佐渡島(さどがしま[1][2][3]、さどしま[4][5])は、新潟県の西部に位置する島。全域が新潟県佐渡市に属し、佐渡弥彦米山国定公園、佐渡ジオパークに含まれる。人口は46,515人(2024年11月1日現在)。
有人国境離島法に基づく「特定有人国境離島地域を構成する離島」に指定されている。
島名については、国土地理院『標準地名集』には「さどしま」という読み方で記載されている。地元議会では「さどがしま」への変更の議論がある[6]。
地理
面積は854.81km2[5]で、本州などの主要4島と北方領土を除く日本の島の中では沖縄本島に次ぐ面積を持つ[7]。これは、東京都の本土部分(東京23区・多摩地域、島嶼部を除く)の面積1791.47km2の約48%にあたり、また大阪府の面積1897.86km2の約45%に相当する。
島の周囲は280.8km[8]。最高標高は金北山の1,172mで[8]、その西隣の妙見山(標高1,042m)山頂には日本海の一定空域を監視する自衛隊のレーダーサイトがある[注 1]。
カタカナの「エ」、アルファベットの「S」、雷マーク「⚡」に例えられる特徴的な形を持つ。地形は3つに大別でき、北に大佐渡山地(おおさどさんち)、南に小佐渡山地(こさどさんち)[注 2]、この2つの間に穀倉地帯の国中平野(くになかへいや)が広がる。大佐渡山地の方が標高が高く、金北山も大佐渡山地側にある。小佐渡山地側の最高標高は大地山(645m)である。
大佐渡山地の北側は山が海岸のすぐそばまで迫り、断崖絶壁と無数の岩礁が約50kmにわたって連なる景勝地で、中でも尖閣湾が有名である。対して小佐渡山地は、大佐渡山地と比べるとなだらかな丘陵地帯で、自生のみかんや茶が見られる。
国仲平野は離島の平野としては広い面積を持ち、かつ真野湾に注ぐ国府川など多くの川で潤うため、水稲栽培が行われている。平野の西側に真野湾、東側に両津湾および新潟県最大の湖である加茂湖(汽水湖)があり、真野湾と加茂湖ではカキの養殖が行われる。
気候
気候はおおむね三分され、大佐渡山地の北側は日本海からの季節風の影響を受け、冬には積雪がある一方、小佐渡山地の南側は比較的温暖で積雪が少ない。両山地の中間部はその中間くらいの気候である。ただし新潟県の本土側と比較すると、佐渡島は沖合を暖流の対馬海流が流れている影響で冬の気温が1 - 2度ほど高く、積雪は少ないほうといえる。また夏は海風の影響で昼夜の温度差が内陸より小さくなり、おおむね新潟県の本土側に比べ1 - 2度程度涼しい。
過去の水害については、1897年(明治30年)に発生した水難について、本庄了寛『佐渡水難実記』は死者86人、流失破壊建物937棟の被害が出たとしている[10]。1998年(平成10年)8月4日の豪雨(8.4水害)では、島内で林道の崩落が発生したほか、藤津川、長江川、大野川の堤防が決壊した[10]。
相川(相川特別地域気象観測所)の気候
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月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
年
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最高気温記録 °C (°F)
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17.0 (62.6)
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20.7 (69.3)
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23.2 (73.8)
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28.0 (82.4)
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30.0 (86)
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34.1 (93.4)
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37.4 (99.3)
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38.5 (101.3)
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37.4 (99.3)
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31.5 (88.7)
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26.3 (79.3)
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22.9 (73.2)
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38.5 (101.3)
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平均最高気温 °C (°F)
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6.5 (43.7)
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6.7 (44.1)
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9.6 (49.3)
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14.9 (58.8)
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19.9 (67.8)
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23.3 (73.9)
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27.1 (80.8)
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29.3 (84.7)
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25.9 (78.6)
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20.5 (68.9)
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15.0 (59)
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9.7 (49.5)
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17.4 (63.3)
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日平均気温 °C (°F)
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4.0 (39.2)
|
4.0 (39.2)
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6.5 (43.7)
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11.1 (52)
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15.9 (60.6)
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19.8 (67.6)
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24.0 (75.2)
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26.0 (78.8)
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22.5 (72.5)
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17.2 (63)
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11.8 (53.2)
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6.8 (44.2)
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14.1 (57.4)
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平均最低気温 °C (°F)
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1.3 (34.3)
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1.0 (33.8)
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2.9 (37.2)
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7.2 (45)
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12.0 (53.6)
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16.6 (61.9)
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21.3 (70.3)
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22.9 (73.2)
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19.2 (66.6)
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13.6 (56.5)
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8.2 (46.8)
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3.8 (38.8)
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10.8 (51.4)
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最低気温記録 °C (°F)
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−7.5 (18.5)
|
−7.4 (18.7)
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−6.4 (20.5)
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−2.1 (28.2)
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2.5 (36.5)
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7.6 (45.7)
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12.1 (53.8)
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14.6 (58.3)
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9.5 (49.1)
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4.4 (39.9)
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−2.8 (27)
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−6.6 (20.1)
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−7.5 (18.5)
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降水量 mm (inch)
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131.1 (5.161)
|
91.6 (3.606)
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96.6 (3.803)
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94.5 (3.72)
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97.3 (3.831)
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122.5 (4.823)
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207.3 (8.161)
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137.5 (5.413)
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139.9 (5.508)
