ILLUSION(イリュージョン)は、株式会社アイワンのアダルトゲームブランドの1つ。略して「イリュ」と呼ばれることもある。
1992年にハート電子産業の新ブランドとして発足後、1996年に株式会社アイワンが設立された[注釈 1]。ハート電子産業から独立したメーカーとして株式会社インターハートがある。“視覚的エンターテイメント”としての意味合いがブランド名の由来にある[1]。
設立当初は、一般的なアダルトゲームを作成していたが、1995年5月18日に初の3DCGアダルトゲーム『監禁』を発売[注釈 2]、1997年2月14日に発売された『魔界』より、キャラクターや背景などに3DCGを多用するようになり、2001年8月24日発売の『INTERACT PLAY VR』以降の作品から、ユーザーのPC上でのリアルタイム描画の3DCGを主に扱うようになっている。これらのことより3DCGブランドとして知られるようになった。
主人公になりきって直接操作、体感するタイプのゲームジャンルの製作も多く、2017年2月に発売された仮想現実ゲーム『VRカノジョ』のヒットでも知られる。同年7月には『VRカノジョ』に関連したハッカソンが開かれたほか、VRコンテンツを中心に扱うブランド「ILLUSION VR」(のちのIVR)の設立が発表された[2]。
イリュージョンコアやイリュージョンプロ、Vision、MOTION、Dreams、mixwill soft、TEATIME、FULLTIMEといった多くの姉妹ブランドが存在していたが、最後まで活動していたのはILLUSIONとIVRのみである。なお、TEATIMEとFULLTIMEについては、公式ホームページのトップページに姉妹ブランドとしてリンクされている。
2023年8月18日をもって、一切の作品の開発・販売を終了[3]。また、同年8月4日にはILLUSION開発チームのTwitterアカウントが新規メーカー「ILLGAMES」名義に更新され、ILLUSIONと同様の3D美少女ゲームメーカーとして活動を開始することが発表された[4]。ただし、ILLUSION側は「後継会社は存在しない」と発表しており[5]、作品に関する権利は引き継がれず、これまでの作品は全て予定通り終売となる。
作品一覧
姉妹ブランドのVision、MOTION、Dreams、mixwill softも説明する。TEATIMEとFULLTIMEはTEATIMEを参照。☆は非3DCG作品。
ILLUSION
イリュージョンコア、イリュージョンプロを含む。
- 1993年4月1日 - エンジェルアーミー ☆
- 1993年8月27日 - 性戦士もっこりまん ☆
- 1993年11月20日 - 牌牌遊戯 ☆
- 1994年3月25日 - 闇の稜線 ☆
- 1994年6月24日 - もっこりまんRPG ☆
- 1994年11月2日 - 鬼頭島女子刑務所 ☆
- 1995年3月1日 - 柔肌美少女 ☆
- 1995年3月10日 - レッドコブラ ☆
- 1995年5月18日 - 監禁
- 1995年8月11日 - 乱交女体釣り 〜もっこりまんのナニでヌシ釣り〜 ☆
- 1995年12月15日 - エーゲ海の雫 ☆(一般向け作品[6])
- 1996年5月24日 - 裏マンション発禁 ☆
- 1996年6月28日 - まんぐり ☆
- 1996年9月13日 - 漂流 ☆
- 1996年10月25日 - 生本 ☆
- 1997年2月14日 - 魔界
- 1997年12月26日 - DES BLOOD
- 1998年8月28日 - 過激ゲーム(1)【(1)は正式には➀である。】 ☆
- 1998年11月6日 - DES BLOOD2
- 1999年5月14日 - 尾行 〜夜の帰り道〜
- 2000年3月10日 - DES BLOOD3
- 2000年9月14日 - BRUTISH MINE
- 2001年1月12日 - 〜リバーシブルフェイス〜 尾行2
- 2001年3月9日 - ですぶら運動会 〜イシスの逆襲〜
- 2001年6月29日 - レクイエムハーツ 〜監禁〜
- 2002年4月19日 - Battle Raper
- 2002年9月13日 - DES BLOOD4 〜LOST ALONE〜
- 2003年3月28日 - DBVR
- 2004年1月30日 - 尾行3
- 2004年6月25日 - A-GA 〜激動の惑星〜
- 2004年11月26日 - 人工少女2
- 2005年4月22日 - Battle RaperII 〜THE GAME〜
- 2005年11月25日 - おっぱいスライダー2
- 2006年4月21日 - レイプレイ
- 2006年9月29日 - Sexyビーチ3
- 2007年5月25日 - すくぅ~るメイト
- 2007年11月30日 - 人工少女3
- 2008年10月10日 - 箱 -はこ-
- 2009年2月27日 - すくぅ~るメイト Sweets!
