NBAゲータレード・リーグ (NBA Gatorade League)は、北米大陸のプロバスケットボールリーグである。将来のNBA選手を育成する目的で、NBA後援のもとに運営がなされており、通称は「G-League(以下「Gリーグ」)」と呼ばれている。かつてはNBAデベロップメント・リーグ(通称「Dリーグ」)と呼ばれていたが、2017年2月、ペプシコ社とのパートナーシップを締結した事で、2017-18シーズンよりリーグ名をNBAゲータレード・リーグ(NBA Gリーグ)に改名。リーグの名称にスポンサー名が使用されるのはアメリカのプロスポーツリーグ史上初である[1]。
歴史
2001年の秋、前述の目的でリーグが発足された。初年度の2001-02シーズンは8チームからのスタートで、当時はチームの所在地がアメリカ南東部に固まっていた。2005年、元NBAコミッショナーのデビッド・スターンがDリーグを「NBA傘下のマイナーリーグ」としてリーグの拡大を発表した。その結果、2006年にはABA(独立リーグ=セミプロ組織)からロングビーチ・ジャムがベーカーズフィールド・ジャムに名称を変更して加入した事で、初めてカリフォルニアにもチームが誕生した。さらに2ヵ月後には、CBA(独立リーグ)からダコタ・ウィザーズ、スーフォールズ・スカイフォース、アイダホ・スタンピード、コロラド・フォーティナーズの3チームが加入され、更に規模が拡大された(尚、フォーティナーズは当初CBAに加入予定だった新チームである)。また、ロサンゼルス・レイカーズがNBAのチームで初めてDリーグのチームを所有、サウスベイ・レイカーズとして始動した。
しかし、規模拡大に伴う経営危機が各チームに及ぶこともあり、2005-06シーズンを最後にロアノーク・ダズルとフェイエットビル・ペイトリオッツが消滅し、翌2006-07シーズンにはフロリダ・フレイムが消滅した。消滅するチームがある一方、毎年新規参入チームが誕生しており、2015-16シーズンからカナダに初めてのDリーグチーム、ラプターズ・905が新規参入した。
所属チーム
現在地
2021-22シーズン所属チーム
イースタン・カンファレンス
ウェスタン・カンファレンス
エキシビジョンチーム
消滅したチーム
NBAへの昇格
シーズン中、NBAから10日間契約等で、いわゆる「昇格」を果たす選手がいる。これは、Dリーグが育成リーグという趣旨もあることから、リーグ本来の目的の一部が達成されたとも考えられる。また、この場合は提携先に限らず、どのチームとも契約が可能である。
また、Dリーグの選手がNBAドラフトで指名されるケースもあり、2008年のNBAドラフトで、マイク・テイラーがDリーグ初のNBAドラフト指名選手としてポートランド・トレイルブレイザーズより2巡目55位で指名された。
Dリーグ・ショーケース
2005年から、Dリーグの全チームが一堂に会し、ひとつの会場で試合を行なうDリーグ・ショーケースを開催。NBAチームのスカウト陣が1つの会場でまとめてDリーグのゲームを視察できるため、Dリーグに所属している選手にとって、NBA全チームのスカウトに対して自らの実力をプレゼンする絶好の機会になる。
特徴
- NBAの各チームはGリーグの各チームと提携を組んでおり、Gリーグ発足当時はNBAチーム2~3チームあたり、Gリーグ1チームと提携していた。近年は各NBAチームが単独でチームを所有する傾向が増加し、2016-17シーズン時点で、NBAの22チームがGリーグチームを所有している。
- 選手はリーグと契約を交わし、その後リーグが主催するドラフトによりチームが編成される(すなわち、チーム個々とは契約を交えていない)。Gリーグのドラフトは毎年11月上旬に開催される。選手の異動が激しく多数の選手を獲得する必要があるため、10巡目まで行われる。
- ドラフト後は、トレーニングキャンプを行ってロースターを支配下登録が可能な10人まで絞ることから始まる。そして11月下旬に開幕し、50試合のレギュラーシーズンを戦う。2月にはオールスターゲームも開催される。4月中旬にレギュラーシーズンが終わると、数日後にはプレイオフが始まり、優勝チームが決定される。
Gリーグアサイン
- NBAのチームは15人まで支配下選手を登録することが可能だが、NBAドラフトにより選出されたばかりの新人選手や、即戦力ではない選手はGリーグに送り込んで(Gリーグ・アサインし)技術を向上させることが慣例になっている。しかし、その場合は提携先のチームにしか送り込むことはできない。また、1選手につき、シーズンで3回までしか送り込むことが認められない。
- NBAのチームはトレーニングキャンプを行ってロスターを支配下登録が可能な15人まで絞る際に、ウェイブした選手を4人まで提携選手(affiliate player)ルール[2] に則り提携Gリーグ・チームのロスターに抱えることができる[3]。
Gリーグ・オールスターゲーム
2007年2月17日、NBADLの初めてのオールスターゲームがネバダ州ラスベガスで開催された。オールスターゲームは、NBAオールスターウィークエンドのプログラムの1つとして開催された。試合は、イースタンが114-110で勝利、MVPはポップス・メンサー・ボンスが受賞した。翌2008年から、オールスターウィークエンドのイベントであるスラムダンクコンテストやスキルズチャレンジ、3ポイントコンテストをDリーグ選手が行う、Dリーグ・ドリームファクトリーが行われるようになった。
日本人選手
2005年、田臥勇太が日本人初のDリーグ選手としてアルバカーキ・サンダーバーズでプレーした。2006年以降はベーカーズフィールド・ジャム、アナハイム・アーセナルに所属していた。2014-15シーズン、富樫勇樹がDリーグドラフトで日本人で初めて指名され、日本人2人目のDリーグ選手としてテキサス・レジェンズでプレーした。
2018年、日本人初の"Gリーグ"選手として、渡邊雄太が、メンフィス・グリズリーズ、メンフィス・ハッスルと2WAY契約を結んだ。
歴代優勝チーム
受賞
MVP(年間最優秀選手)
オールスターMVP
新人王
最優秀守備選手賞
インパクト・プレイヤー賞
MIP(最も成長した選手に贈られる賞)