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133.1 (5.24)
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154.8 (6.094)
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175.7 (6.917)
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1,572.5 (61.909)
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降雪量 cm (inch)
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28 (11)
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25 (9.8)
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4 (1.6)
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0 (0)
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-
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-
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-
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-
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-
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-
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-
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9 (3.5)
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67 (26.4)
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平均降水日数 (≥0.5 mm)
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22.8
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18.6
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16.0
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11.5
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11.0
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10.7
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12.3
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9.9
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11.9
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13.8
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18.2
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23.0
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178.9
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平均降雪日数 (≥0 cm)
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23.6
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19.9
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13.2
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1.7
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0
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0
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0
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0
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2.1
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14.9
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75.4
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% 湿度
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69
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68
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66
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72
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78
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81
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77
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73
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68
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69
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71
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平均月間日照時間
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46.2
|
69.2
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133.1
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177.0
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200.7
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178.4
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161.2
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207.8
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157.0
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147.5
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95.8
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50.6
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1,625.8
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出典:気象庁 (平均値:1991年-2020年、極値:1911年-現在)[11][12]
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弾崎(1991年 - 2020年)の気候
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月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
年
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最高気温記録 °C (°F)
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16.1 (61)
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22.4 (72.3)
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24.6 (76.3)
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28.0 (82.4)
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29.9 (85.8)
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31.4 (88.5)
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34.3 (93.7)
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36.2 (97.2)
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35.3 (95.5)
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29.7 (85.5)
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25.0 (77)
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18.7 (65.7)
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36.2 (97.2)
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平均最高気温 °C (°F)
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5.4 (41.7)
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5.8 (42.4)
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9.1 (48.4)
|
14.2 (57.6)
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19.0 (66.2)
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22.4 (72.3)
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26.2 (79.2)
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28.2 (82.8)
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24.8 (76.6)
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19.5 (67.1)
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14.0 (57.2)
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8.5 (47.3)
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16.4 (61.5)
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日平均気温 °C (°F)
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3.1 (37.6)
|
3.1 (37.6)
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5.7 (42.3)
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10.4 (50.7)
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15.1 (59.2)
