聖オーラヴ勲章
聖オーラヴ勲章(せいオーラヴくんしょう、ノルウェー語: Sankt Olavs Orden)は、ノルウェーの勲章。 沿革ノルウェー・スウェーデン国王オスカル1世によって、1847年8月21日、ノルウェー独自の勲章として創始された。名称は聖王とされるノルウェー王オーラヴ2世からとられた。 1905年にスウェーデンとの同君連合が解消される直前の1904年、スウェーデン王オスカル2世によって、ノルウェー・ライオン勲章が創始されたが、ノルウェー王ホーコン7世はこれを継承しなかった。そのため、聖オーラヴ勲章がノルウェー唯一の騎士団勲章となった。 対象、手続騎士団の主権者はノルウェー国王である。国家と人類のための顕著な功績のあった個人に贈られる。1985年以降は、外国の国家元首や王室に儀礼として贈られるもののほかは、ノルウェー国民に限って授与されている[1]。 国王が、騎士団長官、次官、宮内庁長官ほか3名の合計6名で構成される委員会の答申に基づいて授与する。宮内庁長官が委員を指名し、国王がこれを承認する。授与候補者は県知事から委員会に上申される。 等級勲章は、五つの等級に分かれており、文民、軍人の功績のいずれにも授与される。
記章は、高位の等級を受賞した場合、または死亡の時に返還することとなっている[1]。創始以来、約1万9500件の授与がされている。 記章頸飾は、金製で、5つのOの王冠付きモノグラム(創始者オスカル1世の頭文字)、5つの王冠付きノルウェー国章、10の十字(それぞれ、銀の刃と金の柄から成る2本の斧で守られている)が飾られている。 正章(バッジ)は、白色エナメル加工のマルタ十字で、金製である。十字の腕の間には、Oの王冠付きモノグラムがあしらわれている。表面中央のディスク部分は、赤地に、斧を抱いた金のライオンが描かれている。ディスク裏面には、オラーヴ聖王のモットーである「正義と真実 (Ret og Sandhed」の文字がノルウェー語で記されている。両面とも、白・青・白の輪で囲まれている。十字の上には、王冠が載せられている。軍人の場合、王冠の下に、青色エナメル加工の交差した剣が配される[1]。 大十字章の星章は、八芒星の上に、正章の表面(ただし上部の王冠はない)と同じものが載っている。 正章は、リボンに結ばれている。リボンは、赤地で、縁に白・青・白のストライプが入っている[1]。
極めて例外的だが、ダイヤモンド入り記章が授与されることがある。この場合、正章の中央ディスクの白・青・白のリングの代わりに、ダイヤモンドがリング状に埋め込まれる。 序列聖オラーヴ勲章は、文民に対してノルウェーで授与される勲章(デコレーション)の中では最高位である。軍人に対しては、戦争十字章に次ぐ。 ノルウェー王室で用いられる序列によれば、胸飾付き大十字章受賞者は15位、大十字章受章者は16位となっている。 脚注 |