英雄夢語り (ヒーローズ)
英雄夢語り(ヒーローズ)(原題:"Heroes")は、イギリスのミュージシャンであるデヴィッド・ボウイの11枚目のアルバム。 1977年10月14日にRCAよりリリースされた。現行のCDでは「ヒーローズ」という邦題であるが、LP時代は「英雄夢語り (ヒーローズ)」という邦題であった。 その後、1991年にEMI(米国ではRYKO)よりCD化され再発売されており、その際ボーナストラックとして未発表テイクが2曲追加収録されている。また、1999年にEMIより24ビット・デジタル・リマスタリング盤として再リリースされているが、ボーナストラックは収録されていない。 解説前作『ロウ』と制作時期が近く、参加ミュージシャンの多くが共通しており、同じくベルリンで録音され、構成も似ている(両者ともインストゥルメンタル曲の比率が高い)為、姉妹作と言える(1979年発表の『ロジャー (間借人)』を含めて3部作とされるが、『ロウ』と今作の二つは特に作風が似ている)。前作に比べると、今作は内容がドラマチックでロック色が強い。 シングルにもなった表題曲はボウイの代表曲の一つで、ボウイがドイツ語とフランス語のそれぞれで歌っているバージョンが存在する他、多くのアーティストにもカバーされている(後述)。ボウイはベルリンの壁の傍で落ち合う恋人達(実際はトニー·ヴィスコンティと当時の彼の愛人だったという)の姿を見て、この曲の着想を得たと語っている。歌詞では、閉塞的な状況に置かれた男が「ヒーローズ」という言葉を儚い夢として用いており、その内容は英雄崇拝・英雄志向的なものではない。また、音楽的には当時のボウイが傾倒していたジャーマン・ロックの影響が見られ、実際表題曲はドイツのロック・バンド「ノイ!」の楽曲「Hero」からタイトルを拝借し、また、「V-2 Schneider」は同じくドイツのテクノポップグループであるクラフトワークのメンバー、フローリアン・シュナイダーにちなんで名付けられている。 なお、アルバム・ジャケットの写真は、鋤田正義の撮影。ボウイの不思議なポーズは、オーストリアの画家エゴン・シーレの自画像を真似たと言われる。このジャケットは2013年のアルバム『ザ・ネクスト・デイ』にそのまま引用されている。 英音楽誌NMEは、本作から「ヒーローズ」を「NMEが選ぶデヴィッド・ボウイの究極の名曲1〜40位」の1位に選んでいる[1] 収録曲
参加ミュージシャン
脚注
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