『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』(ペトラフォンカントのにがいなみだ、独: Die bitteren Tränen der Petra Von Kant, 英: The Bitter Tears of Petra von Kant)は、1972年の西ドイツの恋愛ドラマ映画。ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーが1971年に書いた同題の5幕構成の戯曲[2][3]を、ファスビンダー自らが監督・脚本を務めて映画化した作品で、出演はマーギット・カーステンゼン(ドイツ語版)、ハンナ・シグラなど。
第22回ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品作品。
イルム・ヘルマンに捧げられている(フィルム冒頭に「本作でマルレーネを演じる者に捧ぐ」という献辞がある)。
日本では劇場公開されていないが、2018年12月22日にDVDが発売された[4]他、同日に発売された「ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー Blu-ray BOX」にも収録されている[5]。
ストーリー
キャスト
作品の評価
- 原作戯曲の舞台初演は不評であったと伝わるが、「翌年の映画化に際して、結末をドラマティックに変更したことにより、作品の印象が改善された」と評価されている[2]。
- Rotten Tomatoesによれば、26件の評論のうち高評価は88%にあたる23件で、平均点は10点満点中8点、批評家の一致した見解は「思い返せばさらに力強さを増す思慮深いドラマである『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』は、人とのつながりを求めて苦悩する女性の姿を繊細に描いている。」となっている[6]。
- Metacriticによれば、9件の評論のうち、高評価は8件、賛否混在は1件、低評価はなく、平均点は100点満点中73点となっている[7]。
リメイク
2022年にフランソワ・オゾン監督により、主人公2人を男性に置き換えて『苦い涙』としてリメイクされ、第72回ベルリン国際映画祭(ドイツ語版)のオープニング作品として初上映された[8]。主演はドゥニ・メノーシェ、ハリル・ベン・ガルビア(フランス語版)。
備考
ルカ・グァダニーノ監督がメインキャスト全員を女優で固めて撮影した映画『サスペリア』(2018年)は、本作にオマージュを捧げているとされる[9]。また同作は、ファスビンダー監督の元妻で作品にも多数出演した女優イングリット・カーフェンを寮母役として起用している[10][11][9]。
脚注
関連項目
外部リンク