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19.0 (66.2)
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23.1 (73.6)
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25.0 (77)
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21.8 (71.2)
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16.5 (61.7)
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11.0 (51.8)
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5.9 (42.6)
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13.3 (55.9)
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平均最低気温 °C (°F)
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0.7 (33.3)
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0.5 (32.9)
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2.5 (36.5)
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6.8 (44.2)
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11.4 (52.5)
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15.8 (60.4)
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20.5 (68.9)
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22.2 (72)
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18.9 (66)
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13.4 (56.1)
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7.9 (46.2)
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3.2 (37.8)
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10.3 (50.5)
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最低気温記録 °C (°F)
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−6.3 (20.7)
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−7.0 (19.4)
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−3.3 (26.1)
|
−0.8 (30.6)
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2.1 (35.8)
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7.5 (45.5)
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12.3 (54.1)
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15.5 (59.9)
|
9.5 (49.1)
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4.2 (39.6)
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−0.6 (30.9)
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−4.9 (23.2)
|
−7.0 (19.4)
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降水量 mm (inch)
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133.1 (5.24)
|
94.3 (3.713)
|
101.0 (3.976)
|
104.1 (4.098)
|
112.2 (4.417)
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127.2 (5.008)
|
216.2 (8.512)
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154.0 (6.063)
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152.5 (6.004)
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161.1 (6.343)
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167.7 (6.602)
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180.9 (7.122)
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1,711.6 (67.386)
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平均降水日数 (≥1.0 mm)
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20.3
|
16.2
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14.6
|
11.3
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10.4
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10.0
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11.7
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9.6
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11.6
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13.7
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16.6
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21.6
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167.4
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平均月間日照時間
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46.1
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77.7
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149.8
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200.1
|
218.7
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189.0
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171.9
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215.7
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159.9
|
149.2
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92.0
|
51.0
|
1,723.5
|
出典1:Japan Meteorological Agency
|
出典2:気象庁[13]
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羽茂(1991年 - 2020年)の気候
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月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
年
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最高気温記録 °C (°F)
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15.2 (59.4)
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20.0 (68)
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22.4 (72.3)
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28.9 (84)
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30.6 (87.1)
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34.4 (93.9)
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37.6 (99.7)
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38.3 (100.9)
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36.2 (97.2)
|
31.7 (89.1)
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25.2 (77.4)
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19.6 (67.3)
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38.3 (100.9)
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平均最高気温 °C (°F)
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6.0 (42.8)
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6.4 (43.5)
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9.8 (49.6)
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15.6 (60.1)
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21.0 (69.8)
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24.5 (76.1)
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28.0 (82.4)
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30.2 (86.4)
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26.4 (79.5)
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20.7 (69.3)
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14.8 (58.6)
|
9.1 (48.4)
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17.7 (63.9)
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日平均気温 °C (°F)
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3.1 (37.6)
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3.0 (37.4)
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5.6 (42.1)
