GNUアセンブラ(グヌーアセンブラ、英: GNU assembler; GAS) はGNUプロジェクトで使用されるアセンブラである。GNUコンパイラコレクションのデフォルトバックエンドとして働き、GNUオペレーティングシステムやLinuxのコンパイルにも使われる。Ver.2.5以降はGNU Binutilsパッケージの一部分である[1]。
Gasの実行ファイル名はasであり、Unix系システムの同名のアセンブラの替わりになる。Gasはクロスプラットフォームであり、様々なコンピュータ・アーキテクチャ上で動き、またそれらを対象にアセンブルすることができる。GNU General Public Licenseでライセンスされたフリーソフトウェアである。
一般的な構文
Gasはサポートするアーキテクチャすべてで使用可能な一般構文を持つ。一般構文にはアセンブラ・ディレクティブやコメントも含まれる。
アセンブラ・ディレクティブ
Gasはピリオドではじまるキーワードを使用した、Cのプリプロセッサに似たアセンブラ・ディレクティブ(別名:擬似命令)を使用する。ほとんどのアセンブラ・ディレクティブはすべてのアーキテクチャ対象に使用できるが、一部機種依存のものもある[2]。
コメント
Gasは、Cと同様の「/*」「*/」で囲まれる複行コメントを実装している[3]。
例:
movl %eax,%edx /* ここはコメント
改行の入った
説明文 */
Gasは「#」を単行コメントとして使用する。
例:
pop %edx # ここはコメント
# ここもコメント
movl %edx,%eax
記法
批判の一つに、x86やx86-64といったアーキテクチャ上で一般的なインテル記法ではなく、AT&T記法を使用することが挙げられる。mov などの命令の引数の順番が逆になっている。
しかし、ヴァージョン2.10[4]から追加された.intel_syntax
ディレクティブにより、インテル記法もサポートされた[5][6]。
出典
関連項目
外部リンク
英語版ウィキブックスに本記事に関連した解説書・教科書があります。