奉納奉納(ほうのう)とは、神仏や精霊などに対して供物を捧げる宗教的な行為。 日本解説奉納は、氏子や檀家が神仏を敬い、また鎮め愉しませる目的のため、人々にとって「価値のあるもの」を供物として神仏(お墓なども含む)に捧げる宗教的な行為のことをいう。 奉納に用いられる対象は、必ずしも食物や酒、金銭や宝物などといった「物質」を納めることにかぎらず、一般的にはむしろ神楽や謡曲、踊りや武芸、山車または神輿などの練りや巡行といった「行為」で捧げることも多い。 また古来においては、「生贄」や「人柱」などといった風習も残酷ではあるが、これもまた奉納のひとつの姿であるといえる。 主な奉納の例としては、鳥居、灯籠、絵馬や算額や護摩木、水晶、御神酒などの他に、歌手や音楽家などが歌や楽曲演奏を実演し、神仏に捧げる例も見られる。 ギャラリー食料→詳細は「燔祭」を参照
旧約聖書『創世記』にて人類の祖先とされるアダムとイブの子、兄である農家のカインが農作物を、弟である羊飼いアベルが子羊の肉を捧げている。同じく、子孫のノアも洪水を生き延びた後に贄を焼く儀式を行っている[1]。 古代ギリシャでも、神の神殿には牛などの動物の生贄や戦争で奪った武具を燃やす祭壇があり、燔祭(ホロコースト)が行われていた。神に液体を捧げる事をライベイション(英語:Libation 日本語:奉献酒・献酒・献油)と呼び、酒やオリーブオイル、乳、蜂蜜を神前に捧げたり、大地にまくなどして奉納した[2]。 キリスト教では、オブレーション(英語:Oblation)と呼ばれ、パン(オブレート)とワインが捧げられる。このオブレートは、キリストの体、聖体を意味するほか、信仰に自らを捧げる信徒もオブレート (人)と呼ばれる。 日本で神棚や神前へ毎日奉納される食べ物は、日供(にっく)、御日供(おにっく)と呼ばれる。新嘗祭では神と人が同じものを食べる儀式(神人共食)を行い神との友好を示そうとした[3]。 南米では、酒を飲む前に大地にこぼし、豊穣の女神パチャママに捧げる文化がある。 物娯楽
ミラグロミラグロ(スペイン語で奇跡)あるいはエクスヴォート(en)(奉納品)とは、古代ギリシャ・ケルト・イベリアなどにみられた病気平癒のための願掛けの習わしである[6]。精霊に対して奇跡が起きた時の御礼が何かを明確にして祠に願掛けを行い、支援や祝福を受けたときには精霊にその御礼(奉納)を行う[6]。現代でもラテンアメリカではよくみられる[6][7]。
脚注
関連項目外部リンク |