『大傑作撰』(だいけっさくせん)は、森山直太朗2作目のベスト・アルバム。
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2016年9月21日発売。発売元はユニバーサルミュージック。
概要
森山にとって『傑作撰 2001〜2005』以来11年3か月振りとなるベスト・アルバム。2002年のデビューから15周年を迎える森山の集大成といえる。
前作と同じく、初回限定盤が2つのディスクで構成されており、特典DVDを同梱。
初回限定盤はシングル曲などが中心のメインディスクの花盤、コアなファンに人気の楽曲が収録されるボーナスディスクの土盤のCD2枚
[3]。(通常盤は花盤のみ)
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1枚目のミニアルバム『直太朗』、3枚目のミニアルバム『いくつもの川を越えて生まれた言葉たち』を除く、全てのアルバムから選曲・収録。
本作のリリースにあたり、一部楽曲がリミックスや新録音で収録されている。
アルバムのブックレットの後半部分には様々な歌手やミュージシャン、俳優、テレビ局のディレクターらによる寄稿文が記載されている。また、森山と共同制作者の御徒町凧による対談も記載されており、アルバムの制作背景や収録曲の解説がなされている。
選曲の方針
公式Webサイトの作品紹介によると花盤は「直太朗の活動を花々しく支えてきた名曲」、土盤は「直太朗の土台として支えてきてくれた名曲」を収録したと紹介されているが[1]、前述の対談の中では前者が「わりと間口の広い手に取りやすいベストアルバム」としての選曲であり、後者は「森山の15年間の活動の中で(森山自身の)意地を出せた」楽曲を選定しているとも語られている
[注 1]。
収録曲の選定や曲順を決定するまでには紆余曲折あり、当初は形態に関係なく2枚組でリリースし、それぞれのCDを「イースト盤、ウエスト盤」と名づけ、大相撲の取り組みを意識した曲順
[注 2]
での収録が予定されていた。
しかしレコード会社の担当からは、ただ単に多くの収録曲を入れてボリューミーな構成にするだけで聴き手が作品を購入するような時代ではないという旨の助言があり
[注 3]
、それを踏まえたうえで通常盤はCD1枚、初回盤はCD2枚に加え特典DVDが付属する形態でリリースされる運びとなった。これについては森山が自身の活動について「メインストリームのようで全然メインストリームで語り切れないような活動をしているのを自負している」とし、1枚でまとめることに違和感が否めなかったためであると述べている。
上記の方針が固まった後、ディスクのネーミングは御徒町により「肉盤、米盤」と改められたが
[注 4]
、御徒町の抱くイメージや意図が森山と共有できずに混乱を招いたため「花盤、土盤」に再度改められた
[注 5]。
曲順については「土盤」はリリースした時系列順に並んでいるが、「花盤」は「土盤」のそれと対照的にリリース順とは関係のない並びになっており、アルバムを1つのライブの演目として捉えた時にライブとしての臨場感を感じられることを意識した曲順[5]となっている。
これは製作段階において「花盤」も時系列に沿った順序で並べたところ、アルバムの前半の印象が非常に重たいものであったことを受けて再構成した結果である
[注 6]。
収録曲
CD 花盤
- 夏の終わり
- 生きてることが辛いなら
- どこもかしこも駐車場
- 花
- 若者たち
- 風花
- 9thシングル表題曲、2016 Mix(歌詞部分に※2016 Mixと記載)。
- 愛し君へ
- フォークは僕に優しく語りかけてくる友達
- 嗚呼
- 小さな恋の夕間暮れ
- 日々
- さくら (独唱)
- 太陽
- 4thシングル表題曲、2016 Mix(歌詞部分に※2016 Mixと記載)。
- 1stアルバム「新たなる香辛料を求めて」及び1stベストアルバム「傑作撰 2001〜2005」収録ヴァージョンと異なる。
- 生きとし生ける物へ
- 5thシングル表題曲。ドラマ「愛し君へ」主題歌。1stアルバムには別ヴァージョンを収録。
- 虹(2016 ver.)