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10.6 (51.1)
|
15.7 (60.3)
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19.9 (67.8)
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23.9 (75)
|
25.6 (78.1)
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21.7 (71.1)
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16.0 (60.8)
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10.5 (50.9)
|
5.7 (42.3)
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13.5 (56.3)
|
平均最低気温 °C (°F)
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0.2 (32.4)
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−0.2 (31.6)
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1.4 (34.5)
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5.8 (42.4)
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11.0 (51.8)
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15.9 (60.6)
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20.6 (69.1)
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21.9 (71.4)
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18.0 (64.4)
|
11.9 (53.4)
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6.6 (43.9)
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2.5 (36.5)
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9.6 (49.3)
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最低気温記録 °C (°F)
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−7.5 (18.5)
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−7.4 (18.7)
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−4.9 (23.2)
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−2.9 (26.8)
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2.2 (36)
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7.8 (46)
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12.2 (54)
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14.2 (57.6)
|
9.1 (48.4)
|
2.4 (36.3)
|
0.2 (32.4)
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−3.9 (25)
|
−7.5 (18.5)
|
降水量 mm (inch)
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164.0 (6.457)
|
109.5 (4.311)
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107.2 (4.22)
|
98.7 (3.886)
|
98.0 (3.858)
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129.6 (5.102)
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210.9 (8.303)
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143.8 (5.661)
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142.7 (5.618)
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138.2 (5.441)
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173.0 (6.811)
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206.3 (8.122)
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1,721.7 (67.783)
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平均降水日数 (≥1.0 mm)
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22.8
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17.7
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16.1
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11.6
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10.3
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9.6
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12.2
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9.5
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11.5
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13.6
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17.5
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22.4
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174.8
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平均月間日照時間
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56.8
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80.6
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143.3
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185.4
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205.4
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172.8
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164.1
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202.8
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148.7
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146.5
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103.7
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57.8
|
1,667.8
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出典1:Japan Meteorological Agency
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出典2:気象庁[14]
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両津(1991年 - 2020年)の気候
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月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
年
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最高気温記録 °C (°F)
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14.5 (58.1)
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19.9 (67.8)
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20.5 (68.9)
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26.9 (80.4)
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29.0 (84.2)
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31.7 (89.1)
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37.7 (99.9)
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38.8 (101.8)
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38.2 (100.8)
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29.5 (85.1)
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24.7 (76.5)
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19.0 (66.2)
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38.8 (101.8)
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平均最高気温 °C (°F)
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5.8 (42.4)
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6.2 (43.2)
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9.5 (49.1)
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14.7 (58.5)
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19.7 (67.5)
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23.4 (74.1)
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27.4 (81.3)
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29.6 (85.3)
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26.2 (79.2)
|
20.6 (69.1)
|
14.6 (58.3)
|
8.8 (47.8)
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17.2 (63)
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日平均気温 °C (°F)
