日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎
日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎(にってつこうはんエスジーエルスタジアムあまがさき)は、阪神タイガース 2軍(プロ野球2軍のウエスタン・リーグ加盟)が2025年シーズンから二軍の専用球場(本拠地)として使用する野球場。兵庫県尼崎市の「ゼロカーボンベースボールパーク」(旧小田南公園)内にあり、同年2月の開場を予定している。略称はSGL。 概要建設に至るまでの経緯や、球場の周囲に併設される二軍施設については「ゼロカーボンベースボールパーク」で詳述。 旧・小田南公園(1983年開園)が日本で初めての「防災公園」であった一方で、公園一帯が左門殿川に近いことから、「津波による浸水対策」として地盤を平均で40センチメートル嵩上げした後に建設。阪神電鉄は、球場や二軍施設を完成後に尼崎市へ寄附することや、土地の使用料を同市へ支払うことを条件に(寄附施設を含めた)園内での40年にわたる営業権を同市から与えられている[1][2]。 熊谷組による野球場建設は同社によると2か所目[注 1]でプロ野球に関する球場・二軍付帯施設としては初建設となったため、より詳細なイメージやプロ野球の育成施設として専門的な設備などを調査するために、二軍施設や甲子園球場・付帯施設を予め見学した[3]。 この球場は阪神甲子園球場(阪神タイガースの一軍本拠地)と同様の規格や設備(グラウンドサイズ、方位、内外野の黒土・天然芝、LEDを使用した照明設備など)を可能な限り再現させた球場[4][5]で、トラックマンやホークアイを甲子園球場に続いて導入し[6]、さらにスタジアム内のカメラ16台で解析するマーカーレス・モーションキャプチャ(ソニー傘下 キナトラックス社製[7])システムを日本で初めて導入した[8]。 スタンドに常設される観客席は3,600席で、選手の引退試合などを開催する場合には、800人まで収容できる外野場外のスペースを「立ち見席」扱いで開放する。球場の設計を手掛けた久米設計大阪支社設計本部の上席主査によれば、球場の形状は左右非対称で、タイガースファンをより多く収容できるように設計。この方針に沿って、一塁側のスタンドが三塁側のスタンドより場外へ大きく膨れるように配置したうえで、一塁側のスタンドに極力多くの座席を設けているという[9]。 「タイガースショップ」(阪神タイガースの公式グッズショップ)をスタンドの1階、売店を2階に配置。「タイガースショップ」では当球場限定のグッズ(サステナビリティの推進に関する製品など)も扱う予定で、公園のみの利用者も立ち寄れるように、出入口をスタンドの外側に設ける[10]。 球場の最寄り駅は大物駅(阪神本線・阪神なんば線)で、球場の敷地は駅の北側(徒歩5分圏内)に当たるものの、両方の路線の高架橋に挟まれている。スタンドの建設や防球ネットの設置に際しては、このような環境を踏まえて、阪神本線や阪神なんば線を走行中の電車の窓から場内の様子を望めるように高さなどを調整している[11]。実際には、最高で55メートル[注 2]の防球ネットを設置[13]。さらに、浸水対策の一環として、電気関連の主な設備をスタンドの2階に集約させている[14]。 球場名旧・小田南公園の隣接地に生産拠点を構える日鉄鋼板が、開場に先駆けて球場の命名権を取得した。阪神タイガースとの間で二軍本拠地移転プロジェクトに関するパートナーシップ契約を熊谷組と共に締結したことに伴う取得で、契約期間中は「日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎」という名称を使用している[注 3][17]。 施設概要球場データ構造・施設面積と機能[4]
施設設備
甲子園球場で回収したポリエステル製ビールカップ(帝人フロンティア製造)の再生繊維をクッション材に配合した、コクヨ製造の特別仕様の座席「Centura」(センチュラ)を、客席の全座席および1塁側・3塁側のベンチに使用[18]。 全席指定席である。
球場使用について開業記念試合
開業予定の2025年3月1日・2日に広島東洋カープ2軍との記念試合を予定している[19]。 ウエスタン・リーグ公式戦 初使用3月14日の広島戦がウエスタン・リーグ公式戦初使用となる(予定)[20]。 アクセス脚注注釈
出典
外部リンク
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