佐藤 紘光(さとう ひろみつ、1943年(昭和18年)1月[1] - )は、日本の会計学者。早稲田大学名誉教授。公認会計士試験委員、放送大学客員教授を歴任し、現在、日本管理会計学会常務理事、早稲田大学「会計研究所」所長[2]。
専門は、管理会計・原価計算・業績管理会計・会計理論。「会計学(accounting)」と「経営学(management)」が交差する「管理会計」領域の研究者でもあり、特に企業経営における意思決定、企業のインセンティブ・システム、株主価値についての研究を行う。
略歴
1943年1月、愛知県に生まれる[1]。1967年3月早稲田大学第一商学部を卒業[1]、1969年3月早稲田大学大学院商学研究科修士課程修了[1]、1972年3月早稲田大学大学院商学研究科博士課程満期退学[1][注釈 1]。
1972年4月から早稲田大学社会科学部助手[1]、1974年4月から同学部専任講師[1]、1976年4月から同学部助教授となる[1]。1976年9月から1977年9月まで社会科学部学生担当教務副主任[1]、1977年9月から1978年9月まで同学部学生担当教務主任[1]、1978年6月から1982年5月まで早稲田大学商議員を務める[1]。1981年4月から社会科学部教授となる[1]。同年から1983年3月までブリティッシュコロンビア大学の客員研究員[1]。1984年9月から1986年9月まで社会科学部教務担当教務主任[1]、1986年6月から1997年11月まで早稲田大学商議員[1]、1988年9月から1990年9月まで社会科学部学部長となる[1]。
1991年7月から2002年3月まで日本管理会計学会常務理事[1]、1992年12月から1994年3月まで大学院社会科学研究科開設準備委員会副委員長[1]、1994年4月から1996年9月まで大学院社会科学研究科教務委員[1]、2002年4月から2010年3月まで放送大学客員教授[1]、2002年4月から2008年3月まで日本管理会計学会理事[1]、2003年4月から2005年まで公認会計士試験第2次試験試験委員[1][3]、2008年4月から2011年3月まで日本管理会計学会常務理事など[1][4]、多くの役職を歴任した。
2013年3月、早稲田大学を定年退職[1]。
受賞歴
- 2000年9月、「日本管理会計学会 学会賞(論文賞)」受賞[1]。
- 2012年8月、「日本管理会計学会 学会賞(特別賞)」を受賞[1][5]。
著作
著書
単著
共著
翻訳
論文
- 「予算統制システム理論の研究――Budgetee行動との接合を求めて」『早稲田社会科学研究』第12号、早稲田大学社会科学部学会、1973年3月、31-56頁、NAID 120000792764。
- 「企業予算編成の行動過程とその数理的解析――Generalized Goal Decomposifion Mobelの適用」『早稲田社会科学研究』第13号、早稲田大学社会科学部学会、1974年2月、81-114頁、NAID 120000792775。
- 「事後最適システムと企業の環境適応能力――Demskiの所論を中心として」『早稲田社会科学研究』第14号、早稲田大学社会科学部学会、1975年2月、21-43頁、NAID 120000792781。
- 「不確実性下の資本予算モデル――Chance-constrained Programmingの適用」『早稲田社会科学研究』第15号、早稲田大学社会科学部学会、1976年2月、33-56頁、NAID 120000792788。
- 「Stedry企業予算モデルの分析と批判」『早稲田社会科学研究』第16号、早稲田大学社会科学部学会、1977年2月、23-43頁、NAID 120000792796。
- 「多重目標下の意思決定過程の分析(Ⅰ)――多目標線型計画法の適用――」『早稲田社会科学研究』第18号、早稲田大学社会科学部学会、1978年12月、35-65頁、NAID 120000792809。
- 「多重目標下の意思決定過程の分析(Ⅱ)――意思決定者との応答過程――」『早稲田社会科学研究』第19号、早稲田大学社会科学部学会、1979年10月、29-52頁、NAID 120000792817。
- 「多重目標下の意思決定過程の分析(Ⅲ)――分権的多目標予算モデル――」『早稲田社会科学研究』第21号、早稲田大学社会科学部学会、1980年11月、31-56頁、NAID 120000792829。
- 「管理会計情報の有用性(一)――エイジェンシー・モデルによる検証――」『早稲田社会科学研究』第27号、早稲田大学社会科学部学会、1983年7月、1-27頁、NAID 120000792866。
- 「管理会計情報の有用性(二)――エイジェンシー・モデルによる検証――」『早稲田社会科学研究』第28号、早稲田大学社会科学部学会、1984年3月、19-61頁、NAID 120000792873。
- 「管理会計情報の有用性(三)――エイジェンシー・モデルによる検証――」『早稲田社会科学研究』第29号、早稲田大学社会科学部学会、1984年9月、1-35頁、NAID 120000792881。
- 「管理会計情報の有用性(四)――エイジェンシー・モデルによる検証――」『早稲田社会科学研究』第30号、早稲田大学社会科学部学会、1985年3月、17-52頁、NAID 120000792886。
- 「管理会計情報の有用性(五)――エイジェンシー・モデルによる検証――」『早稲田社会科学研究』第31号、早稲田大学社会科学部学会、1985年10月、27-52頁、NAID 120000792892。
- 「管理会計情報の有用性(六)――エイジェンシー・モデルによる検証――」『早稲田社会科学研究』第32号、早稲田大学社会科学部学会、1986年3月、45-67頁、NAID 120000792897。
- 「管理会計情報の有用性(七)――エイジェンシー・モデルによる検証――」『早稲田社会科学研究』第33号、早稲田大学社会科学部学会、1986年10月、41-63頁、NAID 120000792904。
- 「管理会計情報の有用性(八)――エイジェンシー・モデルによる検証――」『早稲田社会科学研究』第34号、早稲田大学社会科学部学会、1987年3月、21-44頁、NAID 120000792913。
- 「情報非対称とインセンティブ契約――モラル・ハザード付きモデルの分析――」『早稲田社会科学研究』第44号、早稲田大学社会科学部学会、1992年3月、25-50頁、NAID 120000792989。
- 「マルチタスクの業績評価システム」『早稲田社会科学研究』第48号、早稲田大学社会科学部学会、1994年3月、1-25頁、NAID 120000793028。
- 佐藤紘光、齋藤正章「情報非対称と情報伝達の価値」『管理会計学』第3巻第2号、日本管理会計学会、1995年3月、61-79頁、NAID 110007629384。
- 「企業の投資行動と業績評価」『管理会計学』第8巻第1・2号、日本管理会計学会、2000年3月、17-31頁、NAID 110007629426。
脚注
注釈
- ^ 在学中に公認会計士第2次試験に合格する[3]。
出典
参考文献