金山バイパス
金山バイパス(かなやまバイパス)は、福井県敦賀市坂ノ下[注 1]から同県三方郡美浜町佐田に至る、延長7.5 kmの国道27号(国道162号重複)のバイパス道路である。 概要福井県道225号敦賀美浜線となっている国道27号旧道区間の混雑緩和、舞鶴若狭自動車道若狭美浜インターチェンジへのアクセス強化、原子力災害時の避難支援を目的として整備された。1972年度に事業化、1978年度に工事着手した。1993年度に暫定2車線で開通し、2014年6月27日に4車線化された。当バイパスの西に美浜東バイパスが直結している。
2013年度を基準とした事業の投資効果(検討期間50年)は、総費用898億円、総便益1,467億円であり、費用便益比は1.6と算出された[2]。 目的バイパス事業化当時の国道27号旧道(現在の福井県道敦賀美浜線)は交通量は容量を超過していた[注 2]。1993年度に暫定2車線で開通した後も依然として混雑し、美浜東バイパスとの接続地点が主な渋滞箇所となっていた[1][2]。 敦賀市や美浜町を訪れる観光入込客数は増加傾向にある。また、2009年における海水浴客は福井県全体の4割を占め、うち7割は県外からの来訪者である[1]。 金山バイパスは美浜東バイパスとともに舞鶴若狭自動車道若狭美浜インターチェンジへのアクセス道路となり、敦賀港との相互アクセスが強化される[注 3]。バイパス沿線には2006年3月、敦賀市産業団地が整備された[1]。 敦賀市と美浜町は関西電力美浜発電所の半径30 km圏内に位置し、福井県原子力防災計画に基づき、原子力災害時には県内外に避難することとされた。金山バイパスは住民の円滑な避難にも寄与すると期待される[2]。 沿革
主な交差点
整備コスト削減終点側3.1 kmの4車線化整備に際し、トンネルにおける歩道幅員を2.0 mから1.5 mへ狭めた他、トンネルの水路に新工法である薄型円形水路を採用するなど、コスト削減を図った[1]。 沈下対策金山バイパスの通る敦賀市莇生野地区は軟弱な粘性土や砂質土が分布し、当地区の建設中のボックスカルバート[注 4]に沈下が見られた。復元対象の3箇所は最大1.2 mも沈下し、道路は通行できない状態となり、水路は機能を果たせなかった。沈下したボックスカルバートは、「パーマロック・JOG工法[注 5]」で復元された。同様のケースで従来採用されていた油圧ジャッキによる復元と比較して、工期と工費を削減でき、安全性も高いとされる[6]。 脚注注釈出典
関連項目 |