K-辺連結グラフ数学のグラフ理論において、あるグラフがk-辺連結(k-へんれんけつ、英: k-edge-connected)であるとは辺連結度がk以上のグラフのことである。 言い換えると、グラフから k より少ない数の辺を除いても連結であることを言う。 定義グラフG = (V,E) が与えられたとき、|X| < k であるような全ての X ⊆ E に対して G' = (V,E \ X) が連結であるときG は k-辺連結であると言う。明らかに、Gがk-辺連結グラフならばGは (k−1)-辺連結である。 最小の頂点次数との関係最小の頂点次数は、辺連結度の自明な上界である。すなわち、グラフ G = (E,V) が k-辺連結であるなら、必ず k ≤ δ(G) が成り立つ。但し、δ(G) は任意の頂点 v ∈ V の中での最小の次数を表す。明らかに、ある頂点 v に接続するすべての辺を取り除けば、v はそのグラフから離れて非連結となるであろう。 計算理論的側面辺連結度の算出辺連結度を決定するための多項式時間アルゴリズムが存在する。 ある簡単なアルゴリズムは、全てのペア (u,v) に対して、G 内のすべての辺の容量が両方向に対して 1 に定められているような、 u から v への最大フローを決定するものである。 グラフが k-辺連結であるための必要十分条件は、任意ペア (u,v) に対して u から v への最大フローは最小でも k であること、すなわち k が全ての (u,v) の中での最小の u-v-フローであることである。 V をグラフに含まれる頂点の数としたとき、この簡単なアルゴリズムでは 回の最大フロー問題の反復が行われ、時間 内に解決される。したがって、この簡単なアルゴリズムの計算量は、総合すると となる。 改善されたアルゴリズムでは、任意の固定された u と、固定されていない任意の v からなる全てのペア (u,v) に対する最大フロー問題を解く。このアルゴリズムでは計算量は へと減らされており、適切なものである。なぜならば、もし容量が k より少ないカットが存在するのなら、それは u を他の頂点から切り離すからである。 k辺連結部分グラフの算出関連する問題: グラフ G の最小 k-辺連結部分グラフを見つける(すなわち、スケルトンが k-辺連結となるような可能な限り少ない辺をグラフから選択する)問題は、 に対してNP困難である[1]。 参考文献
関連項目数学的対象と性質定理問題 |