西崎 (糸満市)概要市の新たな都市開発と工場誘致による産業振興の目的で1970年代後半に一部を埋め立てた後(沖縄水産高校などが移転)、1980年に大部分の埋め立てが開始、総面積約2.7平方km、総工費約360億円をかけて、1984年に完成した。市にとって川尻地区(西川町、1968年竣工)、糸満漁港西側(旧市役所周辺、1970年竣工)に次ぐ埋立地で、その後に完成した潮崎町などの埋立地も含めて面積は最大である。 現在の国道331号(沖縄西海岸道路)を境に、東側は住宅・商業施設、学校・運動公園などの公共施設といった新たな市街地。西側には大型船が接岸可能な漁港をはじめ漁業の町を生かした水産加工施設や中小企業の工場や倉庫などの工業団地に大きく分かれる。完成後は住民が次々と移住し、主な企業が工場を建設。これまでの市街地だった字糸満(旧糸満町)に替わる市最大の街として大きく発展した。 1994年には西崎町1丁目と2丁目のそれぞれ大半が南隣の字糸満西川区とともに住居表示が行われ、「町」が取られ「西崎」となり、西崎町1丁目は西崎1丁目、西崎町2丁目は報得川を境に西側を西崎2丁目、東側を西崎6丁目に分かれた。糸満市はそれ以来住居表示が行われていない。当地域では住所のうえでは住居表示実施部分は「西崎」、未実施部分は「西崎町」となっており、郵便番号も「西崎」は「901-0305」、「西崎町」は「901-0306」となっている[1]。 西崎1丁目・西崎町1丁目当地域でもっとも南にあり、最初に埋め立てたところで1970年代後半に一部が埋め立てられ、沖縄水産高校や糸満警察署(当時)が移転した。国道331号(糸満道路)から東側部分は1994年の住居表示で西崎1丁目となり、西崎町1丁目は同予定地より西側の糸満漁港北地区部分のみとなった。糸満漁港北地区の西端部分はリゾート用地で2006年に人工ビーチである「美々ビーチいとまん」がオープンしたほか、2009年にはリゾートホテルであるサザンビーチホテル&リゾートオキナワがオープンした。 主要施設西崎1丁目現存する施設
かつて存在した施設
西崎町1丁目
西崎2丁目・西崎町2丁目当地域の中央部に位置しており、西崎小学校以外はほとんど住宅地で当地域で最も大きい集合住宅である県営西崎団地もある。かつては報得川から東の商業地も西崎町2丁目だったが、1994年の住居表示で報得川から西側が西崎2丁目、東側が西崎6丁目となり(いずれも沖縄県道250号糸満具志頭線より北側)、西崎町2丁目は西崎南橋南東部の一角のみとなった。 主要施設西崎町3丁目当地域の北東部に位置し、おおむね住宅地で西側に西崎運動公園、東側に中学校や病院、北側に小学校がある。住居表示未実施地域だが今後実施する場合、西崎町2丁目を報得川を境に2丁目と6丁目に分けたことから、西崎3丁目・4丁目・5丁目に分ける可能性が高いものの、住居表示の予定は今のところない。 主要施設西崎町4丁目・5丁目国道331号(豊見城道路)より西側に位置し西崎親水公園から南側が4丁目、北側が5丁目である。全域が糸満工業団地でほとんどが工場や物流倉庫で住宅は少ない。住居表示未実施だが今後実施する場合、別の町名に変更する可能性もあるものの今のところ実施の予定はない。 主要施設
進出した主な企業西崎町4丁目
西崎町5丁目
西崎6丁目当地域の南東部に位置しており、1994年の住居表示で西崎町2丁目から分離した。当地域のみならず近くの兼城交差点周辺と並んで糸満市内でもっとも大きい商業地でスーパーや銀行などがこちらに集中しており、西崎地域の中心地である。かつてはダイエーやトイザらスなど大型スーパーもこの地区内にあったが、周辺地域の大型スーパー進出や経営合理化により撤退している。 主要施設現存する施設
かつて存在した施設
沿革
