連合国の失われた大義(れんごうこくのうしなわれたたいぎ、英:Lost Cause of the Confederacy)、または単に失われた大義(The Lost Cause)とは、アメリカの偽史的[1][2]、否認主義的なイデオロギーであり、アメリカ南北戦争中の連合国の大義は正義と英雄的なものであったと主張するものである。このイデオロギーは、戦争前の南部の美徳を支持し、戦争を主に南部の生活様式を保存するための戦い[3]、または圧倒的な "北部の侵略"に直面して "州の権限"を守るための戦いと見なしている。同時に、「失われた大義」は、戦争への進展と勃発における奴隷制の中心的な役割を最小限に抑えるか、あるいは完全に否定している。
現在ジェイムズ・ロナルド・ケネディやその双子の兄弟ウォルター・ドナルド・ケネディ(南部同盟(League of the South)の設立者、『南部は正しい』や『ジェファーソン・デイビスは正しい』の著者)のような失われた大義の歴史作家がおり、南部の民族自決主義の側に立って奴隷制を軽視している。ケネディ達は戦争中に北部が行った「テロリストの手段」と「凶悪な犯罪」を表現し、「文化虐殺に関するヤンキーの動き」と題する章では、アメリカ合衆国政府自体の公式記録から、主要な動因は南部国民を罰し根絶する権限にある者達の望みであり、多くの場合には南部人民の根絶だったことを示すと述べている[24]。
^Gallagher and Nolan p. 16. Nolan writes,「党派闘争の中でアフリカ系アメリカ人の中心的役割があるとして、南部の合理化がこれら人々の人格形成まで及んだとして何も驚くべきことではない。伝説では黒人奴隷に2つの顕著な概念が存在している。1つは「誠実な奴隷」であり、もう1つはウィリアム・ギャレット・ピストンの言う「幸福で黒い固定観念」である。」
^Blight p. 283-284. Blight wrote:失われた大義という声を組み合わせることから再結合されたアメリカが純粋で潔白に立ち上がり、過去の深い対立がこの世のものではない力でその上に出しゃばってきたと確信させた。敗北した側は特にその大義が真実で良いものと確信した。和解主義者の失われた大義が国民の文化に深く浸透させた概念の1つは、アメリカ人が敗北したとしても彼等は勝つということである。マーガレット・ミッチェルが『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラという登場人物に注ぎ込んだものはそのようなメッセージ、不屈の精神である。
^Blight p. 111. Blightはディクソンとグリフィスが『國民の創生』で協業したと注釈し、次のように書いた。「南北戦争は黒人達がまさに存在することによって引き起こされたのであり、レコンストラクションの間の北部急進派は解放が人種としての黒人を野蛮な状態に導くことを理解できなかったというディクソンの悪意有る考え方が、南部における英雄的自警主義が立ち上がるという話をきちんと形作った。クランズマンすなわち白人男性は、黒人による性的暴力から南部白人女性を救うために渋々ながら法律を自分達の掌中のものにする必要があった。ディクソンの考え方は多くの者達の思考を捉え、南部および和解した国民が如何に戦争には負けてレコンストラクションには勝ったかについて集団としての記憶を形作る話を造り上げた。クランは覆面をした騎兵として馬に乗り、政府の腐敗を止め、「黒人支配」の無政府状態を防ぎ、取り分け白人至上主義を救った。」
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