ハンナ・ダインハードは1970年に上梓した "Meaning and Expression: Toward a Sociology of Art"において「芸術社会学の出発点は疑問である。すなわち、常にある特定の時代や社会、特定の時期における人間の所産として成る芸術作品、あるいは必ずしも「芸術作品」として産み出されたものではない機能は、いかにして時間を超越して生き残り、まったく異なる時代や社会において表現に富み意味あるものとなりうるのか?またその一方で、それらを生み出した時代や社会はどのように作品の中に認識されるのか?」というアプローチを提示した[1]。
^ジョセフ・アルフレド・グザヴィエ・ミヒールス Joseph Alfred Xavier Michiels(1813-1892)フランス系ベルギー人。随筆家、司書、美術史家、批評家、翻訳者。アガソペデス学会の会員。ベルギー政府からの依頼に応じて著した『フランドルとオランダの絵画史』(1847)がフリーチェの考察対象となっている。
^エルンスト・カール・グスタフ・グロッセ Ernst Carl Gustav Grosse(1862-1927)ドイツの民族学者。フライブルクの美術界で活躍したのち日本を含む東アジアの美術にも関心を持ち、日本、中国を歴訪。この間日本人女性と結婚する。人類の発達段階を生産性の低い猟師、高い猟師、牧場主、生産性の低い農耕民、高い農耕民の5段階に分け、この並びが、歴史的発展の推移ではない不連続のものであることを強調している。
出典
^Deinhard, Hanna (1970). Meaning and Expression: Toward a Sociology of Art. Boston: Beacon Press. p. 3
Jean-Marie Guyau, L’art au point de vue sociologique (1889).
Deinhard, Hanna, Meaning and Expression: Toward a Sociology of Art. Beacon Press, Boston, 1970. ISBN0-8070-6664-8
Becker, Howard S., The epistemology of qualitative research. University of Chicago Press, 1996. 53-71. [from Ethnography and human development : context and meaning in social inquiry / edited by Richard Jessor, Anne Colby, and Richard A. Shweder]
Alain Quemin, "Globalization and Mixing in the visual arts. An Empirical Survey of "High Culture" and Globalization", International Sociology, vol. 21, n°4, July 2006, p. 522-550.
Alain Quemin, "International Contemporary Art Fairs in a "Globalized" Art Market", European Societies, vol.15, n°2, 2013, p. 162-177.
Alain Quemin, Les stars de l'art contemporain. Notoriété et consécration artistiques dans les arts visuels", Paris, Editions du CNRS, 2013, 458 p.