パリ北駅 (パリきたえき、パリ・ノール、パリ・ガール・デュ・ノール、ガール・デュ・ノール、Paris-Nord 、Paris Gare du Nord 、Gare du Nord )は、フランス の首都・パリ市 10区 にあるフランス国鉄 (SNCF)・パリ交通公団 (RATP) の駅 。SNCFにおけるパリの主要ターミナル駅 の一つである。RER とメトロ の路線ではガール・デュ・ノール (Gare du Nord ) という駅名が使用され、TGV などの遠距離路線、国際路線ではパリ・ノール (Paris-Nord ) である。SNCFにおける利用者数は年間約2億人超で、フランス国鉄の駅のみならず、ヨーロッパにある鉄道駅の中でも最多 となっている[ 1] [ 2] 。
利用可能な路線・列車
また地下にはRATPが運行するメトロ 4号線 、5号線 の駅がある。
RER E線 のマジャンタ駅 、メトロ2号線 のラ・シャペル駅 も乗換駅とされており、地下通路により連絡している。パリ東駅 も徒歩で乗り換え可能な距離にあるが、連絡通路はなく地上部を経由することになる。
利用状況
2014年の統計を元に翌年発表された資料によると、SNCFにおける本駅の長距離旅客の比率はトランシリアン 49%、アンテルシテ とTER 28%、TGVなどの高速列車が23%となっている[ 3] :14頁 。同時期における平日の1日あたり平均旅客数はアンテルシテとTER合算で69,600人、TGVなどの高速列車が57,500人だった[ 3] :9頁 。
各年の利用状況は以下の通り。
パリ北駅利用統計
年
年間
計 (A+B)
1日平均
SNCF
RATP(B)
全体(A)
出典
(トランシリアン)
RER (B線)
メトロ
出典
2015
238,424,127
[ 4]
50,793,797
47,759,711
[ 5]
336,977,635
923,226
2016
242,319,816
47,738,502
50,872,319
[ 6]
340,930,637
931,504
2017
248,007,131
47,465,765
50,860,744
[ 7]
346,333,640
948,859
2018
244,502,421
42,502,942
45 793 828
[ 8]
332,799,191
911,779
2019
244,759,909
([ 9] 342,193)
47,417,703
51,141,374
[ 10]
343,318,986
940,600
2020
131,685,210
25,134,283
25,381,876
[ 11]
182,201,369
497,818
2021
-
-
-
34,503,097
32,102,825
[ 12]
-
-
駅構造
フランス国鉄・RER
コンコース
頭端式ホームに停車中のタリス編成とユーロスター編成
地上部分に南北方向に頭端式ホーム 28線、地下にRER用の島式ホーム 2面4線を有する。
地上ホームは西から順に1 - 21番線および30 - 36番線で、以下のように使われている。
パリ北駅ホーム
ホーム
発着列車
1・2
業務用であり旅客列車は使用しない。
3 - 6
ユーロスター
7・8
タリス
9 - 18
TGVなど長距離列車、一部のTER
19 - 21
TERピカルディ
30 - 40
トランジリアン
41 - 44
RER(地下ホーム)
ユーロスター用ホームの入口には出入国審査 場が設けられており、チェックインを済ませた乗客以外はホームに入ることができない。これはイギリス がシェンゲン協定 に加盟していないためである。
またトランジリアン用のホームの入口には自動改札機 が設置されており、他のホームとは分離されている。地下のRER駅にも自動改札機があり、近郊列車ホームとは改札内で連絡している。
地上ホームの南端に接して1865年に完成した駅舎がある。これはジャック・イトルフ の設計によるもので、正面にはパリおよびの沿線の諸都市を象徴する23の女神像がある。駅舎内には出札窓口や案内所のほか、レストラン、カフェ、郵便局、警察署などがある。
パリメトロ
4号線・5号線ともに相対式ホーム 2面2線を有する地下駅 である。
歴史
北駅は北部鉄道 のターミナル駅として1846年 6月14日 に開業し、同日に開業したパリ - アミアン - リール線の起点となった。駅はすぐに手狭となったため、1860年 には駅舎の一部を解体して敷地を拡張した。
1861年 からイトルフの設計による現駅舎の建設が始まり、1864年 には一部工事中のまま使用が開始され、1865年 に完成した。ホーム全体は大きなトレイン・シェッド で覆われており、これを支える柱は鋳鉄 製である。この柱はスコットランド 製であるが、これは当時そのような大きな柱を作れる鋳造所がスコットランドにしかなかったためである。
その後も利用者の増加にともない数度にわたってホームの増設や内装の変更が行なわれ、さらに東側に近郊列車用のホームが増設された。また1906年 にメトロ5号線が、1908年 に4号線がそれぞれ開業した。
北駅はドイツ北部から北ヨーロッパ 、東ヨーロッパ 北部、東ヨーロッパ東部、ロシア へ至る鉄道網のターミナルとなり、また鉄道連絡船 を介してイギリスへの列車も運転された。ロシア 方面への「北急行 」やロンドン行「フレッシュ・ドール 」といった列車の始発駅であった。日本 からシベリア鉄道 経由でフランスに向かった場合も、多くは当駅に到着した。
1981年 にRER B線の地下駅が開業したが、当駅を境として電化 方式が北側は交流 25,000V 50Hz 、南側は直流 1,500Vと異なることから直通運転 は行なわれず、運行系統は当駅で分断され、乗り換えが必要であった。1983年 以降、交直切替のための地上設備(デッドセクション )が設けられ、順次交直流電車 が導入され直通運転が行なわれるようになった。1987年 にはRER D線が開業した。これらにより地上駅を起点としていた近郊列車の一部が地下線経由となり、パリ中心部を経て南郊外まで直通するようになった。
1993年 にはLGV北線 が開業し、フランス北部方面へのTGVの始発駅となった。1994年 のユーロスター乗り入れに伴い、3 - 6番線はその専用ホームとなった。
2023年 1月11日 、駅構内で刃物を使用した傷害事件が発生。国鉄の警備員を含む複数の警官が発砲して容疑者を含む6人以上が負傷[ 14] 。
隣の駅
フランス国鉄
TGV
リール=フランドル駅 /リール・ウロップ駅 /アラス駅 - パリ北駅
Corail Intercités
クレイユ駅 /コンピエーニュ駅 - パリ北駅
TERピカルディ
ペルサン=ボーモン駅 /オリ=ラ=ヴィル=フォレ駅 /ダムマルタン=ジュイリー=サン=マール駅 - パリ北駅
H線
サン=ドニ駅 - パリ北駅
K線
オーネー=スー=ボア駅 /ダムマルタン=ジュイリー=サン=マール駅 /ミトリー=クレイ駅 - パリ北駅
その他長距離列車
タリス
ブリュッセル南駅 /モンス駅 - パリ北駅
ユーロスター
セント・パンクラス駅 /エブスフリート国際駅 /アシュフォード国際駅 /リール・ウロップ駅/カレー・フレタン駅 - パリ北駅
RER
B線
La Plaine – Stade de France駅 - パリ北駅 - シャトレ-レ・アル駅
D線
スタッド・ド・フランス=サン=ドニ駅 - パリ北駅 - シャトレ-レ・アル駅
メトロ
4号線
バルベス・ロシュシュアール駅 - パリ北駅 - パリ東駅
5号線
スターリングラード駅 - パリ北駅 - パリ東駅
脚注
参考文献
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
パリ北駅 に関連するメディアがあります。
外部リンク