友知(ともしり)は、日本海軍の未成海防艦。法令上は御蔵型海防艦の19番艦[注釈 4]。友知は、日立造船桜島造船所が手がけた最後の海防艦となった[注釈 5]。
艦歴
改⑤計画の海防艦、第5251号艦型の16番艦[注釈 6]、仮称艦名第5266号艦として計画されたが、日立造船に建造が割り当てられた本艦は、用兵側から要望のあった掃海具を装備した通称「日振型」として建造されることとなった。なお、改⑤計画により日立造船で建造された久米以下6隻はマル急計画艦とは異なり、全艦が掃海具を装備せずに九四式爆雷投射機と三型爆雷装填台を1基ずつ増備して竣工している。
1945年3月5日、日立造船株式会社桜島造船所で起工。同日付で友知と命名されて御蔵型海防艦の16番艦に定められ[注釈 4]、本籍を呉鎮守府と仮定。
終戦時未成。工程25%で工事中止[注釈 2]。1947年2月1日、大阪地方復員局所管の行動不能艦艇(特)に定められる。1947年10月23日、日立造船桜島造船所で解体終了。
脚注
- 注釈
- ^ これは第5251号艦型としての価格であり、掃海具装備艦としての価格ではない。
- ^ a b 進捗率は大阪警備府と近畿海軍監督部が昭和20年8月31日付で調製した各目録による。昭和22年2月1日付 二復総第49号、福井『写真 日本海軍全艦艇史』および世界の艦船『日本海軍護衛艦艇史』では20%としている。
- ^ 砲熕兵装と水雷兵装は通称「日振型」の、改⑤計画上の第1艦久米の竣工時の装備状況に従い記述する。
- ^ a b 艦艇類別等級別表上の通算番数。友知が艦艇類別等級に登載された1945年3月5日時点で淡路、日振、草垣の3隻が同表から削除済みのため、法令を厳密に捉えるなら16番艦だが、これら3隻を含めると通算で19番艦となる。
- ^ 日立造船で建造が予定されていた予定艦名七発、鹿久居など11隻は、起工前に建造中止となった。(『日立造船百年史』、p. 215。)
- ^ 改⑤計画上の番数。
- 脚注
参考文献
- 海軍省、復員庁
- 法令、令達
- 昭和18年10月30日付 内令第2241号。
- 昭和19年7月10日付 内令第833号。
- 昭和19年10月10日付 内令第1159号。
- 昭和20年3月5日付 達第46号、内令第197号、内令第205号、内令員第454号。
- 通牒、その他
- 昭和20年8月31日付 大阪警備府『大阪警備府管下艦艇(未成艦ヲ含ム)目録』。
- 昭和20年8月31日付 大阪警備府『大阪警備府管下艦艇船体兵器機関艤装品目録』。
- 昭和20年8月31日付 近畿海軍監督部『大阪方面所在艤装艦艇船体兵器機関艤装品目録』。
- 昭和22年2月1日付 二復総第49号『行動不能艦艇保管實施要領ノ件通牒』。
- 世界の艦船 No. 507 増刊第45集 『日本海軍護衛艦艇史』、海人社、1996年。
- 『日立造船百年史』 日立造船株式会社、1985年。
- 福井静夫 『写真 日本海軍全艦艇史』、ベストセラーズ、1994年。ISBN 4-584-17054-1
- 防衛研修所戦史室 『戦史叢書』 第88巻 『海軍軍戦備(2) -開戦以後-』、朝雲新聞社、1975年。
- 明治百年史叢書 第207巻 『昭和造船史 第1巻(戦前・戦時編)』、原書房、1977年。