ピアノ小協奏曲 (ウェーバー)
ピアノと管弦楽のための小協奏曲(コンツェルトシュテュック)ヘ短調 作品79 J.282は、カール・マリア・フォン・ウェーバーが作曲したピアノ協奏曲。彼のピアノとオーケストラのための協奏曲(全3曲)の中では最も有名で演奏頻度も高い。 概要ウェーバーは1815年にこの曲の作曲に取りかかり、1821年6月18日、オペラ『魔弾の射手』の初演当日の朝に完成させた。初演はそれから1週間後の6月25日、ベルリンでの彼の告別演奏会において行われた。 元来、この「小協奏曲」は「ピアノ協奏曲第3番」として構想された。しかしウェーバーは、これを4つの部分に分かれた一続きの楽曲とし、明快な筋書きを持たせた。そしてこれを「協奏曲」ではなく「コンツェルトシュテュック(Konzertstück)」とした。演奏には華やかな技巧が要求される。 演奏時間約16分[1] 楽器編成ピアノ独奏、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、トロンボーン1、ティンパニ、弦五部[2] 楽曲構成『魔弾の射手』初演当日の朝、ウェーバーはこの曲を妻のカロリーネと弟子のベネディクトに弾いて聞かせ、以下のような筋書きを語った。
その他女が騎士のことを想いこがれ、離別と喜びの再会を果たすという主題は、ベートーヴェンが1810年にピアノソナタ第26番『告別』で模索したものである。 12歳のメンデルスゾーンはこの曲の初演をほぼ確実に聴きにきており、のちに演奏会用レパートリーの一つとした。メンデルスゾーンが初めてこの曲を演奏したのは1827年2月20日、18歳で開いた最初の公開演奏会であり、この時には『夏の夜の夢』序曲も初演されている。 この曲で用いられるピアノ技巧で特徴的なのは、3度にわたるオクターブのグリッサンドである。1度目は第3の部分に、残りの2回はフィナーレに登場する。 リストはこの協奏曲の単一楽章制のアイデアを、自身の『ピアノ協奏曲第2番』で採用した。また、リストは「小協奏曲」のピアノパート改訂版(S.367a)とピアノ独奏版(S.576a)を作成している。 脚注
参考文献
外部リンク
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