ミクロマン
ミクロマンは、株式会社タカラ(現:タカラトミー)から発売されていた可動式フィギュアである。 ミクロマンシリーズのうち、1974年のラインナップにあたる。本項では、1974年から1980年までのシリーズについて詳述する。 概要全身14箇所可動の身長約10cmの小型フィギュア。その乗り物、基地など多数が発売された。小型で安価であるため商品点数も多く、ヒット商品となった。敵キャラクターであるアクロイヤーや、磁石を関節に応用したタイタンシリーズ。ミクロマンよりもさらに小型のフードマンと呼ばれるシリーズなど、毎年新たなキャラクターが投入された。 アニメなどのTV媒体での展開のない玩具主導の展開で、主に商品に同梱された小冊子などに描かれたオリジナルストーリーがその世界観を支えていた他、講談社テレビマガジンを中心に、小学館小学二年生、秋田書店の冒険王などで雑誌展開され、漫画連載やファンクラブなども結成され、子供の間でブームとなった。 ストーリー何億年もの昔、3万光年の彼方に高度な文明を持つ星「ミクロアース」があった。地球と変わらない自然環境にミクロマンがユートピアを建設して平和に暮らしていた。しかし謎の大爆発を起こし、銀河系宇宙から消滅してしまった。だが、たくましい生命力を持つミクロマンたちは大爆発のときにできた水晶体の中に眠り、宇宙をさまよっていた。やがて太陽から放射される光子と強い宇宙線により彼らは突然蘇ったのだ。やがて地球に降り立ったミクロマンは「スペクトルMX光線」によって次々と仲間たちを蘇生。地球にユートピア建設を進めることになった。 (商品封入カタログより抜粋)
ミクロマンのストーリーは、商品展開に沿ってそれぞれのストーリーが付加されていく。また基本設定やディティールなども時代と共に徐々に変化して行く。 最初期の設定では、「宇宙科学局」を中心とし、非常に発達した科学技術の理想社会を掲げミクロ星からやってきた宇宙人の活動を軸とする。 未知の元素αH7により母星が崩壊、脱出した彼らも小型化したという描写がなされていた。
また、雑誌展開された漫画などでも、それぞれディティールの異なる設定でストーリーが語られている。 主要商品一覧ミクロマンメインのラインナップ。前述の通り、商品展開と共に設定そのものは変遷して行くが、この時点での設定では、もともとはミクロ星人だったがミクロ星(ミクロアース)の崩壊から逃れて脱出カプセルで宇宙を漂流しているうちに身体が変化し、小さな超人となったという設定であった。一体一体に個別のナンバー(再編などで変更された例も有る)と名前(各シリーズごとに名前のイニシャルが統一されている(のちに破綻している))が付けられている。地球に自身らのユートピア・ミクロマンゾーンを作るべく悪との戦いや資源の探索を行う。
M11Xシリーズ
スーパーミクロマントミカなどのミニカーや同時期のヒット商品であるポピーの「超合金」のように、ボディの殆どがダイキャストで構成されたシリーズ。
タイタン磁石の入ったボディに球体関節の手足を吸着させるという、ユニークな構造を持ったシリーズ。首と肩、股関節にあたる箇所が8mmの鉄球になっており、自由に着脱可能である。タイタン(Tナンバー)と呼ばれるシリーズはこの後発売されるものも全てこの機構を備えている。販売形式はシリーズを通して発泡スチロール梱包(外箱入り)であった。 元はミクロ星人で土星付近の微弱な光子エネルギー不足を補い、強い引力に対抗して磁力装置を組み込み、毒性の強いメタンの大気を持つ衛星タイタンの苛酷な環境に耐えるため、自らサイボーグとなったという設定がある。ミクロマンが人間同様の容貌なのに対して、ロボット的な容貌を持つ。地球外出身という設定により、名前はギリシャ神話・星座から取られた。
スパイマジシャン諜報部員という設定のミクロマン。このシリーズでは他と異なり共通のカプセルは付属せず販売形式はアクロイヤーと同様の紙箱だった。メッキのスティックとブレスレット[1]が追加パーツとして付属。
ミクロマンコマンド1977年発売のシリーズ。折からの古代遺跡やUFOのブームを取り込み、ケースがそれぞれ遺跡などがモチーフの専用ケースになっている。
