CaptainSparklez (キャプテンスパークルズ)(本名:Jordan Maron(ジョーダン・マロン)、1992年 2月10日 - )は、主にMinecraft の動画で知られるアメリカ合衆国 のYouTuber 、Twitch ストリーマーである。2024年1月 (2024-01 ) 現在[update] 、YouTube のメインチャンネルの登録者数は1140万人を超えている。
2010年、当時18歳だったマロンは、『コール オブ デューティ 』のゲームプレイ動画を投稿するため、最初のYouTubeチャンネルを作成した。同年後半、CaptainSparklezと名付けた新チャンネルに移行し、Minecraftの動画を投稿し始めた。また、2011年にはJustin.tv での活動を開始し、さまざまなゲームのライブストリーミング を行った。そして、Justin.tvがTwitchに統合された後も、Twitchでストリーミングを続けた。YouTubeでは、Minecraftをテーマにしたミュージックビデオや日々のゲーム実況動画を通じてファン層を築き始めた。また、規模は比較的小さいながらもTwitchでも人気があった。2011年末にはYouTuberを本業とするほどの成功を収めた。2012年初頭には、CaptainSparklezのチャンネル登録者数が100万人に到達した。またマロンは、モバイルゲーム 会社やアスレジャー商品など、他の企画にも関わっている。チャンネル開設から13年が経過した2023年12月には、メインチャンネルへのMinecraftの実況動画の投稿を停止することを発表した。
マロンは、Minecraftをテーマにした楽曲や人気曲のパロディ で最もよく知られている。楽曲は歌手のTryHardNinjaと協力して作成した。また、これらのアニメーションミュージックビデオは、マロンのチャンネルで最も視聴されており、2010年代初頭の一時期はYouTubeで最も視聴されたMinecraft動画であった。「DJ Got Us Fallin' in Love (英語版 ) 」のパロディである「Revenge」は、最も視聴されたMinecraftのYouTube動画を含む3つのギネス世界記録 に認定された[ 注釈 1] 。
生い立ち
ジョーダン・マロンは1992年2月10日にロサンゼルス で生まれた[ ‡ 1] [ ‡ 2] 。両親は結婚しておらず、彼が幼い頃に別居した。マロンの母親は後に別の男性と結婚した。マロンはほとんどの時間を母親と過ごし、4歳のときに母親とサンタバーバラ に引っ越した。大学の進学前はサンタバーバラ高校 (英語版 ) に通っていた[ ‡ 1] 。その後、カリフォルニア大学サンタバーバラ校 で化学工学 を専攻していたが、ビデオゲーム が将来性のある職業になる可能性に気づき、1年生のときにコンピューター・サイエンス に転向した。2年生の第一四半期の後、マロンはYouTubeで十分な成果を挙げていたため中退することを決めた[ ‡ 1] [ 1] 。
インターネットでの経歴
マロンはゲーム実況YouTuber に刺激され、18歳の誕生日に母親にPC用キャプチャーボード (英語版 ) を頼んだ[ 2] 。同月の2010年2月、『コール オブ デューティ 』の動画を投稿してスコアを「披露」するために、「ProsDONTtalkSHIT」と名付けた最初のYouTubeチャンネルを作成した[ 1] [ ‡ 3] 。チャンネルは小規模で、動画1本あたりの視聴回数は1万回程度であった。マロンは、チャンネルが成長したときに備えて、あまり下品でないユーザー名にすることにしたが、依然としてチャンネルが成長する可能性は低いと考えていた。2010年7月20日、新しいチャンネルを作成し、思い切って「CaptainSparklez」と名付けた[ 3] [ ‡ 4] 。彼はMinecraftが翌年インターネットで有名になる前に別のYouTuberであるSeaNanners (英語版 ) からMinecraftを紹介された[ 4] 。マロンは懐疑的だったが、Minecraftの動画を制作することにした[ 5] 。そして、8月に最初のMinecraft実況動画 を投稿した[ 6] 。
マロンは両親に約束したにもかかわらず、大学に入学してからYouTube動画の制作により携わるようになった[ 2] 。また、2011年にはJustin.tv でゲーム実況のライブストリーミングを始めた。その後、Justin.tvのゲームセクションはTwitch に移行され、そこでストリーミングを続けた。マロンは動画を収益化できるようになった後、12月にYouTuberを本業として始めた[ 1] 。そして、日々のゲーム実況動画から部分的にファン層を築き上げ[ 7] 、2012年4月にはチャンネル登録者数が100万人に達した[ 8] 。2013年9月、CaptainSparklezは再生回数が10億回を突破した5番目のソロゲームチャンネルとなった[ 6] 。マロンは、2015年に芸能事務所のウィリアム・モリス・エンデバー (WME)と契約した[ 9] 。2016年には、マロンと他の4人のYouTuberが、Minecraftのスピンオフゲーム『Minecraft: Story Mode 』の第6話でMinecraftアバターの声を担当した[ 10] 。
