産業保安監督部産業保安監督部(さんぎょうほあんかんとくぶ)とは、経済産業省の地方支分部局の区分の一つである。経済産業省の所掌事務のうち火薬類の取締り、高圧ガスの保安、鉱山における保安その他の所掌に係る保安の確保に関することを分掌する(経産省設置法12条1項)。 概要沖縄県を除く全国を分轄する形で5つ置かれている。沖縄県を管轄する那覇産業保安監督事務所と合わせて「産業保安監督部等」(経済産業省設置法13条)と総称する。2005年4月1日に鉱山保安監督部の担当した鉱山における保安行政と経済産業局の担当していた火薬、ガス、電力等の保安行政を一元的に所掌する地方出先機関として、原子力安全・保安院の内部組織として設置された。2012年9月19日、保安院の廃止に伴い経済産業省本体の地方支分部局に移行した。 経済産業本省の内部部局である商務情報政策局が中央において火薬類の取締り、高圧ガスの保安、鉱山における保安その他の所掌に係る保安の確保に関することを所掌すると共に、産業保安監督部等の総合的監督、人事、教養・訓練、機構、定員、経費の概算の調整・配賦及び行政財産及び物品の管理に関する事務の取りまとめを行っている(経産省組織令9条15号、22~26号)。 組織産業保安監督部の組織は法律の経済産業省設置法[1]、政令の経済産業省組織令[2]、省令の経済産業省組織規則が階層的に規定している[3]。
また、産業保安監督部の一部区域における所掌事務の一部を分掌させる出先機関として、以下の2区分がある。
各産業保安監督部産業保安監督部と支部の名称と所在地、管轄区域は以下の通りである(政令103条の2第1項)。
なお、沖縄県は所掌事務を同じくする那覇産業保安監督事務所(那覇市)が管轄する。 財政及び職員産業保安監督部等(予算上の組織名は「産業保安監督官署」)の所管する2019年度一般会計歳出予算は28億823万3千円で、内訳は共通費(職員給与や庁費など)が27億5823万2千円、「産業保安・危機管理費 」が5000万1千円となっている[4]。業保安・危機管理費とは「鉱山保安法に基づき、鉱山災害の防止、鉱山施設の保全及び鉱害の防止を図るための鉱山保安監督及び検査」に要する経費である。特別会計に産業保安監督部等の予算はない。 産業保安監督部の職員は全員が一般職の国家公務員である。2019年度当初予算(一般会計のみ)における産業保安監督部の予算定員は308人で、全員が行政職俸給表(一)の適用を受けている。最も定数の多い級は5級(課長補佐級)で107人措置されており、4級から6級に230人、全体の約4分の3の定員が確保されている。各部の最高職である産業保安監督部長及び支部長の8官職は9級ないし8級に格付けされている。 人事院規則の定めにより特殊勤務手当として、産業保安監督部等の職員が鉱山の坑内で巡回検査・災害検査に従事したときは坑内作業手当が支給される(人事院規則九―三〇(特殊勤務手当)4条1項4号)。金額は作業の危険度によって段階に分けて定められている。通常の検査業務では1日につき鉱務監督官は990円、その補助職員は750円で、著しい危険を伴う災害検査では鉱務監督官は2600円、補助職員は1900円となっている(4条2項2号)。これは他の官署の職員に支給される坑内作業手当より高く設定されている。また、火薬類又は高圧ガスの製造施設の災害調査の作業に従事したときは爆発物取扱等作業手当が1日につき750円支給される(規則5条1項3号、同条2項2号)。 独自の職員の試験による採用は「国家公務員一般職採用試験(大卒程度試験)」に属する行政及び技術系(電気電子情報、機械、土木、建築、物理及び化学)の区分試験の合格者を対象に、欠員状況に応じて、各産業保安監督部等ごとに、合計数名程度行われている。職員の任用は経済産業局や経済産業本省の職員からも行われる。 関連項目外部リンク脚注
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