八丁畷駅
八丁畷駅(はっちょうなわてえき)は、神奈川県川崎市川崎区池田一丁目にある、京浜急行電鉄(京急)・東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅。両社の共同使用駅で、京急の管轄駅である。 乗り入れ路線旅客駅には京浜急行電鉄の本線とJR東日本の南武線(浜川崎支線、旅客案内では「南武支線」)が乗り入れ、両線の接続駅となっている。京急には「KK27」、JRには「JN 51」の駅番号が与えられている。 当駅は川崎市内にあるが、JR東日本の駅は特定都区市内制度における「横浜市内」の駅として扱われる。 このほか、当駅と鶴見駅を結ぶJR東日本東海道本線の支線があり、書類上では当駅が同支線と南武線との分岐点となっている。この東海道本線支線は貨物列車専用であり、南武線浜川崎駅方面と合わせて東海道貨物線を構成しているが、南武線尻手駅方面へ通じる線路と貨物線の線路は、物理的には当駅より1つ浜川崎方の川崎新町駅構内で合流しており、当駅には貨物施設は存在しない。 歴史
当駅の開業日には諸説があり、「京浜急行百年史」では1915年、広報誌「なぎさ」では1916年12月25日、「横浜貿易新報」では1917年1月14日と記載されている。当記事では開業日を歴史の項目では「京急百年史」を、駅情報の図表では「なぎさ」を参照している。 駅構造京急本線は相対式ホーム2面2線を有する地上駅。そのホームの上を浜川崎支線が高架で越しており、南武線は単式ホーム1面1線を設けている。かつて京急は構内踏切があったが、1974年(昭和49年)10月に廃止し、南武線ホーム部を跨線橋として共同使用している。そのため京急と南武線との間に中間改札はなく、簡易ICカード改札機のみが設置されている。 駅舎は京急1番線の品川寄りに1989年完成の中央口、踏切を挟んで反対側の2番線側に小規模な西口があり、ともに自動改札機を設置している。JR東日本は駅業務を京急に委託しており、自動改札機はJRの乗車券やICカードに対応している(ただしマルス発券の乗車券は使用できず、有人改札での処理となる)。また、JR線用の自動券売機はJR東日本のタッチパネル型で、オレンジカードやPASMOを含む各種ICカードには対応しておらず、購入は現金のみ、かつ購入可能範囲も片道570円の区間までに限られている。なおSuicaでのチャージ(入金)は2007年(平成19年)3月18日のPASMOとの相互利用開始により、京急の自動券売機で対応するようになった。当駅は京急管理駅だが、JR南武線を利用する場合に限り、Suicaとの相互利用をしているPASMO以外のカードも利用可能であった。ただし、券売機や入金機でのチャージやきっぷの購入はPASMOおよびSuicaに限られていた。2013年3月23日以降は交通系ICカード全国相互利用サービスの開始により、PASMOと相互利用が可能なすべての交通系ICカードについて京急の自動券売機・入金機でのチャージが可能になった。 南武線ホーム尻手寄りから東海道貨物線が鶴見方面より伸びており、当駅より上り方へ向けて並走している。朝方を中心に貨物列車が走行する光景が見られる。 京急・JRとの正式な連絡駅で、京急線と南武線沿線間の乗り換えに関しては、京急川崎駅・川崎駅よりも歩く距離が短くて済むという利点がある。しかし、南武線の運行本数が少ない上、京急も普通しか停まらないなど不便な点も多い。 ICカード導入に伴う対応2002年12月10日に、JR東日本の駅としてSuicaが導入され、当時の展開エリアでは最後の導入となった。これにより、南武線についてはSuica対応となった。 2007年3月18日の京急でのPASMO導入に伴い、南武線のホームの階段近くに京急・JR連絡用の簡易ICカード改札機(南武線ホームの画像にある黄色や青色の機械)が設置された。簡易改札機ではJR・京急間の出場・入場を同時に処理するため、同日より京急線の磁気定期券とJRのSuica定期券の2枚を使っての当駅での改札内での乗り換えには非対応となった。改札内で乗り換える場合は1枚の定期券にまとめる必要がある。また、PASMOなどを使って当駅で乗り換える際、簡易ICカード改札機にカードをタッチしないと、当駅経由とみなされず異なる経路で計算され、定期券の場合も含めて実際の運賃とは異なった運賃が差し引かれる。 さらに、旅客が当駅からSuicaなどで南武線を利用する場合、京急の八丁畷駅改札から入場するため、改札口にタッチした後に、さらに黄色の簡易ICカード改札機にもタッチする必要がある。逆に南武線から下車する場合は、青色の簡易ICカード改札機に読ませた後、駅改札機に読ませる形になる。タッチしないと実際の経路と異なる運賃を差し引かれるため、タッチを忘れた場合は駅係員に申し出る必要がある。ICカード上では京急の八丁畷駅から入場、出場をしてJRの八丁畷駅に入場する処理がされる。南武線の車内放送(ワンマン運転のため自動放送)でも同様の案内がICカードの利用者に向けて行われる。 また、乗り換える際に残額が不足した場合は、チャージ(入金)してからタッチする必要があるため、南武線のホーム上にも京急管轄のチャージ機が存在する。 のりば
(出典:JR東日本:駅構内図)
利用状況
2002年度(平成14年度)以降の1日平均乗降人員は下記の通り(JRを除く)。
1995年度(平成7年度)以降の1日平均乗車人員は下記の通り。
駅周辺
2018年3月15日まで、当駅正面踏切前の交差点には川崎鶴見臨港バスの交通誘導員が朝ラッシュ時前から夕方ラッシュ時が終わるまでの間2人配置され、詰所も設置されていた。これは踏切前の交差点に信号がなく、駅中央口の前を臨港バスの大型路線バスが右左折する際に踏切前の道路を大きくふさいでしまうことと、交差点ぎりぎりに建物が建っておりバスの右左折時には反対側を見通すことができず衝突事故を起こす可能性が高いことが理由である。その後駅前の再開発に伴う建物の解体と道路の付け替えが行われ、誘導員の配置は廃止されて詰所も撤去された。 またこの踏切では、過去に何度も人身事故や自動車等の立ち往生などが発生している。
駅前の小川町通り(旧東海道)を川崎警察署方向へ約200 mの位置のポケットパークに、松尾芭蕉が1694年 最後に江戸の深川を発って伊賀国に帰郷した際に川崎宿まで見送りに来た門弟らとの惜別を「麦の穂にたよりをつかむ別れかな」と詠んだ句を碑が建てられている。 バス路線「八丁畷」停留所にて、川崎鶴見臨港バスが運行する以下の路線が発着する。 川崎アプローチ線計画2003年3月4日付日本経済新聞の記事によると、2010年までに「川崎アプローチ線」を建設する計画があった。完成した場合、当駅付近に「新八丁畷駅」を設置し、南武線の駅は廃止される案があったが、完成予定時期を過ぎた2011年になっても、この計画については未だ進展が見られない。 作品での登場小津安二郎が監督した映画『お早よう』では、佐田啓二と久我美子が立ち話をするシーンで、当駅の南武支線ホームが使用された。 隣の駅脚注記事本文注釈
出典
利用状況
関連項目外部リンク
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