『長髪大怪獣ゲハラ』(ちょうはつだいかいじゅうゲハラ)は、2009年に制作された日本の特撮映画[1]。
概要
2008年4月にNHKのテレビ番組『テレ遊びパフォー!』で、怪獣デザインコンテストでグランプリに選ばれた「長髪大怪獣ゲハラ」を映像化したもの。2009年2月24日深夜に番組内で放送された後、同年3月の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」で上映され、市民賞を受賞した。
美術はマーブリング・ファインアーツが担当し、建物のミニチュアには同社の所有物が使われた[2]。正味15分(後述のディレクターズカット版でも21分)という短編だが、裏話によれば『NHKスペシャル』1本分の予算が投じられたという。それでも予算面での制約はあったため、ゲハラの金沢進撃シーンではいわゆる「石膏壊し」と呼ばれるミニチュア破壊シーンを極力抑えた描写になっている。
放送後には、CGパートを加えて再編集したディレクターズカット版が制作された[2]。
長髪大怪獣 ゲハラ
諸元
ゲハラ
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体長 |
45.8メートル
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体重 |
計測不能
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全身が長い毛で覆われた怪獣。名前の由来は「禿げ」。山奥にある「毛覇羅神社」で長年封印されていたが、封印が解かれたために復活する。毛がクッションの役割を果たすために砲撃を寄せ付けず、被弾した個所や剥離した破片から毒ガス並みの異臭を放つ。また、ゲハラに襲われた人間はなぜか頭髪を失っている。
日本海で操業していた漁船「友郎丸」を襲撃した後、能登半島北部に上陸して送電線などを破壊しながら南下し、金沢市内に入って市街地を蹂躙したが、防衛隊に撃退され、山に帰って倒されたところを宇宙人に捕えられる。本編終了後に流れた偽予告編『ゲハラ完結編 怪獣戒厳令』では、地球侵略を企む宇宙人にコントロールされ、東京を襲撃する。
登場兵器・メカニック
- 気体渦動展開装置〈フージン〉
- 防衛隊科学班が開発した新型兵器。見た目は大きな扇風機で、履帯付きの四脚の上に設置されている。生じさせられる最大風速は120m/s。ゲハラが放つ体臭を吹き飛ばしただけではなく、砲弾が貫通しやすいゲハラの頭部を風圧で露出させ、戦車隊による攻撃を支援した。
- ミニチュアには扇風機をそのまま使用し、支柱にタラップを取り付けるなどしてスケール感を出している[2]。
- 74式戦車
- 金沢市に展開した防衛隊の主力兵器。実在する兵器であるが、撮影にはタイヨーのラジコン戦車「R/Cバトルタンク」シリーズのものが使用されており、実車とは形状が異なる。また、『ゲハラ完結編 怪獣戒厳令』の予告編には90式戦車も登場している。
- 89式5.56mm小銃・AR-15自動小銃
- 双方ともに実在する自動小銃。防衛隊の普通科部隊がゲハラに対して使用している。
- F-2
- 実在する戦闘機。防衛隊機として登場し、金沢市の市街地から山中へと逃走したゲハラを爆撃する。登場した機体はCGで描かれている。
キャスト
スタッフ
映像ソフト
2009年9月30日にBDとDVDがキングレコードから発売された。ディレクターズカット版を本編とし、映像特典に『テレ遊びバフォー!』での放映回を収録している[2]。
脚注