タイタンコマンドジムカ[注釈 6]というダイキャストのミニカーと人形がセットなったシリーズ。人形は両脚を外してジムカに合体(搭乗)できる。人形は、それまでミクロマンとタイタンに共通だった軟質樹脂製の手首は採用されておらず、腕と一体成型のショベル状のマニピュレータ等となっているなど、設定上はサイボーグ(改造人間)だが、ほぼロボットのようなデザインとなっている。セットになっているジムカは同時期に展開されたタカラのミニカー[注釈 7]のブランドでもあり、モーター[注釈 8]やステアリングなどの別売りの機構を組み込むことができる。(モーターと電池ボックスを組み込んだ場合、タイタンコマンドは合体できなくなる[注釈 9])。 T45Xシリーズ
ボディ成型色の配色は(A)胴体・腕・足、(B)脚の2色構成で、ジムカは(C)本体焼付塗装単色、(D)クリア成型キャノピーの2色構成(タイタンコマンドシリーズ全般で共通)。
ミクロフードマンフードマンはミクロ星(ミクロアース)壊滅以前に恒星探査に出ていたが、母星の崩壊で宇宙の放浪を余儀なくされ、乏しい資源や食料節約のために自らを1/20に縮小したミクロ星人という設定であった。地球に来た今までのミクロマンと違い体組織に大きな変化はないので上半身をすっぽり覆う生命維持用のフードを被っているとされた。人形を立たせるための5ミリジョイントのついたカプセルに封入されて販売された。フード前面と人形頭部の形状は各シリーズ毎に違うものだが、それ以外は3種とも共通の形状である。
ポリスキーパー
ミクロナイト
レスキュー隊員
タイタンスペースナイトT53Xシリーズ
T551
ミクロマンブリザード
ミクロマンパンチ
アクロイヤー元はミクロ星人だったが、生命維持用カプセルが海底のヘドロやPCBにより汚染され、悪の心と超能力がパワーアップされ歪んだ復活を遂げたという、これは当時社会問題となっていた公害がテーマとなっている。
その他のミクロマン
ビークル類ミクロマンの人形を乗せて遊ぶことができる乗り物。それぞれのシーズンに合わせて新しいビークルが発売されている。 初期最初のミクロマンとセット販売されたビークルである。 最初期の製品のジョイント部分はダボ付きのクリップ構造であったが第2期以降(前述 M10Xシリーズ参照)は後の組み換えに対応する形で現行の5mmジョイントへ変更された。クリップジョイント構造はヘリのブレードやタイヤ部分などの回転する部分のみへの採用へと移行していった。以降、搭乗メカ類のジョイントはこの5mmのものが主流になる。 ミクロマシン販売形式はブリスター封入(外箱入り)梱包だった。
コスモ・カー初期の透明ボディのミクロマンが乗ることのできる商品。乗り物単体で発売され、ミクロマシンよりもやや大型かつ豪華な造りになっている。ミクロセスナ以前のマシンはオープンコクピットでありキャノピーが存在しない。
メカ・コスモ電動ギミックを仕込んだ新シリーズ。高額商品のためラインナップは少ない。なお、デザインは機動戦士ガンダムで有名な大河原邦男によるものである。
マシン・カーM11X、M12Xと同時発売のシリーズ。初期のフォーマットに合わせてミクロマンとセットでも売られた。本製品にはM10Xシリーズ対応のクリップパーツが付いている[注釈 22]。オープンコクピットが特徴。
その他
基地
スパイマジシャンの時期のビークル1976年の展開だったスパイマジシャンではゲーム遊びが内蔵された乗り物が中心で、過去のリデコ商品などの展開もあったが、年末商戦ではそれまでのミクロマンで最も高額商品となる『移動基地』がラインナップされた。 スパイ・カースパイマジシャンとのセット商品のビークル。ビークルとしてだけではなく、個々にビークル以外の機能を持たせてあるのが特徴。
ミクロキット最初期に発売されていたミクロマンとセットになっていた4種類のマシンの内、スカイランブラーを除いた3種類のマシンを成型色を替えて別売りにした商品。オリジナルマシン形態時に使用するシールが付属している。ホットローダー・ジャイロットは発売時期によっては部品に5mmジョイントを追加したバリエーションがある。
基地・その他移動基地
ミクロマンコマンドの時期のビークルコマンドカー