- 2009年5月29日 - @ふぉーむメイト
- 2009年10月2日 - 勇者からは逃げられない!
- 2010年2月19日[7] - リアル彼女
- 2010年6月25日 - すくぅ~るメイト2
- 2010年8月20日 - でじたるメイト【DL専売】
- 2010年10月29日 - SexyビーチZERO
- 2011年2月18日 - ベストコレクション 艶 〜ツヤ〜
- 2011年2月18日 - ベストコレクション 淫 〜ミダラ〜
- 2011年6月10日 - ジンコウガクエン
- 2011年11月11日 - ワケあり!
- 2012年2月24日 - ラブガール 〜魅惑の個人レッスン〜
- 2012年3月9日 - ベストコレクション悶 〜もだえ〜
- 2012年5月25日 - 俺が主人公
- 2012年10月12日 - ハッピーエンドトリガー
- 2013年1月25日 - プレミアムプレイ 〜ダークネス〜
- 2013年4月19日 - プレミアムスタジオPro
- 2013年7月26日 - むすメイク
- 2013年11月1日 - インモラル病棟
- 2014年3月7日 - リアルプレイ
- 2014年6月13日 - ジンコウガクエン2
- 2014年12月26日 - ハーレムめいと
- 2015年1月26日 - ハーレムめいと 追加衣装 スクールセット【DL専売】
- 2015年4月24日 - プレイクラブ
- 2015年7月10日 - プレイクラブ追加データ+スタジオ
- 2015年9月11日 - Sexyビーチ プレミアムリゾート
(※ここまでの製品はWindows 10に正式対応しておらず、サポートも行われていない。)
番外
フォーゲストから販売された、様々な美少女ゲームメーカーとのコラボデジタルフィギュア・ジオラマツール・デスクトップマスコットシリーズ『きゃらコレ!』の企画制作も行っていた。
キャラクターの題材はほぼ成人向け作品ながら、『きゃらコレ!』自体はすべて一般向けとなる。
- 2010年10月29日 - きゃらコレ!ITちゃん(ニュースサイト「ねとらぼ」とのコラボ。同サイトの当時のマスコット「ITちゃん」を収録した、体験版としての色の強い無料配信版)
- 2010年12月3日 - きゃらコレ!-ALICESOFT-(『超昂閃忍ハルカ』から、鷹守ハルカと四方道ナリカが収録)
- 2010年12月17日 - きゃらコレ!-BaseSon-(『真・恋姫†夢想』から、劉備と関羽が収録)
- 2011年3月4日 - きゃらコレ!-Key-(『リトルバスターズ!』から、棗鈴、能美クドリャフカが収録)
- 2011年6月14日 - きゃらコレ!でんわのクロちゃん ミュージックプレイヤー(田中久仁彦の漫画『でんわのクロちゃん』から、クロちゃんを収録した、体験版としての色の強い無料配信版)
- 2011年7月1日 - きゃらコレ!-Lump of Sugar-(『タユタマ -Kiss on my Deity-』から、泉戸ましろと河合アメリが収録)
- 2011年9月30日 - きゃらコレ!-Whirlpool-(『涼風のメルト』から、椿捺菜と涼が収録)
IVR
- 2018年8月1日[12] - Vカツ(Virtual Cast、バーチャルYouTuber支援ソフト、コイカツと非互換性・一般向け作品・基本プレイ無料)
- 2018年8月1日[13] - つんつんVR(一般向け作品・基本プレイ無料)
