フランク・ポール・ヴォーゲル(Frank Paul Vogel、1973年6月21日 - )は、アメリカ合衆国フロリダ州ペンサコーラ出身のプロバスケットボール指導者。NBAのフェニックス・サンズでヘッドコーチを務めていた。
経歴
生い立ち
ニュージャージー州ワイルドウッド(英語版)で育った。
1990年12月10日に火事により家が全焼した。当時17歳だったヴォーゲルは母親と共に窓から脱出した[1]。
1991年にワイルドウッド高校(英語版)を卒業。
ジュニアータカレッジ(英語版)ではバスケットボールチームのスターターであった。
1994年にケンタッキー大学に転校し、ケンタッキーワイルドキャッツ男子バスケットボールチームの学生マネージャーを務め、1994年から1995年のシーズンはコーチを務めた。同大学を卒業し、1998年に生物学で理学士号を取得した[2][3]。
下積み時代
ヴォーゲルのNBAでのキャリアはボストン・セルティックスのアシスタントコーチとなった2001年から5年前にさかのぼり、チームのビデオコーディネーターから始まった。
ボストン・セルティックスのアシスタントコーチを務めた後、フィラデルフィア・76ersのアシスタントコーチ
を一年間務め、2005年から2006年にかけて、ロサンゼルス・レイカーズのスカウト、2006年から2007年にかけてワシントン・ウィザーズのスカウトを務めた。
2007年にジム・オブライエンがヘッドコーチとして指揮をとるインディアナ・ペイサーズにアシスタントコーチとして招かれ、2010-2011シーズン途中で、17勝27敗とチーム不調を受け、ヘッドコートを引き継ぎ、その後20勝18敗とチームを立て直しプレーオフ進出に貢献した[4]。
インディアナ・ペイサーズ
2011-2012シーズン、2012-2013シーズンと地道にチームの再構築を進め、2013年のプレーオフではカンファレンスファイナルでマイアミ・ヒートを追い詰めたが、敗退している。
2013-2014シーズンもチームの好調を維持し、オールスターでヘッドコーチを務めた。このシーズンは最終的に56勝26敗でイースタン・カンファレンスで第1シード全体で第2シードを獲得し、プレーオフに進んだ。この時点で、ヘッドコーチとしての勝率が62%以上と好成績を維持している。2年連続でカンファレンスファイナル進出を果たしたが、3年連続でマイアミ・ヒートに敗れた。2014-2015シーズンはポール・ジョージがほぼシーズンを全休したこともありプレーオフ不出場で終了。2015-2016シーズンはジョージが復活したこともあり、プレーオフ戦線に復活したものの、トロント・ラプターズに3勝4敗で屈し、プレーオフ終了後にラリー・バード社長より契約を更新しないことを告げられた[5]。
オーランド・マジック
2016年5月18日、オーランド・マジックのヘッドコーチに就任した[6]。2018年4月12日、マジックからヘッドコーチの職を解任された[7]。
ロサンゼルス・レイカーズ
2019年5月14日にロサンゼルス・レイカーズのヘッドコーチに就任した[8][9]。就任1年目の2019-20シーズンにチームをNBAファイナル優勝に導いた。
2021年8月6日にレイカーズと延長契約を結んだ[10]。
2021-22シーズンはプレーオフ進出を逃し、オフに解雇された[11]。
フェニックス・サンズ
2023年6月6日、フェニックス・サンズのヘッドコーチに就任した[12]。
2024年5月10日(現地時間5月9日)、フェニックス・サンズは、同氏をヘッドコーチから解任したことを発表した[13]。
ヘッドコーチ成績
NBAヘッドコーチ実績表略号説明
|
レギュラーシーズン
|
G
|
試合数
|
W
|
勝利数
|
L
|
敗戦数
|
W–L %
|
レギュラーシーズン勝率
|
ポストシーズン
|
PG
|
試合数
|
PW
|
勝利数
|
PL
|
敗戦数
|
PW–L %
|
プレイオフ勝率
|
チーム |
シーズン
|
G
|
W
|
L
|
W–L%
|
シーズン結果
|
PG
|
PW
|
PL
|
PW–L%
|
最終結果
|
2010–11
|
IND
|
38 |
20 |
18 |
.526 |
セントラル2位 |
5 |
1 |
4 |
.200 |
1回戦敗退
|
2011–12
|
66 |
42 |
24 |
.636 |
セントラル2位 |
11 |
6 |
5 |
.545 |
カンファレンスセミファイナル敗退
|
2012–13
|
81 |
49 |
32 |
.605 |
セントラル1位 |
19 |
11 |
8 |
.579 |
カンファレンスファイナル敗退
|
2013–14
|
82 |
56 |
26 |
.683 |
セントラル1位 |
19 |
10 |
9 |
.526 |
カンファレンスファイナル敗退
