フェルナンディナ島
フェルナンディナ島(スペイン語: Isla Fernandina、ナーボロウ島、英語: Narborough Island)は、ガラパゴス諸島の島のうち3番目に大きく[1]、5万年前に形成された最も新しい島の1つである[2]。群島にあるほかの島と同様、ガラパゴスのホットスポット (英: Galápagos hotspot) により形成された。フェルナンディナ島は群島の最西端に位置し、2009年4月11日にも噴火が始まった活発な楯状火山である[1]。島の名はクリストファー・コロンブスの航海を援助したカスティーリャ王フェルナンド5世にちなんで名付けられた。また、英名のナーボロウ島は、この島が初めて記された地図にイギリス海軍の司令官ジョン・ナーボロウ卿の名にちなんで付けられた[1]。 地勢フェルナンディナ島は、深さ1000メートルの海底より屹立する[3]。面積642平方キロメートル、標高は1494メートルで[4]、頂上に幅約6キロメートル (4 × 6km) 、深さ800メートルのカルデラをもつ[3]。活発な火山活動により、島にはほとんど植物が生えず、大部分の表層は岩である。溶岩流うち表面が棘状になったアア溶岩や、パホイホイ(縄状)溶岩流が認められる[5]。 噴火
生物エスピノサ岬(プンタ・エスピノーサ、スペイン語: Punta Espinoza)には、狭い地面一帯に何百匹ものウミイグアナの群が生息し、黒い溶岩上を占領している。また、フェルナンディナ島にはガラパゴスリクイグアナも生息するが、そのほとんどはカルデラ内に営巣する[10]。ヨウガントカゲ類(Microlophus 属)は、英: Galápagos Lava Lizard (M. albemarlensis) が分布する[11]。ガラパゴスゾウガメの固有亜種は、唯一、1905年に1頭が採集された記録があるが、絶滅したものと考えられる[12]。 有名な飛べない鵜であるガラパゴスコバネウが島に生息するほか、ガラパゴスペンギンも生息する。ガラパゴスコバネウの個体数は群島全体で1591羽とされ、そのうち約460羽がフェルナンディナ島に生息し、ガラパゴスペンギンは1639羽のうち約120羽が生息するといわれる。群島全体に生息するカッショクペリカン(亜種ガラパゴスカッショクペリカン[13])のほか[14]、ガラパゴスマネシツグミは基亜種が分布する[15]。 ガラパゴスアシカのほかガラパゴスオットセイも生息する。フェルナンディナ島では1991年ごろ、陸上哺乳類であるガラパゴスコメネズミ類(Nesoryzomys 属) N. narboroughi が新たに発見された[16]。大型のリクガメでは、約100年前に絶滅したと考えられていたフェルナンディナゾウガメの存在が知られていたが、2019年に雌の成体一匹が再発見されている[17]。 活発な火山活動による溶岩からなるこの島にはヨウガンサボテンが見られ、沿岸部にはマングローブ林がある[18]。フェルナンディナ島は、ガラパゴス諸島のなかで最も自然な状態のままであると考えられ、移入された哺乳動物など外来種が分布しないことから、群島における他のほとんどの島々とは別に位置づけられる[1]。 脚注
参考文献
関連項目外部リンク
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