コンテンツ
マロンはYouTubeのMinecraftコンテンツで最もよく知られている[ 11] 。YouTubeのメインチャンネルではゲーム実況動画が中心で、Twitchライブストリームを利用して新しいゲームを試しているが、視聴者は少ない[ 1] [ 6] [ 7] 。また、他の種類のMinecraftコンテンツとしてミュージックビデオ[ 3] やフィットネスコンテンツ[ 12] などをアップロードしている。以前は、1日に1、2本の動画が投稿され[ 5] [ 7] 、実況動画の間により高度に制作された動画を投稿していた[ 1] 。マロンはさらに10のチャンネルを作成した[ 13] 。2023年12月、マロンはYouTubeのメインチャンネルでMinecraftのゲームプレイコンテンツの投稿をやめると発表した[ ‡ 5] 。
マインクラフトソング
マロンは、自身がプロデュースし、自身のチャンネルに投稿したMinecraftをテーマにした楽曲で特に知られている。ウォール・ストリート・ジャーナル は、ファンダム における地位から、マロンを「the godfather of Minecraft song parodies(マインクラフトソングパロディのゴッドファーザー)」と呼んだ[ 14] 。2010年代初頭、マロンのアニメーションミュージックビデオは、YouTubeで最も視聴されたMinecraft動画であり[ 15] 、マロンのチャンネルで最も視聴されたビデオでもあった。楽曲の多くは、当時の人気曲のMinecraftをテーマにしたパロディ であったが、マロンの制作チームはオリジナルの楽曲も作成している。アニメーションは、匿名 であるBootstrap Buckarooが主導し、ボーカルはTryHardNinjaとしてネット上でビデオゲームを題材にした楽曲を制作しているIgor Gordienkoが担当している[ 5] 。TryHardNinjaが作曲する楽曲は、ハイテンポのシンセポップ と電子音楽 である[ 16] 。
2011年8月19日、マロンはアッシャー の「DJ Got Us Fallin' in Love (英語版 ) 」のMinecraftをテーマにしたパロディ音楽「Revenge」をYouTubeに投稿した。2023年 (2023-June ) 現在[update] 、ミュージックビデオの再生回数は2億8,300万回を超えており、彼の最も視聴された動画となっている[ ‡ 6] 。この曲は、クリーパー に襲われるプレイヤーの視点で歌われている[ 17] 。同年10月、マロンは「江南スタイル 」のパロディ音楽「Minecraft Style」を公開し、同じくバイラル・ビデオ となった[ 18] [ 19] 。タイオ・クルーズ の「Dynamite (英語版 ) 」のパロディ音楽「TNT」は、2019年4月に再生回数が原曲であるイギリス版のミュージックビデオを上回った[ 20] 。同年後半、「Revenge」は、グループチャット (英語版 ) で歌詞を1つずつ順番に入力することに挑戦するインターネットミーム として再び注目を集めた[ 21] 。
2012年から2022年にかけて、マロンは「Fallen Kingdomシリーズ」と呼ばれる5本の関連するMinecraftミュージックビデオを公開した[ ‡ 7] [ 22] 。「Fallen Kingdom」は、コールドプレイ の「Viva la Vida 」のパロディ音楽であり、城を失った王の視点から歌われた曲である[ 14] 。一方、「Take Back the Night」はYouTubeでの再生回数により、ビルボードダンス/エレクトロニックソングチャート (英語版 ) で2位となった[ 23] 。シリーズのストーリー展開は「Find the Pieces」、「Dragonhearted」、「Rising Kingdom」と続いた[ ‡ 7] 。2017年、マロンはプロデューサーのSeven Lions (英語版 ) やイレニアム 、Said the Sky (英語版 ) 、歌手のHaliene (英語版 ) とコラボして「Rush Over Me」を制作した[ 16] 。
その他の事業
モバイルゲーム
