三菱重工業長崎造船所史料館(みつびしじゅうこうぎょうながさきぞうせんじょしりょうかん)は長崎県長崎市飽の浦町にある、三菱重工業長崎造船所飽の浦本工場内の企業博物館。
三菱重工業発祥の地で、日本の近代化に貢献した同造船所の歴史を振り返る。
概要
もともとは1898年(明治31年)に鋳物(エンジンなど)鋳造用の木製鋳型を作る工場(木型場)として建設され[1]、1982年(昭和57年)に新しい木型場が完成したため、1985年10月に史料館として開館した。
また、被爆建造物でもある[2]ほか、「三菱長崎造船所 旧木型工場」の名称で、明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業の構成資産として世界遺産に登録されている[3]。
2015年6月19日付で開館時間が9時から16時30分に、施設維持管理費は大人800円、小中学生400円(要予約)に変更された[4]。長崎駅からの送迎シャトルバスが一日6便運行しており、休館日は毎月第2土曜日および2017年12月29日(金曜日)~2018年1月4日(木曜)。
主な収蔵品
- 岩崎家コーナー[5]
- 岩崎弥太郎、岩崎弥之助、岩崎久弥、岩崎小弥太書簡
- 代表的記念物[6]
- 泳気鐘 - 1793年、徳川家斉により出島オランダ商館に注文され1834年に長崎に到着した英国製の潜水器具。長崎鎔鉄所施工工事のときに使用された。
- 日本最古の工作機械 - 1857年、長崎鎔鉄所建設にあたり徳川幕府がオランダから購入した竪削盤 - 文化遺産オンライン(文化庁)。国の重要文化財
- 日本初の国産陸用蒸気タービン - 1908年(明治41年)にイギリスのパーソンス社との技術提携により製作された。
- 鋳鉄柱 - 明治初期(1868年〜1912年)に長崎造船所内工場に使用されたものと推定されている。
- 戦艦武蔵コーナー[7]
- 武蔵油絵(第18代所長古賀繁一寄贈)
- 武蔵に使用された大型鋲締機(武蔵の鋲締数は6,491,248本)
- 武蔵建造日誌
- 武蔵竣工記念品(香盒)
- 武蔵進水時に使用された支綱切断用斧
- 会社生活コーナー[8]
- 1871年(明治4年)10月時点の工部省長崎造船所の就業規則
- 昭和初期(1926年〜1989年)まで用いられた工員永年勤続表彰記章
- 所属、職務により記章の形、色が異なる記章類
- 発電プラントコーナー[9]
- 乗用車用液圧式タイヤ加硫機(PC-X)初号機
- その他の展示物[10]
- 九一式航空魚雷カットモデル
- 北斗丸500馬力オープンサイクルガスタービン - 日本初の船舶用ガスタービンエンジン
- 2サイクルユニフローUEV30/40実験機関 - 1963年(昭和38年)完成、護衛艦主機として採用された
- スペイン向けタービンローター破片 - 1970年(昭和45年)のタービン破損事故の際の破片で、破壊力学上貴重な資料
- 白鷹丸の主機 - 1928年(昭和3年)から55年間、長崎造船所曳船として活躍した白鷹丸の主機
- 東京電力鶴見第二発電所1号タービン溶接ローター
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木骨レンガ造り構造
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木型を鋳物工場へ牽引する懸垂式クレーンのレール
脚注
関連項目
外部リンク