ベアトリス・オブ・ザ・ユナイテッド・キングダム王女(Princess Beatrice of the United Kingdom、のちにヘンリー・オブ・バッテンバーグ公子妃(Princess Henry of Battenberg)、1857年4月14日 - 1944年10月26日)は、イギリス女王ヴィクトリアとアルバート公の五女。ニックネームはベービィ。全名はベアトリス・メアリー・ヴィクトリア・フィオドア(Beatrice Mary Victoria Feodore)。
幼少の時、ナポレオン3世の皇太子ナポレオン・ウジェーヌ・ルイ(ナポレオン4世)と結婚話もあがっていたが、ルイは戦死し、実現しなかった。その後、姪ヴィクトリア・アルベルタ(ヘッセン大公ルートヴィヒ4世と姉アリスの娘)とバッテンベルク公子ルートヴィヒ・アレクサンダーの結婚式で、新郎の弟であるバッテンベルク公子ハインリヒ・モーリッツを見初め、結婚した。夫との間にスペイン王アルフォンソ13世の妃となるヴィクトリア・ユージェニー(家族間では“エナ”と呼ばれた)など、3男1女をもうける。血友病保因者であり、彼女を通じてスペイン王室に血友病がもたらされた。
母ヴィクトリアの生前は秘書の役割をしており、後に母の日記を編纂した。秘書役に重宝がられたのが災いして、婚期が遅れた面もある(ハインリヒは三男で領地も肩書きもなく、末娘を秘書としてそばに置きたい女王には好都合の婿だった)。