マロンとアクティビジョン の共同創業者ハワード・マークスは、モバイルゲーム 会社XREALを共同設立した。マークスは、マロンの祖母の共通の友人を通じて初めてマロンと連絡を取った。2015年5月にiOSとAndroid向けに最初のゲーム『Fortress Fury』をリリースした。本作では、プレイヤーは武器やアイテムを作り、タイルベースの2D要塞を構築して、リアルタイムマルチプレイヤー バトルで他のプレイヤーの要塞を破壊する[ 7] [ 24] [ 25] 。本作は契約スタジオによって開発されたが、発売後に制作はXREAL社内に移った。スタジオは、将来性のあるモバイルEスポーツ 場面向けのゲームを制作することを目指していた[ 1] [ 7] 。
本作のタイトルはもともと『Fortress Fallout』になる予定だった。しかし、「Fallout シリーズ 」の開発元ベセスダ・ソフトワークス の親会社ゼニマックス・メディア がXREALに停止 (英語版 ) 命令書を送り、ゲームの商標登録申請を取り下げ、今後の販促資料でタイトルを使用しないよう求めた。マロンや複数のメディアは、Fallout シリーズとは大きく異なるモバイルゲームが関連付けられる可能性は低いと考えていた。一方で、小規模の会社であったXREALにはゼニマックスと戦うだけの資金がなかった[ 25] [ 26] [ 27] 。マロンは後に動画で、この命令書はベセスダがリリースまで秘密にしていたモバイルゲーム『Fallout Shelter (英語版 ) 』(2015年)との競合を防ぐために送られたと述べた[ ‡ 8] 。
本作は、最初の3か月で200万回以上ダウンロードされた一方で、それに見合う収益は得られず、アメリカでiOSゲームの売上上位200位にも入らなかった。TouchArcade (英語版 ) のTasos Lazaridesは、これはマロンがゲーム内購入を減らしてプレイヤーに優しいゲームにしようとしたことと、競争の激しいApp Store市場によるものだと示唆したが、ガーディアン のStuart Dredgeはフォロワーの多くが子供だったためだと推測した。マロンはフォロワーにタイトル、ロゴ、アイコンアートの投票をさせていた[ 7] [ 28] [ 注釈 2] 。
商品とパートナーシップ
マロンは2013年にMaker Studios (英語版 ) のポラリスとのパートナーシップ契約を結んだ[ 29] 。2017年にPocketWatch (英語版 ) と同様の契約を結んだ後、マロンは同社の株式 (英語版 ) を取得し、翌年に、Pocketwatchの最初の本『Watch This Book』に子供向けコンテンツクリエイターの一人として登場した[ 30] [ 31] 。
CaptainSparklezのアクションフィギュア は、2015年5月22日に発売され、Minecraftをテーマにした最初のTube Heroes商品の一部であった[ 32] 。2020年2月、マロンはQuality Contentと呼ばれるアスレジャー (英語版 ) 衣料ブランドを立ち上げた[ 12] 。
受賞と評価
「Revenge」は、YouTube で最も再生回数の多いMinecraftの動画、YouTubeで最も再生回数の多いマシニマ 、最も再生回数の多いビデオゲームを基にしたファンフィルムとしてギネス世界記録 に認定された[ 33] [ 34] [ 35] [ 注釈 1] 。2015年、マロンとSethBling (英語版 ) は、 Minecraftで動作する携帯電話のデモンストレーションを行い、その様子をベライゾン のスポンサー動画として投稿した。これは、Minecraftで動作する初の携帯電話としてギネス世界記録に認定されている。クライアントサーバモデル には、ベライゾン、Blockworks、Wieden+Kennedy (英語版 ) が開発したBoxelと呼ばれるウェブアプリケーション が使用され、携帯電話のソフトウェアをゲーム内のブロックに瞬時に変換している[ 36] [ 37] [ 38] [ 39] 。2016年、マロンはフォーブス30アンダー30 のゲーム部門に選ばれ[ 40] 、また、Shorty Award (英語版 ) のゲーム部門にノミネートされた[ 41] 。
私生活
2015年10月、マロンはサンセット・ストリップ にある邸宅を450万ドルで購入し、メディアの注目を集めた[ 42] [ 43] [ 44] 。マロンは2023年にカリフォルニア州パサデナ に移住した[ 45] 。
出演
脚注
注釈
^ a b ギネス世界記録がこれら3つの記録を最後に更新したのは、2016年7月21日である。
^ 元の名前である『Fortress Fallout』と変更後の『Fortress Fury』は、両方ともマロンのファンが投票で選択した[ 26] 。
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関連文献
外部リンク