ジェイソン・コリアー・スポーツマンシップ賞
コーチ・オブ・ザ・イヤー
シーズン |
ヘッドコーチ |
チーム
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2006–07
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ゲイツ, ブライアンブライアン・ゲイツ
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Idaho Stampede
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2007–08
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ゲイツ, ブライアンブライアン・ゲイツ (2)
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Idaho Stampede
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2008–09
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スナイダー, クインクイン・スナイダー
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Austin Toros
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2009–10
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フィンチ, クリスクリス・フィンチ
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Rio Grande Valley Vipers
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2010–11
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ナース, ニックニック・ナース
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Iowa Energy
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2011–12
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ムッセルマン, エリックエリック・ムッセルマン
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Los Angeles D-Fenders
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2012–13
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ジェンセン, アレックスアレックス・ジェンセン
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Canton Charge
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2013–14
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ヘンリー, コナーコナー・ヘンリー
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Fort Wayne Mad Ants
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2014–15
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スコット・モリソン(英語版)
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Maine Red Claws
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2015–16
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クレイグ, ダンダン・クレイグ
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Sioux Falls Skyforce
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2016–17
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スタックハウス, ジェリージェリー・スタックハウス
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ラプターズ・905
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2017–18
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ミラー, マイクマイク・ミラー
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ウェストチェスター・ニックス
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備考
- 2005年からはフリーエージェントとしてNBA昇格や、逆にNBAから戦力外となった選手の受け皿となり、NBAのマイナーリーグとしての色を強めた。
- bjリーグやJBLにもDリーグでのプレー歴のある外国人選手が所属している。
脚注
外部リンク