- 発売中止 - VRカノジョSUMMER VACATION(その後IVRの元スタッフで構成された「ALPHA-NEXT」から、キャラクターデザインなどが一部変更された一般向け作品『SUMMER VACATION』として2022年3月24日よりSteamにて配信された)
- 2021年6月24日[14] - VRカレシ(一般向け作品・基本プレイ無料)
Vision
- 1997年4月18日 - 学園性白書 ☆
- 1997年6月12日 - 発情生 ☆
- 1997年11月7日 - 禁じられた遊び ☆
- 1998年5月22日 - 犬どもの地獄 ☆
- 1998年9月18日 - 学園性白書2 ☆
- 1999年3月5日 - 天使に恥辱の洗礼を… ☆
- 1999年7月23日 - 偽タクシー ☆
- 1999年11月5日 - 罠 〜TRAP〜 ☆
- 2000年4月14日 - 偽スカウト 〜偶像夢悲伝〜 ☆
MOTION
- 1997年5月16日 - 淫欲の迷宮 ☆
- 1997年8月8日 - 唯香ちゃんとのべつまくなし
- 1998年4月10日 - 三夜物語 〜それぞれの思い出〜 ☆
- 1998年12月4日 - 淫獣のいけにえ ☆
- 1999年4月9日 - Surface Zone ☆
Dreams
3DCG作品専門のブランド。
- 1999年8月6日 - 湾岸DREAM
- 2000年6月9日 - DANCING CAT's
- 2000年11月3日 - INTERACT PLAY
- 2001年8月24日 - INTERACT PLAY VR
- 2002年4月19日 - バトルレイパー
- 2003年7月11日 - Sexyビーチ2
mixwill soft
- 2004年1月23日 - もけもけ大正電動娘ARISA ☆
- 2004年9月3日 - おねパパ 〜Onegai PaPa!〜 ☆
- 2005年2月25日 - 乳房病棟 ☆
PG Production
- 2014年11月14日 - PLAYGIRLS ~紗倉まな~
- 2014年11月14日 - PLAYGIRLS ~波多野結衣~
主なスタッフ
- 平井雄一 - キャラクターモデラーで、後にIVR設立に参加。『俺が主人公』にてディレクターデビューし、『VRカノジョ』リードキャラクターアーティストを務めた[15]。
- 大鶴尚之 - 『VRカノジョ』プロデューサー[16]。
問題
2006年に発売された『レイプレイ』に対し、2009年2月にAmazon.comでディーラーズ販売(Amazon.co.jpにおけるマーケットプレイス)されていた本作を、イギリス議会議員のキース・ヴァズが取り上げ[17][18]、Amazon.comでの販売が中止となった[19]。同年5月にはアメリカのフェミニズム団体「イクオリティ・ナウ」が日本での販売中止を求める抗議活動を起こし、日本国内でも報道された。同団体は日本政府の要人らに向けた「性暴力ゲーム」規制要求の抗議文を出すよう呼びかけている[19]。
脚注
注釈
- ^ 株式会社アイワンは、ハート電子産業のJANコードを継承している。
- ^ 電撃姫 VOL.2(1997/8)において「業界初のポリゴン美少女ゲーム」として紹介されている。
出典
参考文献
- Bi_List - 美少女ゲームの20世紀(2008年1月5日時点のアーカイブ)
- 多根清史、箭本進一、阿部広樹「リアル彼女」『超エロゲー ハードコア』太田出版、2012年10月、120-124頁。
関連項目
外部リンク