フウチョウ科
分類
和名
フウチョウ(風鳥) ゴクラクチョウ(極楽鳥)
英名
Bird‐of‐Paradise
属
15属
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フウチョウ科 (フウチョウか、Paradisaeidae )は、鳥類 スズメ目 の科である。
フウチョウ (風鳥)と総称される。ゴクラクチョウ (極楽鳥)の別名でも知られるが、正式な和名 としては採用されていない。
パプアニューギニア では国鳥 とされている[ 1] 。
特徴
オーストラリア区 の熱帯 に生息し、特にニューギニア島 には多数の固有種 が生息する。
雄の成鳥が美しい飾り羽を持ち、繁殖期に多彩な求愛ダンスを踊ることで知られる。雌の成鳥は地味な外見をしている。
名称
16世紀、ヨーロッパに初めてオオフウチョウがもたらされた時各個体は、剥製にする際に交易用に翼と足を切り落とされた状態で運ばれていた。そのため、この鳥は一生枝にとまらず、風にのって飛んでいる bird of paradise (天国の鳥)と考えられた。また、その昔風をえさにしていたとされることから「風鳥」と名づけられた。
系統と分類
カラス上科 の中でフウチョウ科など7科が単系統 を形成するが、それらの系統関係は不確実である。フウチョウ科・モズ科 Laniidae ・オオツチスドリ科 Corcoracidae が単系統をなす[ 2] 、もしくはフウチョウ科とカササギヒタキ科 Monarchidae が近縁である(ただしモズ科はサンプリングされていない)[ 3] とする説がある。
フウチョウ科は5つの系統に別れ、基底から順に A–E と仮称される[ 4] 。
伝統的なフウチョウ科は Mayr (1962) により2亜科に、あるいは3亜科に分けられてきた。しかしフウチョウモドキ亜科 Cnemophilinae とされたカンムリフウチョウモドキ属 Cnemophilus ・ツノハシフウチョウモドキ Loboparadisea は大きく離れた別系統であり、フウチョウモドキ科 Cnemophilidae として分離された。
Mayr は残り全てをフウチョウ亜科 Paradisaeinae とした。ただし、manucode と総称されるテリカラスフウチョウ属 Manucodia ・ナキカラスフウチョウ Phonygammus をその基底群とし、独立したテリカラスフウチョウ亜科 Manucodinae とする説もあった。実際の系統ではそれらはカラスフウチョウ Lycocorax と共にフウチョウ科の基底群 Clade A を作る。
亜科分類に諸説ありフウチョウ科自体から外す説もあったハナガオフウチョウ Macgregoria は、系統的に大きく離れたミツスイ科 Meliphagidae に移された。
伝統的にはフウチョウ科に含まれないクロチメドリ属 Melampitta を、Sibley & Ahlquist (1987) はフウチョウ科(+フウチョウモドキ科)の基底だとした。実際はフウチョウ科とは別系統だが、そう遠くない系統位置にある[ 2] 。
フウチョウ科に含める説があったビロードムシクイ Lamprolia は、近縁なオウギビタキ科 Rhipiduridae に移された。
Sibley & Ahlquist (1990) ではフウチョウ族 Paradisaeini とされ(ただしフウチョウモドキ亜科・クロチメドリ属を含む)、カラス亜科 に分類されていた。
属と種
属と種は国際鳥類学会議 (IOC)[ 5] より。15属41種。
Clade A
Clade B
Parotia カンザシフウチョウ属
Parotia sefilata , Western Parotia , カンザシフウチョウ
Parotia carolae , Queen Carola’s Parotia , ワキジロカンザシフウチョウ
Parotia berlepschi , Bronze Parotia
Parotia lawesii , Lawes’s Parotia , タンビカンザシフウチョウ
Parotia helenae , Eastern Parotia , ヒガシタンビカンザシフウチョウ
Parotia wahnesi , Wahnes’s Parotia , オナガカンザシフウチョウ
Pteridophora
Clade C
Clade D
Paradigalla キヅノフウチョウ属
Astrapia オナガフウチョウ属
Astrapia nigra , Arfak Astrapia , オナガフウチョウ
Astrapia splendidissima , Splendid Astrapia , フトオオナガフウチョウ
Astrapia mayeri , Ribbon‐tailed Astrapia , オジロオナガフウチョウ
Astrapia stephaniae , Stephanie’s Astrapia , シロジクオナガフウチョウ
Astrapia rothschildi , Huon Astrapia , ヒガシオナガフウチョウ
Epimachus オナガカマハシフウチョウ属
Clade E
Diphyllodes ミノフウチョウ属 (Cicinnurus から分離)
Cicinnurus
Paradisaea フウチョウ属
Paradisaea apoda , Greater Bird‐of‐paradise , オオフウチョウ
Paradisaea raggiana , Raggiana Bird‐of‐paradise , アカカザリフウチョウ
Paradisaea minor , Lesser Bird‐of‐paradise , コフウチョウ
Paradisaea decora , Goldie’s Bird‐of‐paradise , ベニカザリフウチョウ
Paradisaea rubra , Red Bird‐of‐paradise , ベニフウチョウ
Paradisaea guilielmi , Emperor Bird‐of‐paradise , シロカザリフウチョウ
Paradisaea rudolphi , Blue Bird‐of‐paradise , アオフウチョウ
出典
^ 日本画に鮮やか「最後の楽園」『朝日新聞』1979年(昭和54年)10月22日夕刊 3版 11面
^ a b Irestedt, M.; Fuchs, J.; et al. (2008), “The systematic affinity of the enigmatic Lamprolia victoriae (Aves: Passeriformes)―an example of avian dispersal between New Guinea and Fiji over Miocene intermittent land bridges?”, Mol. Phylogenet. Evol. 48 : 1218–1222
^ Norman, Janette A.; Ericson, Per G. P.; et al. (2009), “A multi-gene phylogeny reveals novel relationships for aberrant genera of Australo-Papuan core Corvoidea and polyphyly of the Pachycephalidae and Psophodidae (Aves: Passeriformes)” , Mol. Phylogenet. Evol. 52 (2): 488–497, http://www.nrm.se/download/18.2656c41712139f1fb5b80006027/Norman+et+al+2009+core+Corvoidea.pdf
^ Irestedt, M.; Jønsson, K. A.; et al. (2009), “An unexpectedly long history of sexual selection in birds-of-paradise” , BMC Evol. Biol. 9 : 235, http://www.biomedcentral.com/1471-2148/9/235
^ Gill, Frank ; Donsker, David, eds. (2010), “Vireos, crows, and allies” , IOC World Bird Names , version 2.5, http://www.worldbirdnames.org/n-vireos.html
関連項目