレベル1をクリアしていることが条件となる。ワールドツアーのレベル1をクリアすると名目上はエンディングとなる。
モデルモデル一つは、コアを含め100個までのパーツを組み合わせて作成する。コアにパーツを接続し、接続部に角度を付け、折り紙のような感覚でモデルを組み立てていく。ジョイントやタイヤといった動くパーツにボタンを割り振り、ボタンを押すと進むモデル、ボタンを押すと形の変わるモデルなど、プレイヤーの工夫次第でさまざまなモデルが生み出せる。パーツとパーツに接触判定はなく、これによりコンパクトなモデルを作ることも可能。 モデルの動作には、パネルパーツから供給される電力が必要となり、操作時に必要電力が追い付かなくなると電力不足を起こし、動作パーツの出力も電力不足分だけ下がる。また実際の挙動には、重力や慣性、空気・水抵抗や地面効果、摩擦力といった物理法則が影響してくるため、ゲームのヒントがゲーム内だけではなく、現実の機械にも存在する面白さがある。また、ゲーム上のフレーム動作仕様を利用した画期的なモデルも作れる。 モデルの作成はエディット画面で行う。エディット画面は、動作テスト、展開図、コピー&ペースト機能、ショートカットボタンなど、作業をスムーズにするための配慮がなされている。 作成したモデルは、フィールドに出して動かしたり、各競技に使用できる。モデルのデータはメモリカード1枚につき32個まで、名前や紹介文を付けて保存できる。
バグについて現在、以下の不具合が発見されている。
関連ソフトRigidChips→詳細は「RigidChips」を参照
RigidChipsとは、学生氏がフリーソフトとして配布している剛体シミュレータ。 パネキットと構造が似ているが、エディタがなく(有志が作成したものはある)テキストに規定の言語を記述して設計していく。 パネキットとは異なり、強い圧力を加えるなどによってモデルを分割・分解することが可能となっている。スクリプトを使うことができ、ボタン一つでモデルを自動歩行させるなど、より複雑な動作を組み込むこともできる。ネットワーク接続をすることで他のユーザーと遊ぶこともできる。 より立体的な姉妹作として「Laputan Blueprints」が公開されている。 Modulobeパネキットの元スタッフが製作に関わっている、Windows向け物理シミュレーションソフト。モジュールと呼ばれる部品を組み合わせ、仮想生物を作ることができる。 体験版雑誌の付録CD-ROM、イベント配布CD-ROMなどに収録されたパネキットの製品体験版。 パーツ数に制限があるもの、時間制限されているもの、行ける場所が制限されているもの、の3種類が存在している。 |