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3.0 (37.4)
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3.1 (37.6)
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5.9 (42.6)
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10.8 (51.4)
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15.8 (60.4)
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20.0 (68)
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24.2 (75.6)
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26.1 (79)
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22.5 (72.5)
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16.8 (62.2)
|
11.0 (51.8)
|
5.7 (42.3)
|
13.8 (56.8)
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平均最低気温 °C (°F)
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0.2 (32.4)
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0.0 (32)
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2.2 (36)
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6.9 (44.4)
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12.2 (54)
|
17.0 (62.6)
|
21.5 (70.7)
|
23.0 (73.4)
|
19.2 (66.6)
|
13.1 (55.6)
|
7.3 (45.1)
|
2.5 (36.5)
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10.4 (50.7)
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最低気温記録 °C (°F)
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−6.9 (19.6)
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−7.1 (19.2)
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−4.5 (23.9)
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−1.0 (30.2)
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3.6 (38.5)
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10.4 (50.7)
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13.8 (56.8)
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16.4 (61.5)
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10.8 (51.4)
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3.7 (38.7)
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−0.8 (30.6)
|
−4.6 (23.7)
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−7.1 (19.2)
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降水量 mm (inch)
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164.3 (6.469)
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118.7 (4.673)
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109.1 (4.295)
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104.6 (4.118)
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107.3 (4.224)
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138.9 (5.469)
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233.2 (9.181)
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142.7 (5.618)
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136.7 (5.382)
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139.2 (5.48)
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155.2 (6.11)
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210.0 (8.268)
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1,758.5 (69.232)
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平均降水日数 (≥1.0 mm)
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23.0
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平均月間日照時間
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52.9
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190.9
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216.5
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99.3
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56.9
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1,735.7
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出典1:Japan Meteorological Agency
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出典2:気象庁[15]
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動植物
暖流と寒流の接点にあるため、植生に極めて富んでおり、島内で寒地(北方)系・暖地(南方)系の両地方特有の植物が同居する、非常に珍しい植生地域である。また、暖流にのって現れるシイラ、カツオ、アオリイカ、寒流にのって現れるブリなどの多様な水産物にも恵まれている。
本州から隔離されて数十万年が経過した事により、サドノウサギやサドモグラやサドトガリネズミなどの固有種が見られる[16]。現在では絶滅したが、イノシシも本州の個体群から遺伝的に数十万年間分離した個体群が存在した[17]。ニホンイタチは、一度地域絶滅をした後に再度移入したとされる[18]。
歴史
佐渡島はもともと本州と地続きであったが、地殻変動や火山活動による地形の変化で約1,600万年前頃に本州から離れ、約200万年前頃には海底地盤の圧縮運動エネルギーにより地面が隆起し、大佐渡山地と小佐渡丘陵が国中平野をはさむ現在の形になったと考えられている。地震など地殻変動により、現在も隆起が継続している[19][20]。
『古事記』には「佐度島(さどのしま)」と記されている[21]。成務天皇朝に阿岐国造同祖の久志伊麻命が佐渡国造に任命されたことが『先代旧事本紀』「国造本紀」に見える。
大化の改新以後に律令国家の佐渡が成立した。8世紀以前に佐渡国が置かれた。
順徳天皇、日蓮、日野資朝、世阿弥などが配流された地でもある。
鎌倉時代以降は、本間氏が守護代として佐渡を支配していたが、1589年(天正17年)に上杉景勝の侵攻を受けて滅亡し、上杉氏の支配地となった。
関ヶ原の戦いの後、佐渡は徳川家の支配地となった。1601年(慶長6年)には佐渡金山が発見された。佐渡では、それ以前の戦国時代中期頃から、鶴子銀山等で銀が採掘されていたが、佐渡金山の金の産出量は群を抜いて多く、そのため、江戸幕府は、藩を置かずに佐渡を天領として、佐渡奉行所を相川に置き、幕府自ら直接統治を行った。明治維新では戦火を免れた。
明治以降は佐渡県、後に相川県が置かれたが、1876年(明治9年)、新潟県に編入された。
詳細は佐渡市#歴史、佐渡金山の項を参照。
文化
西廻り航路が開かれ、西日本や北陸の文化が伝わってきたこと、また配流者が伝えた文化も含めた貴族文化や武家文化、町人文化が一体となって、佐渡特有の文化を形成していったといわれる。
方言は佐渡弁と言われるもので、西日本方言の北陸方言に属している。
また、京都から流罪された文人・政治家などが都の文化を伝えた影響からかさまざまな伝統芸能が受け継がれている。有名なのは能である。江戸時代には200を超える能舞台があり、現在も32余りの能舞台が残っている。人口当たりの能舞台数は、江戸時代も現在も全国一となっている。これらの能舞台は、今も、春から秋にかけ薪能などイベントや祭りで利用されており、各地区の希望する子供達が大人から指導を受けて演じている。これは能の大成者である世阿弥が配流された影響であるといわれているが、実際に能文化が広まったのは江戸時代に入ってから、佐渡奉行に任ぜられた大久保長安によるものと考えられている[22]。古浄瑠璃、文弥人形、のろま人形、説教人形、獅子舞なども代々受け継がれ、現存している。
佐渡金山は最盛期には、国内一の金産出量を誇っていたが、江戸時代の終わりごろから衰退し1951年に商業採掘は終了したため、現在では金の採掘は行われていない。残された多くの史跡や博物館等の資料館で当時の様子をうかがい知ることができる。他に、順徳天皇や日蓮ゆかりの寺などの、歴史的な神社仏閣が保存されており、こうした様々な史跡めぐりをする観光客が毎年訪れている。佐渡島には「鬼太鼓」という神事芸能が300年伝わっている[23]。太鼓の音に合わせて鬼の面をつけて舞う。
佐渡の民家は黒く光る能登瓦と呼ばれる瓦を使用したものが見られる[24]。
食文化
| この節の 加筆が望まれています。 (2021年2月) |
新潟県本土の大半が鮭文化圏の性質を持つ一方で、佐渡は西日本の鰤文化圏の性質が強い[25]。両津湾は鰤の好漁場となっている[26]。
- 郷土料理
島内外の交通
佐渡市#交通の項を参照。
所属自治体
かつては、両津市、相川町、佐和田町、金井町、新穂村、畑野町、真野町、小木町、羽茂町、赤泊村の1市7町2村が存在していたが、2004年(平成16年)3月1日の合併により、現在は佐渡島一円で佐渡市を構成する。
観光
詳細は佐渡市#観光や佐渡ジオパークなどを参照。
出身関連著名人
出身著名人
ゆかりの人物
- 順徳天皇(天皇、1197年 - 1242年):承久の乱に参加し鎌倉幕府より配流される。この地で崩御。真野にて火葬、遺骨は京都に埋葬された。佐渡にて皇女慶子女王・忠子女王・皇子千歳宮の3名の皇子女を儲けたとされ、3名の皇子女の墓所もある。また京都で儲けた皇子彦成王が親鸞の弟子となって善空房信念と称し、のち佐渡を訪れ、勝興寺(殊勝誓願興行寺)を開いたという。彦成王の墓所もある。
- 日蓮(僧、1222年 - 1282年):日蓮系教団の開祖。鎌倉幕府により配流される。
- 世阿弥(申楽師、生没年不詳):室町幕府により配流される。
- 生天目仁美(声優、1976年 - ):神奈川県出身となっているが、出生地はここである。
舞台にした作品
テレビドラマ
映画
小説
漫画
歌
アニメ
ゲーム
事件
脚注
注釈
- ^ 第二次世界大戦後、占領軍であったGHQに属していた米国空軍が、当時のソ連への警戒から、金北山(きんぽくさん・標高1,172m)山頂にレーダーサイトを建設しその管轄下にあったが、1960年(昭和35年)5月、施設は、米国空軍から航空自衛隊に移管された。2010年(平成22年)より、その金北山の西隣の妙見山(みょうけんさん・標高1,042m)山頂に建設された新型レーダーサイト(ガメラレーダー、他)が稼動し、前者は、半世紀以上に渡るその役割を終えた。なお、この施設は航空自衛隊佐渡分屯基地の管轄下にあり、その庁舎は、金北山の南に位置する両尾山(むろおやま・標高510m)山頂近くにある。(参考:航空自衛隊 佐渡分屯基地)
- ^ 小佐渡丘陵ともいう。
出典
関連項目
外部リンク
- 行政
- 観光
- 交通
- 地図
- その他