- 2ndアルバム「風待ち交差点」収録ヴァージョンと異なる、2016年ヴァージョンで収録。
CD 土盤 (初回限定盤のみ)
- レスター
- ミニアルバム「乾いた唄は魚の餌にちょうどいい」収録曲。
- さなぎの時代
- 今が人生~飛翔編~
- 君は五番目の季節
- 10thシングル表題曲。2016 New Vocal Recording。「めくるめく」を「めくりめく」と間違っていた事にリリース後に気づきこの機会にコーラス含めて録り直したと解説されている。
- シルビア
- 坂の途中の病院
- 夕暮れの代弁者
- 僕らは死んでゆくのだけれど
- 優しさ
- うんこ
- よく虫が死んでいる
- コンビニの趙さん
- 魂、それはあいつからの贈り物
- 12月(2016 ver.)
- 2005年配信限定発表楽曲の2016年ヴァージョン。
DVD 『Studio Session 2016 ~直太朗的録音箱集友楽~』(初回限定盤のみ)
- 夏の終わり
- ラクダのラッパ
- どうしてそのシャツ選んだの
- 明けない夜はないってことを明けない夜に考えていた
- 涙
- どこもかしこも駐車場
- 未来 ~風の強い午後に生まれたソネット~
- 声
- Interview「森山直太朗ってなんだろう」~15年をめぐる、あるひとつの考察~
脚注
注釈
- ^ また他の音楽サイトのインタビュー
[5]
では花盤を「ヒットした曲プラス、アルバムのリード曲やシングルとして発売していた曲、その季節季節の顔となる曲を選曲しました」とコメントしており、土盤を「花盤とは真逆ですよね。逆に誰も知らないだろう、誰が知っているんだろうこの曲っていう。(中略)割と自分のアイデンティティが詰まった曲が選曲されましたね」とも発言している。
- ^ 一例として、1曲目はウエスト盤が「さくら」イースト盤が「夏の終わり」、2曲目はウエスト盤が「うんこ」イースト盤が「どこもかしこも駐車場」のような感覚であったと対談内で御徒町から語られている。なお森山からもイースト盤、ウエスト盤を想定した曲順について「横綱同士の対決、前頭の何枚目みたいな感じ」と言及している。
- ^ 「(オールタイムベストはラーメンの全部乗せのようなものが良いと思っていたが)全部乗せを食べてもらうための入り口も工夫しなきゃいけない時代なんだって。2枚組で「ボリューミー♡」って喜んで買ってくれる時代じゃないんだってね」と対談内で触れている。
- ^ 「肉盤、米盤」のネーミングについては、御徒町が食事から着想を得たものである。米は食事の中でも大々的にフィーチャーされることはないが、大切なベースとなるものであるという認識を御徒町は抱いているが、食事についての話題では派手なおかずのことばかりが話題に上り、レストランのメニューでもおかずを中心に記載されていると感じたことから、「華やかなもの=肉、それを支える大切なもの=米」というイメージからの発案であった。
- ^ 1枚目を「肉盤」2枚目を「米盤」としていたが、打ち合わせのうちに1枚目を「米盤」と誤って呼んでしまうこともしばしば起きた。「花盤、土盤」のネーミングは、華やかさとそれを支えるものという観点であれば、肉と米よりも花と土の方がわかりやすいことから、最終的にに決定した。
- ^ 「活動初期から中期にかけての表現が、すごく神経質で筋肉質になっていて、並べたときに前半が非常に重たかったんです。いきなりTボーンステーキがでてくるような[5]」と発言している。
出典
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シングル |
オリジナル | |
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配信 |
1.12月 - 2.五線譜を飛行機にして - 3.みんなおんなじ - 4.罪の味 - 5.糧 - 6.人間の森 - 7.さくら(二〇一九) - 8.ありがとうはこっちの言葉 - 9.最悪な春 - 10.すぐそこにNEW DAYS - 11.落日 -12.遠くへ行きたい - 13.カク云ウボクモ
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アルバム |
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MV集 | |
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関連人物 | |
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関連項目 | |
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