サーベイヤーミクロマンコマンドが開発したという設定のマシン。各ブロックはユニット構造になっていて、それまでのミクロマンの仕様に合わせた5mmジョイントで連結されている。調査研究用マシーンという設定でモーターライズの後部4輪台車と動力無しの前部3輪台車二つを組み合わせてそこに各ユニットを載せるという仕組みになっている。台車の上面は完全に平らで等間隔に5mmの穴が空いているだけであった。漫画版では台車そのものは変わらないままユニットを組み換えていくつかの形態になるとされていた。
今までの商品のパーツを載せることも可能。
基地・その他サーベイヤー基地
ロボットマシーンZ
コスモポルシェ
ポリスキーパーおよびフードマンの時期のビークルポリスキーパーおよびフードマンがメインシリーズだった頃のアイテム。未知の元素αH7により崩壊したミクロアースの悲劇が地球にもいずれやってくるという設定が追加された。αH7により地球人もミクロマンのように小さくなってしまうとされ、そのためにポリスキーパーが必要とされた。そして小さくなったミクロ人間を救うためにビルド基地やビルドマシーンが作られた(これをビルド計画と呼ぶ)という設定になっていた。 ビルドマシーンビルド計画に合わせて発売されたポリスキーパー用のメカ。
キットマシーンビルド計画に合わせて発売されたフードマン用のビークル。フードマンの1人・ハンスによって作られたという設定で、全てがゴム動力で動く。機体そのものは細いフレームにタイヤやプロペラを組み合わせたもので、工作的な楽しみが強調されている。
基地・その他
レスキュー隊員の時期のビークルレスキューマシンレスキューコマンド用のビークル。
基地・その他
コスモローター1
コスモローター2
ミクロマンパワーアップセット
ミクロマンブリザード・パンチの時期のビークル
その他のミクロマンブリザード・パンチ時期のビークル
ロボットマンゴッドファイター
アクロイヤー側のメカなど
未発売品
ラジオコントロール・フードベースRC-B ノア
巨大ロボG-1
用語
漫画
書誌情報
主題歌1976年、日本コロムビアよりシングルレコード(型番:SCS-313)として発売。 タイトル『ミクロマン』
2曲とも、作詞は丘灯至夫、作曲・編曲は菊池俊輔、歌は水木一郎。 なお、2曲とも、1991年発売の『水木一郎大全集 Vol.2』(型番:COCC-7168/9)でCD化された。 CMミクロマンはテレビアニメーションなどの展開は行われなかったが、毎シーズンTVCMが投下されていた。 毎回特徴的なサウンドロゴが歌われる。時期によって曲調や歌手が異なる。 串田アキラ・成田賢・MoJo・町田義人などが起用されている。 海外展開米国MEGO社との業務提携により、1977年よりMICRONAUTSというシリーズが展開されている。 イギリスではAIRFIX社よりMICRONAUTSというシリーズ名で展開。 イタリアではGIG社によりI MICRONAUTIというシリーズ名で展開されていた。 後続シリーズミクロマンは、1980年末の展開を持ってそれまで続いていた展開が一旦終了。一旦リセットされて、1981年4月から「ニューミクロマン」という既存の人形の成型色を変更したものと、新たな乗り物などの商品が展開され、変形ロボットを主軸とした「ミクロチェンジシリーズ」などを経て1984年に展開は終了した。1990年代後半に入ってからは復刻版や新シリーズなどの展開が始まるが、詳細はミクロマンシリーズを参照。 復刻版1996年、玩具メーカー浪曼堂より、復刻シリーズ「ミクロマン21」として復刻版が発売された。1997年末頃までミクロマンコマンド・スパイマジシャン・ミクロナイトなどのシリーズが発売された。 1998年、本家である株式会社タカラより復刻版が発売された。初期のミクロマン・M111シリーズ・M121シリーズ・スパイマジシャン・ミクロマンコマンド・フードマン・レスキュー隊員の他、アクロイヤーやアーデンなどの敵側のキャラクターなども発売され、オリジナルのミクロマンで未発売に終わったアクロイヤーのカラーバリエーションや、限定版として新たなカラーの新キャラクターなども追加された。様々な企業やイベントなどとのコラボレーションされ、限定版として特別なカラーなどが多数発売された。 コンピュータゲーム
こぼれ話
脚注注釈
出典
関連項目Information related to ミクロマン |