交通道路路線バス長らく81番・西崎向陽高校線(琉球バス交通)と89番・糸満(高良)線(琉球バス交通・沖縄バス共同運行)が乗り入れているが、前者は平日の朝夕2往復しかなく、後者は10往復が西崎経由であとは沖縄県道256号豊見城糸満線(旧国道331号)を通る。 2020年10月5日から東京バスが那覇市の国際通り入口から那覇空港経由で現在の国道331号である沖縄西海岸道路豊見城道路・糸満道路を通り糸満市役所発着(2022年7月23日より名城の琉球ホテル&リゾート名城ビーチまで延長)のハーレーエクスプレスが運行開始し、道の駅いとまんとサザンビーチホテルの専用バス停に停車する(糸満市内ではこのほかに停車するのは糸満市役所と発着地の琉球ホテル&リゾート名城ビーチのみで、市外では那覇市の赤嶺駅、那覇空港国内線ターミナル前、そして発着地の国際通り入口の3ヶ所で豊見城市には停車しない)。 そして2021年1月12日より189番・糸満空港線(琉球バス交通)が運行開始し、こちらも西崎から先は国道331号を通って那覇空港へ直接向かう(西崎2丁目~那覇空港の間にはバス停留所がなく、区間内を通る豊見城市内には停車しない)。 さらに同年10月1日より、市内南部(高嶺・三和各地域)を通っている南部循環線(107番・108番、琉球バス交通)が西崎方面にも乗り入れ開始し、81番や89番が通らないルートを通り、国道から西側の西崎工業団地内にも乗り入れている。107番は市内各地を通った後に潮平と西崎を通り、108番は逆に西崎と潮平を通った後に市内各地を通る。 当地域にはバス停が以下の23ヶ所あり、路線ごとに停車するバス停が異なる(カッコ内の数字は停車するバスの系統番号)。また近くの国道331号の旧道にあたる県道256号にも西崎入口(旧国道側はかつての第一製糖前)、潮平、阿波根の3ヶ所のバス停があるほか(89番の西崎を経由しないルートはこの3ヶ所のバス停に停車する)、107番と108番は西崎の手前の潮平北バス停にも停車する(107番は西崎地域内へ入る前、108番は西崎地域内を通った後にそれぞれ停車)。また、道の駅糸満前バス停は107・108が構内のみ停車。189は国道側のみ停車となっている。 西崎地域内にあるバス停留所(81は西崎向陽高校線、89は糸満(高良)線(西崎経由)、107番と108番は南部循環線、189は糸満空港線)
西崎地域内を通るバス路線のルート
平日朝夕2往復の運行で玉泉洞行き(下り)、糸満バスターミナル行き(上り)いずれも西崎地域内バス停は片方向のみ、旧国道内の阿波根、潮平、西崎入口の各バス停は糸満ロータリー方面南行きのみ停車する。玉泉洞行きは先に西崎地域内を通り、逆に糸満バスターミナル方面は最後に西崎地域内を通る。
西崎経由は10往復のみで以下のバス停に停車する。西崎を経由しない場合は県道256号(旧国道331号)を通り、阿波根、潮平、西崎入口の3ヶ所のバス停に停車する。
2020年の運行開始以来ハーレーエクスプレスが那覇市の国際通り入口(パレットくもじ前)と糸満市役所を結んでいたが、2021年7月下旬よりこれまで那覇空港と豊見城市の瀬長島や豊崎を結んでいたウミカジライナーがハーレーエクスプレスと同じルートに延長。これによりウミカジライナーがメインとなり、ルートがほぼ被るハーレーエクスプレスは大幅減便で朝のみ運行となり、国際通り入口行き(上り)が平日4便、土休日1便、糸満市役所行きの下りは平日の赤嶺駅発1便だけとなった。 さらに2022年7月23日より名城の琉球ホテル&リゾート名城ビーチ開業に伴い、ハーレーエクスプレス(下り便のみ)とウミカジライナーも同ホテルまで延長。ハーレーエクスプレスは引き続き朝のみで国際通り入口行き(上り)はいずれも糸満市役所発で平日3便、土休日2便、糸満市役所経由琉球ホテル&リゾート名城ビーチ行き(下り)は土休日も再開され平日も含め最初の2便のみで、初便は那覇空港始発(赤嶺駅から那覇空港へ変更)、2便目が国際通り入口発で同路線下りでは事実上再開となった[5]。 なお、同日に運行開始した那覇空港と琉球ホテル&リゾート名城ビーチを往復する「TK03・琉球ホテルエアポートリムジン」は既存の一部を除きハーレーエクスプレスやウミカジライナーとほぼ同じルートだが空港~ホテルの直行バスのため、途中停車のバス停はなく、西崎地域内は通過となる。
隣接地域
脚注
関連項目 |