4.85x49mm弾
4.85x49mm弾とは、イギリスが個人用武器計画のために試験的に製造した、小火器用の実包である。この小火器はSA80系統の小銃となった。 設計4.85x49mm弾の設計は5.56x45mm NATO弾を基礎としていたものの、5mm径の弾丸を採用し、5.56mm弾の形状よりも長いネック部分を有する。銃口初速はM193 5.56mm弾よりも良好で、また本弾薬はM193に匹敵するよう設計されていた。 経緯1960年代ごろ、イギリスでは7.62x51mm NATO弾の代替として軽量であるが効果的な弾薬の製作を試みていた。元々の実験では、.280ブリティッシュ弾を減口径し、6.3mmとすることに焦点を当てていた[2]。しかしながら、1960年代には西ドイツの研究により、5mmか、よりもっと小さな口径を持つ弾薬という概念が提示された。結果、この研究はイギリスを後押しし、彼らの試験弾薬に替えて5mm口径弾を使用させることとなった[3]。SA80用となるであろう5mm弾の仕様は、5mm弾の製造が必要であるという考えを決定づけた。 4.85x49mm弾はもともと5x44mm弾として開発着手し、これは1970年に製造された[3][4]。こうした初期の試作品に用いられた弾頭の形状は、もう一つ別に試験生産されたイギリスの弾薬である、6.23x43mm弾の一種に使われたものを基礎にしている[4]。実際の弾薬は5.56mm NATO弾の形状をリフォームしたものから作られた。しかし、試験銃身の山径に弾薬の口径をあわせるという指示により、この弾薬はすぐに4.85x44mm弾に改称することが決定された[3]。この弾薬の実際の直径は変更されていない。 試験が繰り返され、弾丸の薬莢への収容に問題があることが示された。この改修のため、弾薬のネック部分が5mm延長され、4.85x49mm弾が製造された。しかし、生産ラインが新しい弾薬用として完全に改修される前に、RSAFエンフィールド社は試験用弾薬のバッチを要求した。試験の仕様に合わせる手段として、手作業により既存の4.85x44mm弾のネック部分が5mm延長された[3]。 1970年代を通じ、4.85x49mm弾とL64/65小銃の両方の試験が繰り返された。1976年、L64/65兵器システムは公式発表された。公衆がこの兵器と4.85mm弾を公式に知った最初の機会だった[5]。 1977年、NATO用の標準装備として新しい弾薬と兵器を探すためのトライアルが進行中だった。イギリスでは個人用武器に4.85x49mm弾が装備されると考えられていた。XL1E1普通弾とXL2E1曳光弾の両方が多量に製造され、これは試験に提供するに十分な数の弾薬だった。イギリスは、アメリカ合衆国とNATOが5.56mm弾を上回る4.85mm弾の特有の利点に注目し、これを採用することを期待していた[5]。 4.85mm弾の兵器としての寿命は、NATOの試験により、5.56mm弾用としてFNハースタル社のSS109弾が最も良好な能力を持つという結論を迎えたときに終了した。1979年、5.56mm弾が選ばれ、イギリスの審査員達は4.85mm弾を公式に廃棄した[6]。この後、個人用武器システムは、5.56mm口径へと薬室を改修した。 4.85mm弾薬を使用したいかなる国家も他には存在しない。 派生型4.85mm弾には、使用中に作られた幾つかの派生型が存在する。
画像
参考文献
関連項目
外部リンクInformation related to 4.85x49mm弾 |