2016 AFFスズキカップ
2016 AFFスズキカップ[1]は、第11回目の東南アジアサッカー選手権である。2016年11月19日から同年12月17日にかけて行われた[2]。 概要グループステージはミャンマーとフィリピンの共催という形で行われた[3]。決勝トーナメントに関しては、準決勝に進出した四か国で行われた。前回王者のタイ王国代表が連覇を成し遂げた。 なお、この大会は国際サッカー連盟によって国際Aマッチの認定を受けた[4]。 開催国決定の経緯2013年12月21日にミャンマーとフィリピンの共催で決定した。両国ともに東南アジアサッカー選手権グループリーグの開催国となるのは史上初の事であった[5]。 2016年2月にフィリピンサッカー連盟は、リサール・メモリアル・スタジアムに問題があって、代替地が見つからない事から主催を返上[6]、マレーシア、シンガポール、ベトナムが代わりに名乗りを上げた[7]。3月7日にマレーシアを共催候補とする事で決定し、同月11日までにフィリピン側にフィリピン・スポーツ・スタジアムの使用権を確保出来なかった場合、ミャンマーとマレーシアで共催という形になった[8]。最終的にはフィリピンが両スタジアムを確保出来たため、フィリピンとミャンマーで開催する事となった[9]。 会場
予選→詳細は「2016 AFFスズキカップ (予選)」を参照
予選はカンボジアで行われた[11]。ホスト国のカンボジア代表が予選を通過した。 インドネシア代表は、国際サッカー連盟からの活動停止処分のため、この大会にも参加できない可能性があったが、活動停止が解除されたために本戦に参加した[12]。 出場国The following eight teams qualified for the competition.
組み合わせ抽選2016年8月2日に決定[13]。主催のフィリピンとミャンマーはポット1に、インドネシアは活動停止処分があったため自動的に最下位に振り分けられた[14]。
結果それぞれのグループの順位は以下のようにして決定される。
以上の三つが同一であるチームがあった場合、次の優先度で順位を決定する。
グループステージ
グループA
グループB
決勝トーナメント
準決勝第一試合 第二試合 インドネシアが4-3で決勝進出 タイ王国が6-0で決勝進出 決勝第一試合 第二試合 タイ王国が3-2で優勝 事件マレーシア対ミャンマー戦を3日後に控えた11月23日、マレーシア青年・スポーツ省のカイリー・ジャマルディンは統一マレー国民組織、全マレーシア・イスラーム党、人民正義党、国家誠信党ペナン支部からの再三の要請を受けて、ミャンマー政府がロヒンギャを迫害しているために試合のボイコットを呼びかけた[15][16][17][18][19][20][21]。これに対してASEANサッカー連盟は、マレーシア代表がこの試合を抛棄した場合、政治的介入になるため国際サッカー連盟から長期の活動停止処分が下ると警告した[22]。25日にマレーシア側は試合に出場する事を決定[23]、両監督ともに大した問題にはしなかった[24][25]。しかしこの最終節、マレーシアはミャンマーにまさかの敗北を喫し、決勝ラウンド進出を逃した[26]。 準決勝第二試合のインドネシア対ベトナム戦では傅明主審がインドネシア贔屓の笛を吹いたとしてベトナムサポーター側から批難された。インドネシアによるファールを全く取らなかったのみならず、76分にベトナムのゴールキーパートラン・グエン・マンに対してレッドカードを出したことは大きな物議を醸した[27][28]。ベトナムはこの結果、決勝進出を逃したためにサポーターの一部が暴徒化し、インドネシア代表の乗るバスに大きな石を投げ、インドネシア代表はゴールキーパーコーチとチームドクターが負傷した[28][29][30][31][32]。この事件に対してインドネシアサポーターからはスポーツマンシップの欠片もないと非難囂囂[33]、インドネシア代表のエヴァン・ディマスは「あのバス窓への投石が顔に当たっていたらサッカー人生は終わりうる物だった」も表現した。二輪車の暴徒集団がバスを囲もうとしており、バス運行の安全が確保できないため、運転手はミーディン国立競技場に引き返した[34]。代わりのバスは厳重な警備の下出発、ベトナムサッカー連盟は公式に謝罪した[31][32][35]。 決勝第一試合のインドネシア対タイ王国戦ではタイ王国代表のティーラトン・ブンマタンが直截フリーキックを蹴ろうとしたところ、インドネシアサポーターからレーザーポインターによる攻撃を受けた[36][37][38]。その後もゴールキーパーのカウィン・タンマサッチャーナンを中心にレーザーポインターが照射され、カウィンは飯田淳平主審に試合に集中が出来ない旨を伝えた[39]。この試合は後半にインドネシアが逆転勝利している。試合終了後のメディア対応ではタイ王国代表のキャティサック・セーナームアン監督も、レーザーポインターが原因で集中を切らしたと述べた他、インドネシア代表のアルフレッド・リードル監督も「第一試合で勝ったのはアンフェアな振る舞いをしたからだ、となるのだからまことに恥であり批難の対象である。」と述べた[40][41][42]。インドネシアのファンは謝罪をしたが[38]、タイ王国側は「収拾するのは主審の義務であった」、「インドネシアの選手の闘争心が我々のミスを誘っただけの試合であった」と紳士的な対応を見せた[43]。 第二試合の後半アディショナルタイムにインドネシア代表のアブドゥー・レスタルフが突如タイ王国ベンチに向けてボールを蹴り込み退場処分となった[44]。事の起こりはタイ王国代表のディフェンダーがカットしたボールがピッチを割ってタイ王国ベンチ内に転がっていった事であった[44]。椅子の下に入り込んだボールに対してタイ王国側は微動だにしなかったため、1点を追いかけるインドネシア代表側は早くボールをピッチに戻したい状況であったものの、タイ王国側はボールを渡さず、これを姑息な時間稼ぎと捉えた事に対しての行動であった[45]。結局ムハンマド・アブドゥッラー・ハッサン・モハメド主審がボールの返還をタイ王国側に要求した事でボールはピッチに戻ったが、この時間稼ぎに苛立っていた彼はベンチにボールを蹴り込みレッドカードとなった[45]。ピッチを後にする際にもタイ王国サポーターに向けて中指を立てていた[46]。この一連の行動に対してはインドネシア内でもスポーツマンシップの欠如として大きく批判された[47]。結局試合はそのまま終了したが、この試合でタイ王国代表側もリードした興奮のあまりに発煙筒を投げ込んでおり、タイ王国国家警察庁はタイ王国代表のウルトラズをタイサッカーのイメージを損なわせたとして捜査に乗り出した[48]。またタイサッカー協会もこの投げ込みによって、年明け1月5日に3万米ドルの罰金を課せられた[49][50]。 表彰勝者
賞
ベストイレブン大会ベストイレブンは以下の通り[51]。
最終順位
出典: AFF
参考文献
外部リンク
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