|
2014–15
|
82 |
38 |
44 |
.463 |
セントラル3位 |
— |
— |
— |
— |
プレーオフ未出場
|
2015–16
|
82 |
45 |
37 |
.549 |
セントラル2位 |
7 |
3 |
4 |
.429 |
1回戦敗退
|
2016–17
|
ORL
|
82 |
29 |
53 |
.354 |
サウスイースト5位 |
— |
— |
— |
— |
プレーオフ未出場
|
2017–18
|
82 |
25 |
57 |
.305 |
サウスイースト5位 |
— |
— |
— |
— |
プレーオフ未出場
|
2019–20
|
LAL
|
71 |
52 |
19 |
.732 |
パシフィック1位 |
21 |
16 |
5 |
.762
|
NBAチャンピオン
|
2020–21
|
72 |
42 |
30 |
.583 |
パシフィック3位 |
6 |
2 |
4 |
.333
|
1回戦敗退
|
2021–22
|
82 |
33 |
49 |
.402 |
パシフィック4位 |
— |
— |
— |
— |
プレーオフ未出場
|
Career |
814 |
431 |
389 |
.526 |
|
88 |
49 |
39 |
.557 |
|
脚注
- ^ “Magic coach Frank Vogel gained strength from traumatic fire 26 years ago”. OrlandoSentinel.com (December 17, 2016). December 27, 2016閲覧。
- ^ Ramsey, Guy (July 22, 2011). “Where are they now: Pacers coach credits UK basketball for opening NBA doors”. Cat Scratches. Kentucky Wildcats. January 5, 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。January 31, 2011閲覧。
- ^ “Frank Vogel”. NBA. January 5, 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。January 31, 2011閲覧。
- ^ “Pacers hire Frank Vogel as coach”. Associated Press (ESPN.com). (July 7, 2011). オリジナルの2011年12月16日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20111216181052/http://sports.espn.go.com/nba/news/story?id=6742433
- ^ Frank Vogel is no longer the head coach of Pacers
- ^ Magic agreed to terms with Frank Vogel
- ^ John Denton (2018年4月12日). “Orlando Magic Dismiss Frank Vogel as Head Coach” (英語). NBA.com. 2018年4月13日閲覧。
- ^ “Lakers Announce Hiring of Frank Vogel as Head Coach”. NBA.com (May 13, 2019). May 13, 2019閲覧。
- ^ Baer, Jack (May 11, 2019). “Lakers land on former Pacers coach Frank Vogel as next head coach”. Yahoo! Sports. May 11, 2019閲覧。
- ^ “Lakers Sign Frank Vogel to Contract Extension”. NBA.com (2021年8月6日). 2021年8月7日閲覧。
- ^ “Lakers fire Vogel, say it's 'time for a new voice'” (英語). ESPN.com (2022年4月11日). 2022年4月12日閲覧。
- ^ “SUNS NAME FRANK VOGEL AS HEAD COACH” (2023年6月6日). 2023年8月13日閲覧。
- ^ Inc, SEESAW GAME (2024年5月10日). “プレーオフ1回戦敗退のサンズが就任1年目を終えたフランク・ボーゲルHCを解任”. バスケットボールキング. 2024年5月10日閲覧。
外部リンク