大山観光電鉄大山鋼索線
大山鋼索線(おおやまこうさくせん)は、神奈川県伊勢原市の大山ケーブル駅から阿夫利神社駅に至る大山観光電鉄のケーブルカーである。大山ケーブルカーと呼ばれている。 概要丹沢山地の南東にある大山を登るケーブルカーで、山上にある大山阿夫利神社(おおやまあふりじんじゃ)への参詣のほか、大山・ヤビツ峠方面へのハイキングなどに利用されている。 小田急電鉄が発売する「丹沢・大山フリーパス」は、Aキップに限り当路線が対象に含まれる(Bキップでは適用外・別料金)。また、乗車券購入時にはPASMOなど交通系ICカード全国相互利用サービス対応ICカード9種類を利用可能(物販扱いのためPiTaPaは利用不可)。 路線データ歴史江戸時代から庶民の信仰を集めた「大山講」で賑わいを見せた大山阿夫利神社への参詣の便を図るために建設された。1931年に開業し、1944年まで大山鋼索鉄道として営業していたが、戦後1965年になってこれを大山観光電鉄の運営で復活した。戦時中不要不急路線として休止ないし廃止されたケーブルカーの中ではもっとも遅く復活開業した路線である[7]。
運行形態9時台 - 16時台(土休日は17時台)にかけて20分間隔で運行。多客期は増発や営業時間の延長が行われる。大山ケーブル - 阿夫利神社間の所要時間は6分。 車両2015年(平成27年)まで約50年間使用された車両は「たんざわ」号、「おおやま」号の2両であった[3][17][18][13]。2005年(平成17年)10月に最終の車両塗装デザイン変更と改装を行った[1][13]。老朽化に伴う設備交換で2015年5月17日をもって運行を終了した[3][17][13]。「たんざわ」号の車体は千葉県いすみ市の「ポッポの丘」で保存展示されている[21]。 2015年10月1日に新造車両が運行を開始した[19]。デザインは小田急ロマンスカーVSE・MSEや、箱根登山鉄道(現:小田急箱根)のアレグラ号のデザインを手がけた岡部憲明アーキテクチャーネットワークが担当[20]。製造は小田急エンジニアリング、川崎重工業、大阪車輌工業が担当した[20]。車体色はブリリアント・グリーンを基本とし、1号車はゴールド、2号車はシルバーの固有色が前面と側面に配されている[20]。「大山の特色ある眺望・景観を取り込んだ展望車両」というコンセプトで、山下側に展望席が設けられ、前面から屋根まで連なる大型曲面ガラスが採用されている[20]。また車内照明や放送装置の電源用にリチウムイオン電池を搭載。剛体架線でリチウムイオン電池を充電する駅構内以外は、眺望を阻害していた架線を撤去した[20]。 駅一覧
大山ケーブル駅頭端式ホーム2面1線の地上駅。標高400 m[1]。2008年9月30日まで追分駅(おいわけえき)と称していた。当駅から山麓方面を結ぶ大山登山鉄道が接続する計画が存在したが、1961年に免許申請が取り下げられた。
大山寺駅大山寺の最寄り駅で、相対式ホーム2面2線の地上駅。標高512 m[1]。1番ホームと2番ホームは跨線橋で連絡している。 ケーブルカーの行き違い箇所に駅が設けられており、日本に現存する鋼索線では唯一の例である。列車により発着番線が異なり、線路にケーブルがある方に阿夫利神社行が、ケーブルがない方に大山ケーブル行が発着する(1号車は大山寺側の1番ホーム、2号車は跨線橋を介する2番ホームに必ず発着する)。 2008年9月30日まで不動前駅(ふどうまええき)と称していた。
阿夫利神社駅大山阿夫利神社(下社)の最寄り駅で、単式ホーム1面1線の地上駅。標高678 m[1]。2008年9月30日まで下社駅(しもしゃえき)と称していた。かつては当駅から大山の山頂までの延伸計画が存在したが、1937年に免許取消となった[8][11]。
接続路線
脚注
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