数学において、体(たい)とは、四則演算が(零で割ることを除いて)自由に行える代数系のことである。体の定義においては、積が可換か非可換かに必ずしも注視しないが、積が可換かそうでないかで目的意識や手法は大きく異なる。前者については可換体の項を、後者については斜体の項を参照されたい。
定義をきちんと述べれば、
あるいは
となる。
この代数的構造はリヒャルト・デーデキントとレオポルト・クロネッカーにより独立に(また極めて異なる方法で)導入されたが、ドイツ語で体を意味する Körper は、実数または複素数からなる集合で四則演算に関して閉じているものを当初は指していた。体をしばしば文字 K で表すのはこのドイツ語名による。体という言葉は「ある種の完全性、充足性、自己完結性を備えたシステム、つまりは自然に統合されている有機的な全体」を表すものとして選ばれた[1]。
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